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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第9章  文化による心豊かな社会の実現に向けて
第4節  文化財の保存と活用
2  国宝・重要文化財などの保存と活用



(1) 指定

 美術工芸品の指定については,平成13年度に金光明最勝王経(こんこうみょうさいしょうおうきょう)を宝塔の形に書写し,その宝塔の周りに経典の内容を描いた「紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図(こんしちゃくしょくこんこうみょうさいしょうおうきょうきんじほうとうまんだらず)」(絵画),旧米沢藩主上杉家に伝来し,武家文書の形態を最もよく残した「上杉家文書」(古文書),江戸時代初期に伊達政宗が欧州に派遣した使節に関する一括資料である「慶長遣欧使節関係資料(けいちょうけんおうしせつかんけいしりょう)」(歴史資料)を国宝に指定しました。

 このほか,我が国の近代彫刻史に大きな影響を与えた朝倉文夫(あさくらふみお)作の「墓守」(彫刻),近代鋳金の第一人者である鈴木長吉のシカゴ・コロンブス世界博覧会出品受賞作「銅鷲置物」(工芸品),明恵上人高弁(こうべん)の著述の中で最古写本となる「摧邪輪(さいじゃりん)」(書跡・典籍),神人車馬画像鏡(しんじんしゃばがぞうきょう)を中心とする前期古墳時代の古墳からの出土品を一括した「奈良県佐味田宝塚古墳出土品(ならけんさみだたからづかこふんしゅつどひん)」(考古資料)など,新たに18件を重要文化財に指定しました。

 建造物の重要文化財への指定については,明治以降の近代のものについて重点的に進めています。平成13年6月には,旧東京帝室博物館本館(東京都台東区)や天城山隧道(静岡県賀茂郡河津町・田方郡天城湯ヶ島町)などの近代の建造物を重要文化財に指定しました。

 そのほか,既に重要文化財に指定された建造物の中から,極めて優秀で,かつ,文化史的意義の特に深いものについては,国宝への指定を進めています。

国宝「紺紙著色金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図」

国宝「上杉家文書」

国宝「慶長遣欧使節関係資料」のうち「支倉常長像」


(2) 管理・修復・防災

 文化財は一度その価値が損なわれると回復することのできない極めて貴重な国民全体の財産です。

 国指定有形文化財の管理・修理などは,所有者が行うのが原則ですが,所有者による管理が適当でない場合などには,必要な管理・修理などが適切に行われるよう,文化庁長官が地方公共団体などを管理団体として指定し,管理を行わせることができることとなっています。

 また,国指定有形文化財の美術工芸品,建造物は,それぞれ修理を必要とする周期などに応じて,所有者などへの国庫補助により計画的に修理を実施するとともに,保存・防災のための施設・設備の設置などの事業を行っています。

 さらに,文化財を火災などの災害から防ぐためには,国や地方公共団体の協力の下,文化財の所有者などが文化財の適切な管理に徹底して取組むことが必要です。平成7年1月の阪神・淡路大震災における文化財の被害状況を踏まえ,文化財建造物の地震時における安全性の確保の考え方を取りまとめ,具体的な耐震診断の指針と手引を策定しています。

 なお,指定などを受けた文化財に対する税制面での支援措置については,重要文化財を国や地方公共団体などへ譲渡した場合に所得税が非課税とされるほか,重要文化財のうち建造物については相続税や固定資産税などの軽減も図られています。

重要文化財「旧東京帝室博物館本館」


(3) 活用

 美術工芸品については,重要文化財の鑑賞機会の拡大を図るため,博物館などが開催する展覧会について国が一部の経費を負担しています。

 また,建造物については,活用しながら保存することが重要であることから,文化庁では,「重要文化財(建造物)の活用に対する基本的な考え方」(平成8年12月)を示し普及を図っています。さらに,平成11年3月には所有者が文化財の保存活用計画を策定する際に考慮すべき事項などを取りまとめました。


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