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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第5章  諸外国の初等中等教育改革
第2節  アメリカ合衆国
2  よき市民を育てるために


 アメリカでは伝統的にしつけや人格形成にかかわる教育は家庭と教会で行うものと考えられてきました。しかし,近年は薬物汚染や銃発射事件に象徴されるように青少年非行・犯罪が深刻化し,学校もそうした暴力に巻き込まれる事件が多発したことなどから,{1}「よきアメリカ市民」を育てる,{2}教育の場である学校の安全性を確保する,という二つの理由から徳育の面でも学校に対する期待が大きくなってきました。

 アメリカでは公立学校における宗教教育が禁止されており,こうした徳育にかかる教育は市民としての公共心を育てる「公民教育」として行われています。公民教育は,社会科で扱われるほか,英語などの他の教科においても指導されるのが一般的です。

 また,最近では学校教育にボランティア活動を取り入れる傾向が目立っています。ハイスクールではボランティア活動が教育課程の一部に組み込まれている場合が多く,必修単位になっている地域も少なくありません。1999年には中等段階の学校の71%が地域のボランティア活動への参加を教育活動の一部に組み込んでいます。メリーランド州ではハイスクールの卒業要件として75時間以上のボランティア活動を義務付けています。

 また,全米の90%以上の公立学校で薬物・アルコール乱用防止教育が行われています。連邦政府も薬物乱用防止教育を支援していますが,2002年に連邦教育省に「安全で薬害のない学校」局を新設し,一層支援を強化しようとしています。

 このほか,児童生徒の個別の相談にのったり,教員研修を行うスクールカウンセラーが地方の教育委員会に配置されています。カリフォルニア州では約70%の地方教育委員会にスクールカウンセラーが配置されています。2001年9月の同時多発テロ事件後は,事件の影響で心に傷を受けた子どものカウンセリングのために特別な連邦予算が交付されました。


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