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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第3節  イギリス
2  自立した責任ある市民の育成


 イギリスにおいても,近年,学校におけるいじめや暴力,無断欠席などの問題行動が深刻化し,また殺人などの凶悪犯罪の低年齢化が問題となっています。また,選挙の投票行動などに表れる若者の社会生活や公共問題に対する無関心の増大も指摘されています。

 イギリスの学校教育では宗教教育が必修となっていますが,これとともに社会の規範意識などを育てる公民教育が行われています。

 政府は,近年特に公民教育に力を入れ,それまで独立教科ではなかった「公民」を全国共通カリキュラムに組み入れ,2002年の新学年から中等学校で必修化しました。公民教育の三つの目標としては,{1}責任ある社会的道徳的行動,{2}地域社会への主体的参加,{3}民主社会の構成員としての知識・技能の修得・活用が挙げられています。

 宗教教育は既に1944年教育法で義務付けられていましたが,1988年教育改革法は,毎日の集団礼拝の実施など,学校の教育課程において宗教教育を行うことをより明確に示しました。

 こうした公民教育や宗教教育のほかにも,生徒各人の人格形成や社会性の発達を促す「人格形成・社会性の発達・健康教育」が教科横断的に扱う領域として実施され,近年重視されるようになっています。ここでは,集団や地域社会,家庭や結婚,性教育,薬物教育や環境問題など,発達段階に応じて幅広い題材を取り上げることが期待されています。

 また,児童生徒の心理面や生活面の支援のために,スクールカウンセラーが各地方教育当局に配置されています。スクールカウンセラーに対する需要は近年増加しており,政府もその充実に努めています。スクールカウンセラーは,担当地域の学校を定期的に巡回したり,特定の学校に出向いて個別に児童生徒に対する心理療法に当たっています。

 教員以外の大人が学校の職員やボランティアとして,10代の若者たちに助言や指導を行う施策も導入されています。


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