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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章  初等中等教育の一層の充実のために
第1節  基礎学力を向上させ「生きる力」をはぐくむ教育を目指して
1  完全学校週5日制と新しい学習指導要領の実施



(1) 完全学校週5日制の実施

{1}学校週5日制の趣旨

 学校週5日制は,学校,家庭,地域社会が一体となってそれぞれの教育機能を発揮する中で,子どもたちが自然体験や社会体験などを行う場や機会を増やし,自ら学び自ら考える力や豊かな心,健康や体力などの「生きる力」を育てようとするものです。このような考えに立って,平成4年9月から月1回,平成7年4月からは月2回という形で段階的に実施され,平成14年度からすべての学校段階で完全学校週5日制が実施されています。

{2}学校,家庭,地域社会における取組みの充実

 完全学校週5日制の下での具体的な取組みについては,次のようなことが大切です。

(ア)教育課程や学校運営の一層の工夫改善

 各学校においては,これまでの学校週5日制の実施の経験を踏まえて,授業時数の運用,指導内容・指導方法などの全体にわたる工夫改善を一層進めることが重要です。

 また,教育課程にとどまらず,学校開放の一層の推進や学校全体の業務の具体的な見直しなど学校運営全体にわたる工夫改善も大切です。

(イ)家庭や地域社会における対応の充実

 家庭や地域社会においては,異年齢や同年齢の子ども同士の遊びや多様な地域活動,自然との触れ合い,青少年団体の活動への参加,ボランティア活動などの様々な活動や体験の場や機会の充実を図ることが必要です。

 このため,文部科学省においては,平成13年度まで「全国子どもプラン(緊急3ヶ年戦略)」を策定し,地域で子どもを育てる環境を整備し,親と子どもたちの様々な活動を振興するため,緊急かつ計画的に施策を推進してきたところですが,引き続き,「新子どもプラン」を策定し,実施しています。

 なお,休業日となる土曜日において,保護者が家庭にいない子どもたちや盲・聾・養護学校の子どもたちなどに対して,学校などにおいて必要に応じ,遊び,スポーツ,文化活動などを実施するための経費が地方交付税において措置されています。

コラム{12}

-地域に広がる子どもたちの「体験活動の場」-

 今年4月から完全学校週5日制が実施され,それぞれの地域では,子どもたちがより充実した週末を過ごすことができるよう様々な活動が展開されています。

 文部科学省が,14年8月〜9月にかけて行った「完全学校週5日制の実施に伴う事業の実施・子どもたちの参加状況に関する調査」によると,全国の約90%の市区町村が,土曜日に子どもや家族向けの体験活動の事業を実施していることが分かりました(下表)。

 事業の内容としては,スポーツ活動,自然体験活動,文化活動,ものづくり・工作体験など,子どもたちが体験を通して様々なことを学ぶことができるプログラムが多く行われています。

 また,学校施設の開放や博物館の土曜日における無料開館が実施されるなど,子どもたちの活動の場や機会はますます広がっています。

 この調査では,「体験活動に関心がない」「参加したいものがない」という子どもたちの声があることも示されましたが,週末において,子どもたちが自ら興味・関心を持っていろいろな活動に参加したいと思うような場を提供することが望まれています。

 このため,文部科学省では様々な団体と幅広く連携・協力し,保護者や子どもたちに週末の体験活動等の情報を分かりやすく,また関心を持ってもらえるよう,一層情報発信の工夫をしていくとともに,引き続き子どもたちの活動の場や機会を充実していきます。

●約90%の市区町村が土曜日に学校外における体験活動等事業を実施

●子どもたちが参加した活動例
・野球やサッカーなどのスポーツ活動 ・山や川,公園などでの自然観察や体験活動 ・地域で行われるボランティア活動 ・おもちゃづくりなどの工作体験活動 ・美術館,博物館での見学や体験活動 ・茶道,合唱,コンピューター,囲碁,将棋などの文化活動

(「完全学校週5日制の実施に伴う事業の実施・子どもたちの参加状況に関する調査」より)


(2) 新しい学習指導要領のねらいの実現のための諸施策

{1}新しい学習指導要領について

 平成14年4月から全国の小・中学校において実施されている新しい学習指導要領は,完全学校週5日制の下,時間的・精神的な「ゆとり」の中で,子どもたちに基礎・基本を確実に身に付けさせ,{1}自ら学び自ら考える力や{2}豊かな人間性,{3}たくましく生きるための健康と体力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとして,改訂を行いました。改訂の要点は以下の通りです。

■主な改善の内容

道徳教育の充実

 幼稚園や小学校低学年では,基本的なしつけや善悪の判断などについて繰り返し指導し徹底を図るとともに,ボランティア体験や自然体験などの体験活動を生かした学習を充実したこと。

国際化への対応

 中学校及び高等学校で外国語を必修とし,話す聞く教育に重点を置いたこと。小学校でも「総合的な学習の時間」などにおいて国際理解に関する学習の一環として,英会話などを実施できるようにしたこと。

情報化への対応

 中学校の技術・家庭科で情報に関する基礎的な内容を必修としたこと。高等学校で教科「情報」を新設し必修としたこと。

体育・健康教育

 生涯にわたって運動に親しみ基礎的体力を高めることを重視したこと。心の健康,望ましい食習慣の形成,生活習慣病の予防,薬物乱用防止などの課題に適切に対応するよう内容を構成したこと。

「総合的な学習の時間」の創設

 各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し,国際理解,情報,環境,福祉・健康など横断的・総合的な学習などを実施する「総合的な学習の時間」を創設したこと。

{2}新しい学習指導要領のねらいの実現のための諸施策

 文部科学省では,{1}で述べた新しい学習指導要領のねらいを実現するため,以下のような施策を行っています。

【新しい学習指導要領の趣旨の普及】

〈パンフレットの作成〉  教育関係者,保護者,社会教育関係者,企業関係者をはじめ広く国民の理解と協力を得るため,新しい学習指導要領の趣旨を分かりやすく解説したパンフレットを平成14年2月より作成・配布しています。 〈新教育課程理解推進事業〉  平成11年度より「新教育課程理解推進事業」を開始し,日本PTA全国協議会との密接な連携の下,保護者,社会教育関係者,企業関係者などが集う「新教育課程フォーラム」を開催(14年度開催地は埼玉県)しています。

【各学校における取組への支援】

 新しい学習指導要領の趣旨の実現のためには,子どもたち一人一人に応じた教育を実現することが重要です。文部科学省では,各学校における個に応じた指導への取組みを推進する観点から,少人数指導によるきめ細かな教育を可能とする教職員定数の改善を平成13年度から実施するとともに,平成14年度より拠点校における個に応じた指導の充実のための取組を全国の学校に普及する「学力向上フロンティア事業」を実施しています。さらに発展的・補充的な学習を行う際の参考となる事例集を作成し,各都道府県教育委員会等に配布しています。


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