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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章  国際化・情報化への対応
第2節  IT革命への対応
5  科学技術創造立国の実現に向けて


 現代社会を形成する上で,ITは,欠くことのできない知的・創造的基盤と言えます。情報通信分野における研究開発の推進は,産業・経済の発展につながるとともに,国民生活の向上に貢献する重要な課題です。また,IT革命の原動力となっているインターネットの起源が米国における研究情報ネットワークに端を発するように,研究の情報化は社会全体の情報化を先導します。我が国の発展を支える高度な研究開発を推進し,その成果を速やかに社会に還元するためには,大学や研究機関における研究情報基盤を整備し,充実させることが必要です。

 このような観点から,文部科学省では,科学技術・学術研究分野の情報化と情報通信分野における創造性ある研究開発の推進に取り組んでいます。


(1) 科学技術・学術研究分野の情報化

{1} ネットワークの整備

 大学や研究機関における研究情報流通の基盤となるネットワークを整備することにより,研究開発の情報化を推進します。

 (ア) 学術情報ネットワーク(SINET)の構築

 大学などの研究者が必要とする学術情報を提供するための基幹的ネットワークである学術情報ネットワーク(SINET)を構築しています。全国の国公私立大学などを接続するとともに,海外の研究ネットワークや民間のネットワークとも接続し,研究情報の流通を図っています。

 また,平成13年度から先端的学術研究機関を最速10Gbpsの回線で接続する「スーパーSINET」を構築し,学術研究の飛躍的発展を推進しています。

(イ) 大学などにおける情報基盤の整備

 大学などのキャンパスにあるコンピュータや情報機器を通信回線で接続するネットワークである学内LANを整備することにより,教育研究の一層の情報化・高度化を推進しています。

{2} 研究情報流通の促進

 研究者が必要な研究情報を迅速かつ的確に入手するために必要となるデータベースを整備するとともに,研究情報の発信・流通を促進するシステムの開発を推進しています。

(ア) 研究情報データベースの整備

 国立情報学研究所では,大学図書館などが所蔵する学術図書・雑誌の総合目録データベースや,学術研究の成果として生み出される各種データベースをインターネットで提供しています。

 科学技術振興事業団では,国内外の科学技術文献を収集して,その二次情報(抄録)を作成し,オンライン情報システム(JOIS)や国際科学技術情報ネットワーク(STN)を通じて提供しています。また,研究開発や技術業務に関わる様々な失敗事例を扱ったデータベースを開発するとともに,ゲノム情報等のデータベースの高度化を実施しています。

 さらに,我が国の研究機関における研究成果の発信を促進するために,研究者,研究機関,研究課題,研究資源などに関する総合的なデータベースを作成し,インターネットで提供しています。

 このほか,国立試験研究機関などに蓄積されている知的ストックのデータベース化を支援することにより,研究情報の流通を促進しています。

(イ) 研究情報の発信・流通の促進

 研究情報の電子化が進展している状況に対応して,ネットワーク上に点在するデータベースを案内し,一元的に検索するシステムを開発しています。また,我が国からの研究情報の発信を強化するために,学協会の学会誌・論文誌などの投稿・編集・出版を電子化するためのシステムを構築し,学協会に提供しています。

 このほか,各大学の教育研究活動を支えている大学図書館において,電子図書館的機能の整備を図るなどにより,多様で高度な情報サービスを提供しています。


(2) 情報通信分野における創造性ある研究開発の推進
{1} 仮想研究環境ITBL(IT-Based Laboratory)の構築及び活用  国内に散らばる研究機関のスーパーコンピュータ及びデータベースを高速ネットワークで接続し,高度な研究開発を実現する仮想研究環境ITBL(IT-Based Laboratory)を構築するとともに,ITBL上での高度な応用ソフトウェアを開発します。 {2} 地球シミュレータ計画の推進  地球規模の気候変動や超長期にわたる固体地球変動の解明・予測を目指して,従来の約1000倍のシミュレーション性能の達成を可能とする超高速並列計算機システム「地球シミュレータ」を平成13年度末の運用開始を目指して開発しています。 {3} i-Space構想の推進  超高速インターネット衛星による宇宙インフラを整備し,都市とそれ以外の地域との情報格差を生じることなく,教育,医療,福祉,環境・災害監視などに活用する「i-Space構想」を推進しています。 {4} 情報学研究の推進  国立情報学研究所において,基礎から応用にわたる総合的・先端的な情報学研究が行われています。

 さらに平成13年度から,科学研究費補助金の特定領域研究(C)に領域「ITの深化の基準を拓く情報学研究」を設け,情報分野において戦略的に重要な研究を重点的に支援していくこととしています。


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