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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第3節  イギリス
3  アカウンタビリティの強化


 教育水準の向上のために,イギリスでは全国共通カリキュラムで共通の到達目標を定めるとともに,教育の過程については学校の自主的な取組を促し,その結果の責任を問うアカウンタビリティ政策がとられてきました。この政策により,1980年代末に学校予算の運用や教職員の人事は基本的に学校の裁量となりました。これは「自主的学校運営」(LMS:Local Management of Schools)とよばれています。こうして学校に自主的な裁量を認める一方で,全国テストなどの結果が全国成績一覧として公表され,学校単位で全国的な試験の結果を知ることができるようにしました。

 また,従来から行われていた学校監査も近年強化され,現在は6年に1度の割合ですべての学校が監査を受け,その結果が公開されています。監査の結果,児童生徒の著しい成績低下など学校運営に深刻な問題がある場合には,教育課程の見直し,校長や教員の入れ替えなどの改善措置が採られます。改善が見られない学校については,最終的に閉校措置が採られる場合があります。

 自主的学校運営の強化とともに,親の学校選択権が拡大されました。現在は地方教育当局が設定している通学圏の外の学校を選ぶこともでき,親は,学校別全国成績一覧や学校監査報告などの情報,学校訪問をもとにして,子どもの学校を選びます。

 さらに,政府は,教育水準の向上のかなめは教員にあるとして,教員制度改革も進めています。この改革では,教員評価の実施とその評価に基づいて給与を決定する制度,いわゆる能力給の導入が図られています。一定の勤務年数に達したすべての教員がその対象となります。ただし,能力給の給与体系を受けるかどうかは教員の選択に任されています。政府はこれにより,より優れた教員が確保されるとしてその定着を図っています。

 学級編制について従来基準はなく,教員一人当たりの児童数は日本,アメリカ,イギリス,フランス,ドイツの5か国の中で最も低い水準となっていましたが,政府は1998年に初等学校第1・2学年について30人を上限とする編制基準を設けるなどの取組を進めています。


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