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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第2章  確かな学力の向上を目指して
第2節  我が国の子どもたちの学力の現状について
1  これまでの調査結果について


 これからの時代に求められる学力については前節で述べたところですが,翻って我が国の子どもたちの現状を踏まえて,今後の学校教育の在り方を考える場合,例えば以下のような調査の結果が参考になるものと思われます。


(1) 国際数学・理科教育調査

 IEA(国際教育到達度評価学会)が平成11年に行った国際数学・理科教育調査の結果によると,我が国の子どもたちは,知識・技能の習得の程度において国際的に見て上位に位置しています。

 また,過去に行った中学校の数学・理科のテスト問題と同じ問題の正答率を比較しても低下傾向は見られません( 表1-2-1 , 表1-2-2 )。

表1-2-1 我が国の成績の国際比較

表1-2-2 同一問題の正答率比較

 その一方で,数学・理科に対する意識について見た場合,数学や理科が好きであるとか,将来これらに関する職業に就きたいと思う者の割合が他の国に比べて低いという問題も明らかになっています( 表1-2-3 )。

表1-2-3 数学・理科に対する意識(中学2年)


(2) OECDの「生徒の学習到達度調査(PISA)」

 OECD(経済協力開発機構)が,平成12年度に実施した「生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果によると,我が国の子どもたちは,知識や技能を実生活の場面で活用する力についても,国際的に見て上位に位置しています( 表1-2-4 )。

表1-2-4 平均得点の国際比較(31か国参加)

 しかし「宿題や自分の勉強をする時間」が国際的に見て最低レベルであるなど,学ぶ意欲や習慣が十分身に付いていないという課題や,最も高いレベルの読解力を有する生徒の割合はOECD平均と同程度であるなどの課題も明らかになっています( 表1-2-5 , 表1-2-6 )。

表1-2-5 宿題や自分の勉強をする時間

表1-2-6 総合読解力の習熟度別結果


(3) 学校教育に関する意識調査

 また,文部省が平成10年に行った「学校教育に関する意識調査」では,例えば,授業の理解度について,「学校の授業がよくわかるか」という問に対して,「わかる」(「よくわかる」と「だいたいわかる」の計)と答えた割合は小学生で68.1%,中学生で44.2%,高校生で37.3%という結果であり,子どもたちの授業の理解度は学校段階が上がるにつれ,低下する傾向にあります。また学校教育の満足度についても同様の傾向が見られます( 表1-2-7 )。

表1-2-7


(4) 子どもの体験活動等に関するアンケート調査

 文部省が平成10年度に行った「子どもの体験活動等に関するアンケート調査」によれば,例えば,「夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」がほとんどない子どもが,男子で26%,女子で21%,「チョウやトンボ,バッタなどの昆虫をつかまえたこと」がほとんどないと答えたのは男子で11%,女子で24%,「ナイフや包丁で,果物の皮をむいたり,野菜を切ったこと」がほとんどない子どもが男子で21%,女子で9%となっているなど,子どもたちの自然体験・生活体験の機会が不足していることが明らかになっています。また,この調査からは,自然体験・生活体験が豊富な子どもほど道徳観・正義感が身に付いているという傾向も明らかになっていますが,このような視点に加えて,学校で学んだ知識を実感を持って理解する機会が減少しているという意味でも課題を投げかけている調査結果であると言えます( 表1-2-8 )。

表1-2-8


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