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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第4章  信頼される学校づくりに向けて
第2節  保護者や地域に信頼される学校づくり
1  開かれた学校づくり〜学校としての説明責任を果たすために〜


 各学校が特色ある学校づくりを進める中で,子ども一人一人の個性を尊重し,確かな学力や豊かな心をはぐくんでいくためには,校長のリーダーシップのもと組織的・機動的に学校運営がなされ,子どもや地域の実情に応じた創意工夫ある主体的な教育活動が展開できるように学校の裁量を拡大することが必要です。また,学校が,保護者や地域住民等との信頼にしっかり応えながら,家庭や地域社会と連携協力して,地域全体として子どもたちの成長を支えていくことも求められています。

 このため,学校においては,学校運営の状況について自己評価を行い,その結果を含めて保護者や地域住民に学校の情報を積極的に提供することを通じて,学校としての説明責任を果たしていくこと,すなわち地域に開かれた学校づくりが重要です。その際,保護者や地域住民に意見を求める学校評議員制度を活用することも課題となります。


(1) 学校評価と情報提供の推進

 学校が,保護者や地域住民の信頼に応え,家庭や地域と連携協力していくためには,教育活動などの学校運営の状況について自ら評価を行い,評価結果に基づいて学校運営や指導方法等の改善を図るとともに,評価結果を含め学校の情報を積極的に保護者等へ提供し,学校としての説明責任を果たしていくことが必要です。

{1}自己評価の努力義務化

 平成14年4月に施行された「小学校設置基準」(文部科学省令)等において,学校が自己評価の実施と結果の公表に努めることを規定しました。これにより,小学校,中学校,高等学校,幼稚園等において,自己評価が努力義務化されました。

 自己評価の具体的な方法は,学校や教育委員会の判断に委ねられています。評価の対象は,学校としての活動全体となりますが,例えば,学校の「教育目標」,「教育課程」,「学習指導」,「生徒指導」等の教育活動の状況のほか,「校務分掌」,「教職員全体としての活動状況」,「事務処理」,「施設・設備」などが考えられます。

 また,自己評価だけではなく,学校評議員が評価に参加するなど保護者や地域住民等を加えて評価すること,すなわち外部評価の取組も期待されています。

 評価に当たっては,単に評価を行うだけではなく,各学校において評価結果を十分活用し,課題が明らかになった場合には必要な対策を講じることが重要です。

コラム{7}

-学校評議員制度を活用した学校評価システム-(岐阜県教育委員会)

 岐阜県では,全国に先駆けて平成11年度から導入していた学校評議員制度を活用し,小・中・高等学校等について自己評価だけではなく外部評価も併せた学校評価システムを構築し,学校運営の改善と学校の説明責任の向上が図られています。

 例えば高等学校においては,教育委員会が定めた評価項目「教育方針」,「家庭との連携」,「教職員」,「授業」,「生徒指導」,「学校行事・その他」に学校独自の項目を加えて,保護者や学校評議員等が診断票に基づきA〜Dの4段階で外部評価を実施し,高等学校はその結果を分析して自己評価に反映させています。

<学校評価の流れの例>

{2}情報提供の義務化

 平成14年4月に施行された「小学校設置基準」(文部科学省令)等においては,学校が,保護者等に対して学校運営の状況についての情報を積極的に提供するべきであることを規定しました。これにより,小学校,中学校,高等学校,幼稚園等において,積極的な情報提供が義務化されました。

 情報提供の具体的な方法は,学校や教育委員会の判断に委ねられていますが,例えば,学校便りの発行や説明会の開催,学校のホームページを開設して情報提供を行うほか,例えば「学校公開週間」を設定して,特定の期間はいつでも学校を訪問し児童生徒の活動を参観できるようにするといった方法を工夫することも考えられます( 表1-4-5 )。

