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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第7章  研究開発システム改革の推進
第8節  地域における科学技術振興のための環境整備
2  地域における科学技術施策の円滑な展開


 産業の空洞化への懸念が増大している中で,地域産業の活性化や地域住民の生活の質の向上などを図るため,地域における科学技術振興の必要性が増しています。

 このような状況の下,今後の我が国の科学技術政策に基本的枠組みを与えるものとして,科学技術基本法に,科学技術振興に関する地方公共団体の責務,施策の策定及び実施が盛り込まれました。

 科学技術基本計画においても,地域における科学技術の振興は,重要事項として位置付けられ,平成7年12月に内閣総理大臣決定された「地域における科学技術活動の活性化に関する基本指針」に基づき,地域における産学官等の連携・交流等を促進することとされています。

 このように地域における科学技術振興の重要性が高まる中,都道府県においても科学技術振興策を審議する審議会等を設置するとともに,独自の科学技術政策大綱や指針等を策定するなど科学技術振興への積極的な取組がなされています( 第2-7-7 及び 表2-7-8 )。

■表2-7-7■地方公共団体における科学技術審議会等の策定状況

■表2-7-8■地方公共団体における科学技術振興指針等の策定状況


(1) 地域における科学技術の振興を図るための国の施策等

{1} 研究制度等

 地域社会や生活者ニーズに密接に関連した研究開発を推進するため,国・地方公共団体等の研究ポテンシャルを生かし,生活の質の向上及び地域の発展に資する目的指向的な研究開発を総合的に推進する生活・社会基盤研究制度が実施されています。

 地域の研究開発促進拠点において,国立及び公設試験研究機関,大学,民間の研究機関間の研究コーディネート機能の充実を図ることにより,地域における科学技術の振興を支援する地域研究開発促進拠点支援事業(ネットワーク構築型)を実施しています。また,同事業の実施等により研究ネットワークが整備された地域を対象に,大学等の研究成果を積極的に発掘し,その活用を促進するため,研究コーディネータから成る専門家チームを結成し,研究成果等の育成を図る地域研究開発促進拠点支援事業(研究成果育成型)を実施しています。

 さらに,国として推進すべき重点分野において,地域の研究ポテンシャルを結集し,関係研究機関の有機的連携によるネットワーク型地域COEの形成を図り,集約的な研究開発を実施し,新技術・新事業の創成を目指す地域結集型共同研究事業を実施しています。

 海洋科学技術センターでは,沿岸環境・利用の研究開発を,地域の協力を得ながら実施しています。

 国立大学において,民間等との共同研究,受託研究を実施する場となるほか,企業等の技術者に対する高度技術研修や研究開発の技術相談を行い,産業界と連携・協力していく共同研究センターの整備を図っています。この施策は,地域産業との連携,活性化に貢献しており,平成13年度まで46都道府県で61の国立大学に設置しています。

 また,平成13年度現在,地域の産業振興の核となるような独創的な研究開発を推進するため,35大学にベンチャービジネス・ラボラトリーを設置しているところです。

{2} 研究成果活用プラザの整備

 研究開発ポテンシャルの高い地域における産学官交流の拠点として,また,周辺の大学等における優れた研究成果の掘り起こし,権利化から企業化に至るまでの研究成果の社会還元を一貫して行うための施設として研究成果活用プラザの整備を進めており,現在,北海道(札幌市),宮城県(仙台市),石川県(辰口町),愛知県(名古屋市),大阪府(和泉市),広島県(東広島市)及び福岡県(福岡市)の7か所で整備が進められています。

{3} 研究施設の整備

 地域独自の科学技術の振興を図る上で,研究施設等の基盤の整備が重要であることから,文部科学省では,地方公共団体が行う,地域の特性や研究ポテンシャルを生かした先導的研究に資する基盤施設の整備に対して支援する地域先導科学技術基盤施設整備事業を実施しています。

{4} 地域間の連携や各種交流

 文部科学省では,地域における科学技術振興施策の一環として,地域科学技術振興会議を開催しており,平成12年度は香川県,岩手県及び群馬県で実施しています。本会議は,関係機関と産業界,学界をはじめとした各界の連携の機運を醸成し,地域における科学技術振興基盤の確立に資することを目的として,関係者が一堂に会し,国と地域の意思疎通や各地域間の情報交換,当該地域等における諸課題に関する検討を行っています。

 また,財団法人全日本地域研究交流協会は,地方公共団体の出捐(えん)金拠出により,研究交流をはじめ,地域の科学技術振興を支援することを目的として,平成4年6月に設立されました。先端的研究や基礎的研究に地域が取り組む際の各種研究支援事業や,全国規模の研究交流事業が展開されています。


(2) 研究開発拠点の整備

 現行の全国総合開発計画「21世紀の国土のグランドデザイン」において,産学官の機関のネットワーク化や研究開発投資の重点的な措置により,筑波研究学園都市及び関西文化学術研究都市の整備を推進するとともに,広域国際交流圏の形成の核ともなる国際的水準の新たな研究開発拠点の整備を図ることとされています。

{1} 筑波研究学園都市

 筑波研究学園都市は,首都圏全域の均衡ある発展に資するとともに,高水準の研究,教育のための拠点を形成し,科学,学術研究及び高等教育に対する時代の要請にこたえるため,国の施策として建設が進められています。

 現在,本都市には,国の研究試験・教育機関等49機関がほぼ完成して業務を開始しており,また,民間の研究機関も進出しています。

 このように,本都市の充実が図られてきており,さらに我が国が国内外の研究開発拠点として育成するための諸施策を推進しているところです。

{2} 関西文化学術研究都市

 関西文化学術研究都市(京都府,大阪府,奈良県)は,21世紀に向けた創造的かつ国際的,学際的,業際的な文化・学術・研究の新たな展開の拠点づくりを目指すものであり,昭和62年6月に施行された「関西文化学術研究都市建設促進法」に基づき,着実に整備が進められています。平成12年度末現在,本都市には民間の研究施設等73の施設が立地し,業務を実施しています。

{3} その他

 上記のほかに,東北インテリジェント・コスモス構想(新潟県を含む東北7県),東海地域研究学園都市構想(岐阜県,愛知県,三重県,名古屋市),九州北部学術研究都市整備構想(福岡県,佐賀県)について,その実現に向けた取組が推進されているところです。


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