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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第10章  国際化・情報化への対応
第1節  国際交流・協力の充実に向けて
1  国際化に対応した様々な取組


 情報通信技術(IT)をはじめとする科学技術の飛躍的な発展などを背景にした,ヒト,モノ,カネ,情報の地球規模での自由な移動は,急速なグローバリゼーションの進展をもたらしています。こうしたグローバル化は,今や不可逆的な流れとなり,その中で生じた様々なアイデアや技術などは,世界規模で広範な人々に対して恩恵を与えています。その一方で,例えば,デジタル・デバイドのような,グローバル化の恩恵を享受する国と,グローバル化の動きから取り残された国の間の格差が拡大するという問題点が指摘されています。

 また,イデオロギーに基づく対立に代わり,民族や文化の違いに根ざした様々な問題が顕在化している状況において,国家間の友好関係を強化し,信頼を醸成していくためには,民族,文化の多様性を再認識し,異なる文化を理解・尊重することの重要性がますます高まっています。

 以上のような経済や社会などの急激な変化の中で,日本を含む国際社会全体の繁栄と安定のために,教育,文化,スポーツ及び科学技術・学術に関する諸施策が果たしていくべき役割にも大きな変化が生じています。

 国際会議などの主要な動きとしては,平成9年のデンバー・サミットにおいて,クローン人間の産生禁止について各国の適切な国内措置と国際協力の必要性が合意されました。また,11年のケルン・サミットにおいて,教育が初めて主要議題の一つとして取り上げられたことに続き,12年7月の九州・沖縄サミットにおいては,「2015年までにすべての児童への初等教育の機会,成人識字率の50%の改善」などの目標を設定した「ダカール行動枠組み」を国際機関や先進国が強力にフォローアップしていくことや,国際的デジタル・デバイドの解消のために国際的に行動を推進していくことなどがコミットされました。13年4月に開催されたOECD教育大臣会合では,「万人のための能力への投資」の促進のために,各国が協力していくことの重要性が強調されました。さらに,同年7月のジェノバ・サミットにおいては,「ダカール行動枠組み」の推進が再確認されるとともに,貧困削減戦略や開発政策において「教育」が高い優先順位を与えられるべきことが確認されました。

 また,国連においては,「児童の権利に関する条約」などの国際条約の採択,「人権教育のための国連10年」などの国際年・国際日の制定,「社会開発サミット」などの国際会議の開催を通じて,教育や文化に関連した様々な活動を行っています。

 このような国際的な動向を踏まえ,世界各国と共生しつつ我が国の経済・社会の一層の発展・成熟を期するとともに,国民が各国の人々と物質的のみならず精神的にも豊かな生活を分かち合うためには,以下に述べる四つの課題への取組を強化し,国際化に対応した様々な施策の展開を図っていく必要があります。

 第一の課題は,日本人としての自覚とともに国際的な視野と経験を身に付け,21世紀の国際社会の中で主体的に生きる日本人を育成していくための諸施策を充実することです。

 第二の課題は,諸外国の人々とお互いの文化,習慣,価値観などを理解し合い,信頼関係を築いていくために,国際交流を一層推進することです。国,地方公共団体,民間団体などにより,様々な形態の国際交流が行われていますが,政府レベルでは,既に50か国近い国との間で文化協定,文化取極などが交わされており,留学生交流,相手国言語教育の普及,研究者交流,スポーツ・文化交流などの促進が図られてきています。

 第三の課題は,我が国が人材大国として国際社会における地位にふさわしい国際貢献を行い,諸外国からの我が国への期待に応えていくとの観点から,人づくりなどに貢献する開発途上国援助を積極的に推進していくことです。また,ユネスコ,OECD,APEC,EU,国連大学などの国際機関を通じた国際協力,多国間協力も近年ますます重要になってきており,教育分野で高い国際評価を受けている我が国の積極的な取組が求められています。

 第四の課題は,科学技術創造立国を目指す我が国が,国際的な交流を通じて科学技術の発展を図るとともに,国際社会が共通して取り組むべき問題の解決に貢献していくことです。そのため,37か国との間で科学技術協力協定などの国際約束に基づき,二国間における幅広い科学技術協力を実施するとともに,多国間の科学技術協力として,サミットやAPECなどにおける活動を推進しています。


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