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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第8章  スポーツの振興と青少年の健全育成に向けて
第3節  生涯スポーツ社会の実現
1  地域におけるスポーツクラブの育成


 国民一人一人が日常的にスポーツに親しむためには,それぞれの地域にスポーツを行う場がなければなりません。これまでも地域におけるスポーツクラブは生涯スポーツにおいて重要な役割を果たしてきましたが,スポーツ振興基本計画では「総合型地域スポーツクラブ」の全国展開を,今後,生涯スポーツ社会を実現するため緊急に取り組むべき第一の課題として挙げています。


(1) 地域におけるスポーツクラブの現況

 従来,我が国のスポーツは学校と企業,特に学校を中心に発展してきており,学校がスポーツの振興やトップレベルの選手の育成など,様々な役割を果たしてきました。その反面,学校を卒業してしまうとスポーツに親しむ機会が著しく減少してしまう状況になっている場合が多くあります。また,勤務先の企業や営利法人が運営するスポーツクラブもありますが,トップレベルの選手を対象としていたり,あるいは活動種目が限定されているなど,国民のスポーツニーズには十分対応できていない場合が見られます。

 こうした状況を改善するためには,地域において多様な種目が用意されたスポーツ活動を可能とする組織が必要です。地域でだれもがスポーツを行うことのできるクラブがあれば,学校を卒業した後も,継続的なスポーツ活動が可能となります。

 現在も,我が国には数多くの地域のスポーツクラブが存在しています。地域のスポーツクラブの代表例として有名なものはスポーツ少年団です。スポーツ少年団は,現在約3万5,000団あります。しかしながら,団員の約9割が小学生です。また,8割以上の少年団が単一の種目を行っています。このように,スポーツ少年団は主に小学生を構成員とし,単一の種目を行うという特徴を有しています。

 また,他の地域のスポーツクラブでも同様の特徴が見受けられます。例えば,成人のスポーツクラブも,ほとんどが,小規模で単一種目を行い,構成員が限られた年齢層のものです。

 平成11年に(財)日本スポーツクラブ協会が行った調査によると,公共スポーツ施設を利用しているスポーツクラブは約36万あり,その約95%が単一種目型で構成されています。さらに,構成員数は平均28人と小規模なものがほとんどとなっています。

 このように現在の我が国のスポーツクラブは,ほとんどが小規模で単一種目しか行うとができないなど,国民の多様なスポーツニーズにこたえるためには不十分です。

 生涯スポーツの拠点となり,多様なニーズにこたえることができる組織としては,

{1} 一定の規模を有し,
{2} 継続性を有し,
{3} どのような年齢の者でも所属することができ,
{4} 多くの種目が用意され,
{5} 様々な技術・技能レベルの人が楽しめる

ことが必要です。

■図2-8-3■週1回以上運動・スポーツを行う者の割合の推移


(2) 総合型地域スポーツクラブの全国展開

 文部科学省では,このような条件を満たす,地域のスポーツ活動の拠点として「総合型地域スポーツクラブ」を提唱し,その全国展開を推進しています。

 スポーツ振興基本計画においては,総合型地域スポーツクラブの全国展開について,2010(平成22)年までの到達目標を以下のように掲げています。

{1} 全国の各市区町村において少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成する。
{2} 各都道府県において少なくとも一つは広域スポーツセンターを育成する。

 スポーツが日常生活に根付いているヨーロッパでは,地域住民の多くがスポーツクラブに参加しています。住民は単にスポーツを行うだけでなく,クラブハウスが社交の場にもなっており,クラブが地域コミュニティの基盤になっています。また,クラブに参加していることで,地域住民は地域の一員として誇りを持つなど,クラブは地域の活性化にもつながっています。

 文部科学省では総合型地域スポーツクラブの全国展開を図るために,平成7年度からモデル事業を実施するなど,各種の取組を行っています。さらに,総合型地域スポーツクラブが地域住民のニーズを踏まえて創設され,継続的・安定的に運営されるためには,個々のクラブだけでは解決できない課題も少なくなく,クラブの活動を後方支援する広域スポーツセンターが必要です。そこで,平成11年度からは広域スポーツセンターの育成モデル事業を実施しています。

 このような中,地方公共団体,(財)日本体育協会などのスポーツ団体や地域住民のグループが自ら積極的に総合型地域スポーツクラブの育成に取り組んでいる事例も見られます。


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