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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第7節  韓国
1  画一的な教育から生徒中心の多様な教育へ


 過熱する受験競争や画一的な教育など,韓国も我が国や中国と共通する問題を抱えていますが,ここでも同じように学校教育を多様化・弾力化する中で子どもたちの創造的な力をはぐくもうとする改革が進められています。

 韓国の教育改革は「自主的,創造的,道徳的」人間の育成を目指して1980年代後半に始まり,1995年に国際化や情報化の進展に対応するとともに生涯学習社会の構築を目指す新たな改革方針が策定されました。この方針に基づき,1997年には教育基本法が制定されました。1998年に就任した金大中大統領もこの方針を引き継ぎながら「教育を基礎にした国家の発展」を唱え,特に初等中等教育については「新しい学校文化づくり」を提唱しながら,学校の自主・自立性の確立,生徒を中心にした教育,生活体験の重視などの改革を進めています。

 韓国の教育課程の基準は国が定めていますが,2000年から学年進行で実施された新しい教育課程の基準も「生徒を中心に」置き,生徒の個性や能力・適性に柔軟に対応する方針に基づいて改訂されています。その具体的な措置としては,{1}生徒の習熟度に応じた履修,{2}総合的な学習の時間である「裁量活動」拡大,{3}高校段階の選択科目の大幅な増加などが挙げられます。

 小・中・高校の教育課程について,新基準は高校第1学年までの10年間を「国民共通基本教育課程」,高校第2・3学年を「選択中心教育課程」に分け,国民共通基本教育課程では,韓国語や数学,英語,社会,科学などの主要教科について,通常は共通課程を共に学んだ上で,習熟度が高い子どもは更に深い内容を,低い子どもは補習的な内容を追加的に学ぶようにしました。

 「裁量活動」は,前回(1995年)改訂で小学校で導入した(第3学年から)課程ですが,今回は,これを中学・高校にも新設して拡大しました(週2〜3時間)。裁量活動は各教科の選択的学習や情報教育を行う「教科裁量活動」と課題学習や共同研究活動などの「創造的裁量活動」から成っています。

 高校第2・3学年の課程については,履修単位の50%までが選択科目になりました。

 小学校の英語は既に1997年から必修化されました。新課程では週1〜2時間行うようになっています。

 また,今回の教育課程の基準の性格に関してはこれを大綱化し,各学校で教科編成や授業時間を調整して実施することが認められるようになり,子どもの能力適性や地域の事情に応じた多様な課程編成が行われるようになりました。

 さらに,2002年からこうした弾力的な教育課程編成と学習指導に生かすため,全国的な学力テストを開始しました。第1回のテストは小学校第3学年が対象でしたが,今後,小・中・高校に広げていく予定とされています。


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