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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第4章  信頼される学校づくりに向けて
第1節  魅力ある優れた教員の確保
1  教員の養成・採用・研修の一体的な取組による資質能力の向上



(1) 基本的な考え方

 学校教育の充実は,その直接の担い手である教員の資質能力に負うところが極めて大きいと言えます。特に,これからの教員には,変化の激しい時代にあって,子どもたちに自ら学び自ら考える力や豊かな人間性などの「生きる力」を育成する教育を行うことが期待されており,そのためにも,魅力ある優れた教員を確保していくことが,ますます重要となっています。

 こうした教員の資質能力は,養成,採用,研修の各段階を通じて,生涯にわたり形成されていくものであり,その向上のためには,各段階を通じた関連施策の一体的な推進が必要です。このような観点から,文部科学省では次のような取組を進めています。


(2) 主な施策の概要

{1}教員養成

 教員養成については,使命感や得意分野を持ち,現場の課題に適切に対応できる,力量ある教員の養成を図るため,平成10年の教育職員免許法等の一部改正により,教え方や子どもとのふれあいを重視し,教員としての学校教育活動の遂行に直接資する「教職に関する科目」の充実など大学等における教員養成カリキュラムの見直しを行いました。この新しいカリキュラムは,平成12年度の大学等入学者から全面的に適用されています。また,学校現場のニーズを踏まえた教員養成を行うため,教員を養成する大学と教育委員会との連携が進められています。

{2}教員採用

 教員採用については,採用の段階で,教員にふさわしい,個性豊かで多様な人材を幅広く確保していく観点から,各都道府県教育委員会等において,学力試験の成績のみならず,面接試験や実技試験の実施,様々な社会経験の適切な評価等を通じて,人物評価を重視する方向で採用選考方法が改善されてきています( 表1-4-1 )。また,条件附採用期間制度を適正に運用し,新規採用者の教員としての適格性を見極めるよう各教育委員会の取組を促進しています。

表1-4-1 平成14年度公立学校教員採用選考試験(平成13年度に実施)における実施状況

{3}教員研修

 教員には,日々の教育実践や教員自身の研さん等により,絶えず自らの力量の向上に努めることが求められています。また,任命権者である都道府県教育委員会等としても,適切な研修の機会を提供することが必要とされています。このため,教員がその経験,専門分野,職能などに応じて必要な研修を受けることができるよう,初任者研修等の各種研修が体系的に整備されています。

 また,平成13年4月に国が実施すべき研修を総合的・一元的に実施するために設立された「独立行政法人教員研修センター」では,各都道府県等において指導的役割を果たすべき教員を対象とした研修や,学校教育に係る喫緊の課題を中心とした内容の研修を実施しています( 図1-4-1 )。

図1-4-1 教員研修の実施体系


(3) 主な教員の資質向上施策について

{1}10年経験者研修の創設

 新学習指導要領の下,児童生徒に基礎・基本を確実に身に付けさせ,自ら学び考える力などを育成し,確かな学力の向上を図るとともに,心の教育の充実を図るためには,実際に指導に当たる教員にこれまで以上の指導力が必要とされていることから,平成14年6月の教育公務員特例法の一部改正により,10年経験者研修が制度化されました。これは,小学校等の教諭等に対して,在職期間が10年程度に達した後相当の期間内に,事前の勤務評価を踏まえて,個々の能力・適性等に応じて必要な研修を実施することを各任命権者に義務付けるものであり,平成15年度から開始することとなっています。

{2}長期社会体験研修の拡充

 教員も社会の一員であることに変わりはありません。特に,今日のように社会の変化が激しい時代にあって,教員は,様々な経験を通じて幅広い視野を持つことが求められています。

 長期社会体験研修は,このような観点から,教員を民間企業,社会福祉施設,社会教育施設等の学校以外の施設等へおおむね1か月から1年程度の長期にわたり派遣して行われる研修で,近年,全国で盛んに行われるようになってきています( 表1-4-2 )。

表1-4-2 教員の長期社会体験研修

 文部科学省では,平成13年度から各教育委員会の取組を支援することにより,教員の長期社会体験研修の拡充を図っています。

{3}大学院修学休業制度

 平成13年4月には,教員の自主的・主体的研修活動を支援するために創設された大学院修学休業制度の運用が開始されました。この制度の活用により,国公立学校の教員が,一定の期間休業し,教職経験を通じて培った自らの課題意識をもとに,大学院で学修することが可能となりました。平成14年4月1日現在,348人がこの制度を利用しています。


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