表1-4-5 公立学校のホームページ開設率

コラム{8}

-「学校公開週間」の広がり-

 学校の情報を積極的に提供する施策として,教育委員会が特定の期間を「学校公開週間」と定めて,期間内に学校を訪問し児童生徒の活動を参観できるようにする取組が広がっています。「学校は思ったより頑張っている」という声など,保護者や地域住民の学校教育に対する理解と関心が高まるという成果が指摘されています。

 ここでは,2つの地域の事例を紹介します。

<広島県教育委員会「学校へ行こう週間」>

●平成14年11月1〜7日 ●前年度実績:実施学校(小・中・高等学校等) ……995校        来校者数 ………………………延べ約32万人

<金沢市教育委員会「学校公開週間」>

●平成14年10月15〜18日(4日間) ●前年度実績:市内小中学校等 …………………………83校        来校者数 ……………………述べ約1.6万人




(2) 学校評議員制度の活用

 学校評議員制度は,

(ア)学校運営に関し保護者や地域住民等の意向を把握し反映すること (イ)学校運営に保護者や地域住民の協力を得ること (ウ)学校運営の状況等を周知するなど学校としての説明責任を果たしていくこと

ができるよう,平成12年4月より,我が国で初めての地域住民の学校運営への参画の仕組みとして制度的に位置付けられました。

{1}学校評議員の設置と運営

 学校評議員制度は,省令上では必置ではありませんが,学校や地域の実情に応じて柔軟な対応ができるように,教育委員会などの学校の設置者の判断により,学校ごとに置くことができるものとしています。

 学校評議員は,合議制の機関ではなく,一人一人がそれぞれの責任において意見を述べるものですが,必要に応じて,学校評議員が一堂に会して意見交換を行い,意見を述べる機会を設けることも考えられます。

 学校評議員は,校長の求めに応じて,意見を述べるものです。校長は,学校評議員の意見を参考としつつ,自らの権限と責任において学校運営についての判断をすることが必要です。

{2}学校評議員の設置状況

 平成14年8月現在の公立学校における学校評議員の設置状況は,次のようになっており,年々増加傾向にあります。

図1-4-4 学校評議員(類似制度を含む)の設置状況(平成14年8月1日現在)

 学校評議員制度を活用している例としては,学校評議員の意見を参考にして,地域に密着した課題を取り上げるよう教育課程を編成したり,学校評議員が地域住民とのパイプ役となり学校行事等においてボランティアの協力を得たりするなど,教育活動の充実に資する取組が進んでいる例があります。

 また,学校評議員に対して学校運営の状況等を説明するほか,前述のように学校評議員が学校評価に加わるなど,学校としての説明責任を果たして保護者や地域住民に信頼される学校づくりを進めるために,学校評議員制度をより一層活用することが期待されています。


(3) 学校の裁量拡大

 学校の裁量を拡大し,子どもや地域の実情に応じた特色ある教育活動を主体的に行えるようにするためには,各教育委員会において,学校と教育委員会の関係を定めている学校管理規則を見直し,これまで教育委員会の承認が必要であったものを届出に改めるなど見直しが必要となります。例えば,規則改正を行って,これまで教育委員会が一律に定めていた長期休業期間について,届出があれば校長が学校の実情に応じて夏休みなどの期間を変更できるようにした教育委員会も見られます。また,2学期制の導入についても,校長の判断により進んでいる例もあります。

 また,学校予算の在り方についても,校長の裁量によって執行できる,いわゆる校長裁量経費の措置や,予算編成に際してヒアリングを行うなどできるだけ学校の意向が反映されるようにすることが望まれており,これらに相当する施策を講じる教育委員会も増えつつあります。

 文部科学省としても,

{1}教育課程について「総合的な学習の時間」の創設や選択学習の幅の拡大など,基準の大綱化・弾力化を行うとともに, {2}市町村立小中学校等の教職員の人事について,任命権者である都道府県教育委員会に対し,校長の意見がより一層反映できるよう,市町村教育委員会が都道府県教育委員会に内申を行う場合,校長からの意見の申出があったときは,その意見を付するものとする制度改正を行いました(「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の一部改正。平成14年1月施行)。

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