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第1部   新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜
第1章  我が国の初等中等教育の改革の歩みと今後の課題
第2節  初等中等教育をめぐる諸課題
1  社会の変化と子どもたちの生活をめぐる状況


 我が国は,欧米諸国に追い付き追い越すことを目標として努力し,その結果,驚異的な経済成長を遂げ,世界の中で大きな地位を占めるとともに,国民が物資的な豊かさを享受するに至りました。その後,世界規模の競争の激化など急激な変化とバブル崩壊後の経済的な停滞,後退の中で,現在,我が国の社会は大きな転換期を迎えています。この大転換期にあって,国民の間には,ともすれば,自信を見失い価値観が揺らぎ,そのことが社会のモラル・規範意識の低下を招くという悪循環ともいうべき現象が見受けられます。国民の目的・目標が明確でなく,進むべき方向が定まらず,閉塞感をなかなか破ることができない現状にあると言えるでしょう。

 こうした社会の状況の中で,子どもたちは将来の夢や明確な目標を持つことができずに,学ぶことの目的意識が見失われ,自ら学ぼうとする意欲が低下している深刻な状況にあります。また,都市化や少子化,核家族化の進行により,生活体験や社会経験の不足もあり,子どもたちの人間関係をつくる力が弱いなど社会性の不足が心配されています。我が国の青年は,外国の青年と比較して,社会的な自立が遅いと指摘されることがあります。これは,個人主義と集団主義という国民性の違いとともに,目的意識や社会性の不足が影響していると考えられます。さらに,社会全体の倫理観が低下する中で,子どもたちの倫理観や規範意識が希薄になっているという問題も顕在化しています。身体的な面については,身長,体重など体格面での着実な向上が見られますが,日常生活で,体を使っての運動の機会が減少していることもあり,体力,運動能力が全般的に低くなっている傾向にあります。

 一方,現在の子どもたちは,情報通信手段に親しみ,海外経験に関する希望など国際交流に強い関心を持っています。また,ボランティア活動への参加など機会があれば社会参加や社会貢献に強い意欲を持つなど従来に比較して積極的な面も多く持っています。このような特性を一層育てていくことが大切です。


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