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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第6節  中国
2  市場経済の中で徳育を強化


 中国の教育では,「徳・知・体の全面発達」を理想としていますが,この最初にくる「徳」は単に道徳だけでなく,社会主義に根ざした思想や世界観,政治信念などを含んでおり,学校教育では常に重要な教育活動として扱われています。

 市場経済の進展に伴って中国では犯罪の増加や拝金主義などの社会道徳の低下が問題となり,こうした風潮が子どもたちへも影響し,青少年の犯罪や非行が広がっていると心配されています。また「小皇帝」と言われるような,一人っ子政策の下で甘やかされて育てられ,自立性や社会性に欠ける一人っ子の教育も新たな問題となっています。

 学校教育でも,こうした事情を背景にして徳育を強化する動きが見られます。徳育は,「祖国を愛し,人民を愛し,労働を愛し,科学を愛し,社会主義を愛する」という「五愛」を中心的な内容としていますが,最近は特に愛国主義教育が強調され,また,法律や社会規範を守る教育も重視されるようになっています。

 徳育は学校教育の全過程を通じて行うものとされていますが,特に{1}「思想品徳」(小学校)や「思想政治」(中学・高校)(週1〜2時間)などの教科活動,{2}労働教育,{3}「小学生守則」「中学・高校生守則」などの規範による生活指導,{4}共産党の少年組織である「少年先鋒隊」活動,などによって行われています。「小学生守則」は「祖国を熱愛し,(中略)よく学び,日々向上する」など日常の態度や行為の規範を定めた簡潔な10か条から成っています。

 また,1990年制定の「国旗法」に基づく週1回の国旗を掲揚する儀式の制度化や2001年制定の「国防教育法」に基づく国防教育や軍事訓練も行われています。愛国主義教育のための優秀映画,歌曲,図書及び建造物・名所の「百選」が国により選定されています。


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