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  刊行に寄せて


  遠山   敦子   文部科学大臣

 21世紀を迎えた今,これからの我が国は,どのような国の姿を目指すべきでしょうか。

 私は,我が国が真に豊かで成熟した国として発展し,国際的にも貢献していくためには,「教育・文化立国」と「科学技術創造立国」の実現こそが,極めて重要と考えます。

 これを実現する鍵は,まさしく「人」の力に他なりません。そのため,現在,新世紀にふさわしい教育の在り方を見据え,新しい時代を切り拓く,心豊かでたくましい日本人の育成を目指して,全ての学校段階を通じた教育改革を強力に推進しているところです。また,我が国の発展を支える原動力であるのみならず,人類が当面する世界的規模の諸問題を解決していく上でも重要な科学技術・学術の振興に向けて,様々な施策を推進しております。さらに,人々の心の豊かさや健康につながるスポーツ,文化芸術の振興にも,力を注いでいるところです。

 昨年8月には,これらを含む総合的な施策の方向性を明らかにするため,新たに「人間力戦略ビジョン」を提唱いたしました。それは,「画一と受身から自立と創造へ」を目指す,真の人間力を涵養しようとするものです。今後,これに沿って,必要な施策を適時適切に講じ,冒頭に掲げた目標の達成に向けて,全力で取り組んでまいる所存です。

 人間形成の基盤として,初等中等教育の重要性は,いくら強調してもし過ぎることはありません。折しも,本年度から小・中学校で新学習指導要領が全面実施に移され,また,長年かけて段階的に進めてきた学校週5日制も完全実施され,我が国の初等中等教育は,新たな時代を迎えています。

 現在進めている教育改革は,子どもたち一人一人に「確かな学力」と「豊かな心」を育み,新しい時代を生き抜く力を培うことをねらいとするものです。ここで言う「確かな学力」とは,単なる知識の詰め込みではなく,「基礎・基本をしっかり学び,自ら考え,自ら行動できる」主体的な知力をもつことを指しています。

 教育は「国家百年の計」と言われるように,教育の在り方は我が国の将来に大きく関わります。それだけに,この改革のねらいをしっかりと達成できるよう,今後とも全力で取り組んでまいる所存です。

 文部科学省では,毎年度,文教・科学技術施策の新しい動きについて国民の皆様にご紹介するため,「文部科学白書」を刊行しています。

 このたびの平成14年度版では,特集テーマとして,「新しい時代の学校〜進む初等中等教育改革〜」を取り上げました。21世紀をたくましく生き抜く子どもたちを育てるため,これまでとは大きく変わりつつある初等中等教育の様々な施策や取組の状況について,理解を深めていただく一助となれば幸いです。

 第二部では,例年通り,教育改革の全般的な動向を含め,教育,科学技術・学術,文化・スポーツ等,文教・科学技術施策の主な内容について,分野ごとに解説しています。

 本書が,文教・科学技術施策にご関心をお持ちの皆様方に広く活用されますことを願っております。

平成15年2月

2002(平成14)年のノーベル物理学賞・化学賞を日本人が受賞

 本年のノーベル物理学賞を東京大学名誉教授 小柴昌俊氏が,また,ノーベル化学賞を株式会社島津製作所フェロー 田中耕一氏が受賞されました。

 小柴氏の受賞は,超新星からのニュートリノを史上初めて観測することに成功し,重力崩壊による超新星爆発のメカニズムと星の進化の理論に初めて裏付けを与えた業績に対するものです。

 田中氏の受賞は,質量分析装置の開発において新しいイオン化法である「ソフトレーザー脱着法」を考案し,生体高分子の分析をも可能とした業績に対するものです。

 三年連続で,また同じ年に物理学賞,化学賞を同時に日本人が受賞することは,初めてのことであり,両氏の受賞は,日本人の研究者が高い研究水準を有することを世界に示すとともに,我が国の研究者はもとより,国民全体にとって大きな誇りと励みを与えるものであり,国民の科学技術・学術に対する関心を喚起する貴重な機会となりました。





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