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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第2節  アメリカ合衆国
3  学校のアカウンタビリティを重視


 学力向上を目指す教育改革では,教育スタンダードによって教育内容の基準や到達目標を定める一方,その目標にどうやって到達するかは各学校の自主的な取組にゆだね,その結果を問うアカウンタビリティ政策が採られています。

 各学校の自主的な取組を保証する施策としては,学校予算の使用や教職員の採用,指導方法や教材の選定などの権限を学校に委譲するスクールベーストマネジメント(SBM)とよばれる学校運営方式が広がりつつあります。さらに近年は,児童生徒の能力適性に一層適した独自の教育を実施できる学校として,チャータースクールも注目を集めています。これは,親や教員などが州や地方の教育委員会と交わす契約により運営されるもので,独自の教育や学校運営が認められます。1991年にミネソタ州で初めて認可され,連邦政府の設置振興策もあって,2001年には全米で約2,400校まで増加しました(公立学校総数の約2%)。

 それぞれの学校がアカウンタビリティを果たしているかどうかは各州で行われている共通テストの結果などから判断されます。ほとんどの州ではこのテスト結果に加え,出席率や中退率,さらには学級規模(教員一人当たり児童生徒数)などの教育条件を内容とする各学校の年次報告を作成し,公表しています。テストの結果が州で定められた基準を満たさない学校については「成績低迷校」と判断され,その学校の児童生徒に他校への転学を認めたり,学校運営を所管する地方政府から企業に外部委託するなどの措置が採られます。改善のめどが立たない場合は閉校されることもあります。チャータースクールについては契約の中に盛り込まれた学力向上目標に基づいて教育成果が定期的に評価され,目標に到達できない場合は契約が打ち切られ,閉校に追い込まれることもあります。

 また,親が自分の子どもの通う学校を選ぶことができる,学校選択制度が広がっています。通常は通学区域が定められていますが,学校選択制度では通学区域外の学校への通学も原則認められ,さらには隣の市町村の学校に通うことを認める州も増えています。親や生徒は公表された共通テストの成績やその他の情報をもとに学校を選びます。

 このほかに学校改革の一環として優秀な教員を確保する必要性が全国的に指摘されています。教員の待遇を改善するのと並行して,多くの州で教員免許の更新制度を導入しているほか,大学の教員養成課程進学時や教員免許取得の際に学力テストを課したり,教員免許の更新要件を厳格化するなどの取組を行う州が増えています。


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