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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第4節  フランス
2  青少年非行の解消に向けて


 大都市郊外の青少年を中心に犯罪,特に殺人未遂などの凶悪犯罪が増加しており,その対策が大きな政策課題となっています。2002年の大統領選挙でもこの問題が主要な争点の一つとなりました。また,いじめや教師への暴力などの校内暴力問題も深刻で,政府はこのため公民教育の充実や「優先教育地区」の指定などの対策を実施しています。

 フランスではしつけや人格形成のための教育は家庭や教会の役割とされ,公立学校では宗教教育も禁止されています。学校では,社会の構成員として身に付けるべき規範や知識を教える公民教育が行われています。従来から公民教育が必修であった小・中学校では,集団活動やボランティア活動の実施,民主主義や権利・義務概念の学習が行われています。2000年には,高校でも公民教育が必修とされました。

 また,特に社会的・文化的・経済的な事情から学力不振や校内暴力の問題が大きい地区について,1982年以来,政府が「優先教育地区」に指定して,教員加配などの教育条件改善を重点的に行う施策が採られてきました。1990年代には,指定地区を拡大し,教育活性化のための学校間及び家庭との連携強化が図られました。当該地域においては,課外活動などによって教師と生徒の信頼関係が回復し,暴力行為が減少したといった効果が指摘されています。

 1990年代には「進路指導・心理カウンセラー」の制度も整備されました。「進路指導・心理カウンセラー」は国家資格を持った専門家として,全国の進路指導センター(国立又は県立)に配置され,中学・高校を巡回訪問して進路指導や心理カウンセリングに当たっています。また進路指導センターが「いじめSOS」などの電話相談を実施している例もあります。


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