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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章  高等教育の多様な発展のために
第1節  個性が輝く大学を目指して
2  大学改革への取組



(1) 教育研究の質の向上

 平成11年9月に大学設置基準を改正し,各大学において教員の教授能力を向上させ授業の内容や方法の改善を図るため,組織的な研究・研修(ファカルティ・ディベロップメント)の実施に努めることにしました。また,学生にとって実行可能な学習量以上の過剰な履修科目の登録を防止する観点から,各大学において学生が1年間又は1学期に履修科目として登録できる単位数の上限の設定に努めることとしました。


(2) 多様な学習需要への対応

 一人一人の能力・適性に応じた教育を進め,学生が優れた才能を一層伸長できるよう,平成11年に制度の改正を行い,一定の要件の下,3年以上4年未満の在学で学部を卒業できる例外的措置を導入したほか,大学院において個別の入学審査を行い,大学を卒業した者と同等以上の能力があると認められ22歳に達した者は,大学院への入学資格が認められることとなりました。

 また,平成13年には,通学制の大学においては卒業に必要な124単位のうち60単位まで,通信制の大学においては卒業に必要な単位すべてをインターネットを利用して取得できることとなりました。また,高校に2年以上在学した後に大学に入学できるいわゆる飛び入学について,数学及び物理学以外の分野においても実施することなどができるように学校教育法の一部が改正されました。

 さらに,平成14年3月には,大学などにおける社会人の受入れを推進するため,個人の事情に応じて修業年限を超えて履修を行い学位等を取得できる長期履修学生制度の明確化,短期で集中して高度な教育を受ける機会を拡充するための専門大学院1年制コースの導入,社会人が修士課程の学修成果に基づき継続してより高度な研究を行う機会を拡大する通信制博士課程の制度化をそれぞれ図り,多様で柔軟な学習機会の提供が可能となっています。


(3) 組織運営体制の整備

 平成11年5月に国立学校設置法を改正し,国立大学が社会的存在として責任ある組織運営を行えるよう,国立大学の組織運営体制の改革を行いました。具体的には,評議会と教授会との役割分担を明確化するとともに,大学の将来計画などのような大学運営に関する重要事項について外部有識者の意見を取り入れるため,各国立大学に新たに運営諮問会議を設置しました。

 また,国民に対して大学の活動の状況を明らかにするため,平成11年9月に大学設置基準等を改正し,各大学における教育研究活動等の状況について,広報誌やホームページなどを通じて,積極的に情報を提供することを義務付けました。

 さらに,学術研究の進展や社会の需要の変化に機動的に対応し,大学がより柔軟に組織編制ができるよう,平成13年3月に大学設置基準を改正し,講座・学科目以外の教員組織を各大学の判断で設けることができるようになりました。


(4) 大学の質の保証に係る新たなシステムの構築

 社会の急速な変化や国際化など大学を取り巻く環境が大きく変わりつつある中,大学はこれらの状況に的確に対応し,「知の創造と継承」という役割の一層の充実を図っていくことが必要となっています。また,事前規制から事後チェックへという規制改革の流れを踏まえ,大学に対する国の関与の在り方の見直しが求められています。

 平成13年12月の総合規制改革会議第1次答申では,「高等教育における自由な競争環境の整備」について,また,14年8月の中央教育審議会答申では「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」が提言されました。

 これらを受け,文部科学省としては,第155回臨時国会において学校教育法の改正など,以下のような制度改革を行っています。

{1}設置認可制度の見直し

 現在,大学の学部などの設置に当たっては,文部科学大臣が,大学からの申請内容を大学設置・学校法人審議会の意見を聴きつつ大学設置基準などをもとに厳正に審査し,認可を行っています。この仕組みは我が国の大学の教育研究水準を確保する上で一定の役割を果たしてきましたが,今後は,大学の自主性・自律性を尊重しつつ,大学が社会の変化などに対応して主体的・機動的・弾力的に組織を変えられるよう,大学として授与する学位の種類や分野の変更がない学部などの設置については文部科学大臣への届出のみで足りることにします。

 また,高等教育全体の規模に関して,大学が社会のニーズや学問の発展に柔軟に対応でき,大学間の自由な競争を促進するため,今後は,医師などの養成に係る分野を除き,これまでの抑制方針を基本的に撤廃することとしています。さらに,工業(場)等制限法が廃止されたことなどを踏まえ,大都市部における抑制方針についても,撤廃することとしています。また,様々な形式で規定されている大学の設置審査の基準について,一覧性を高め明確化を図る観点から,告示以上の法令で規定することとしています。

{2}違法状態にある大学に対する段階的な是正措置の導入

 違法状態にある大学に対する現行の措置としては,基本的には大学自体の閉鎖命令しかありませんでしたが,今後は,閉鎖命令に至る事前の措置を整備し,(ア)改善を勧告する,(イ)勧告をしても状況が改善されない場合は変更を命じる,(ウ)それでも改善されない場合は学部等の組織の廃止を命じる,と段階を踏んで是正できるようにすることとしています。

{3}第三者評価制度の導入

 大学の設置認可を弾力化する一方で,大学の質については恒常的に確保する必要があることから,大学の教育研究,組織運営,施設設備などの全学的な状況について,文部科学大臣の認証を受けた評価機関(認証評価機関)によって定期的に評価を受ける制度を導入します。認証評価機関は,自ら定める大学評価基準に従って評価を行い,評価結果を大学に通知するとともに,社会に公表します。これによって大学は社会から評価を受けるとともに,評価結果を踏まえて自己改善を図ることとなり,その教育研究水準の向上に資することとなります。

 なお,これら一連の改革については,平成16年度から導入を図る第三者評価制度を除き,15年度からの実施を予定しています。


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