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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第6節  中国
3  優秀な教員の確保と私学の広がり


 中国の教員は長い間必ずしも社会的地位や経済的処遇に恵まれていたわけではなく,また一時の政治的な混乱から教員養成も十分行われなかったために,能力のある教員が不足し,1980年代初め小学校教員の半分が資格を持たない教員という時期がありました。

 教員が教育のかなめであるという認識は中国でも変わりがなく,このため義務教育の普及と質の向上を進める教育改革の中で,優秀な教員の確保は常に重要な課題とされてきました。政府は,1985年に「教師の日」を設け,以後この日に教員を激励,慰労する大会を開催したり,優秀教員を表彰してその地位向上を図っています。また1993年に定めた「教師法」では,「一般公務員の水準を下回らない」給与水準を規定しました。

 こうした処遇改善とともに,人事面では一定期間校長と契約を結び,成績が十分でないと最悪の場合再雇用はしないという「契約任期制」を実施し,能力主義による資質向上も図られています。学校内で勤務実績により給与面で格差を設ける能力給も北京市その他の地域に広がっています。このほか,師範学校・大学の拡大や衛星放送を利用した研修,さらには全員研修を義務付ける「継続教育プロジェクト」の実施など,その養成・研修の拡大充実を進めてきました。校長研修の修了試験合格を校長に義務付ける「校長資格」制度も1990年代後半につくられました。

 こうした取組によって,小学校の無資格教員がほとんどいなくなり,優秀な教員確保政策に一定の成果が見られますが,一方では引上げを目指した教員給与について,これを負担する県や市町村の財源不足などから給与の不払いという問題も起こっています。

 教育費の財源不足は全国的に深刻とされていますが,財源不足を補い,また進学教育や語学・芸術などの特色ある教育への需要にこたえる私立学校の設置が1990年代から積極的に奨励されるようになり,増えつつあります。とはいえ,小中学校ではまだ1〜2%の割合です。このほかに公立学校において公財政に頼らず,授業料や寄付金など独自の財源によって特色ある学校運営を行う「公有民営」の実験も行われ,注目を集めています。



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