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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第7章  研究開発システム改革の推進
第4節  優れた若手研究者・技術者の養成・確保
2  技術者の養成・確保


 科学技術創造立国の実現を目指す我が国としては,技術基盤の強化とともに,技術革新による産業フロンティア創出と産業の国際競争力を強化する観点から,質が高く,かつ,十分な数の技術者を養成・確保することが重要な課題です。

 このため,我が国としては,以下の施策を通してこれを担う優秀な技術者の養成・確保を図っています。


(1) 技術士制度の運用

 技術士制度は,昭和32年に制定された技術士法により創設されました。本制度の目的は,科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画,研究,設計,分析,試験等の業務を行う者に対し,国家資格である「技術士」を付与することで,その業務の適正を図るとともに,科学技術の向上と国民経済の発展に資することにあります。技術士法においては,「技術士」の資格に加え,将来技術士となることを目指して技術士の指導を受けながら技術士の業務を補助する「技術士補」の資格が定められており,それぞれ,機械・船舶等の技術分野ごとに設定されている技術部門について実施される国家試験に合格し,登録を行うことが必要です。

 平成12年度の技術士試験においては,技術士となるための試験に3,373名,技術士補となるための試験に2,462名が合格しました。

 平成13年3月末現在の技術士登録者及び技術士補登録者は,それぞれ46,099名,9,119名となっており,技術士の技術部門別の割合は 図2-7-4 のとおりです。

■図2-7-4■技術士の技術部門別割合


(2) 技術士制度の改善

 技術者資格の国際的な相互承認の急速な具体化をはじめ,技術業務を取り巻く環境の変化に対応するためには,技術士資格の要件の国際的な整合性を確保すること,また,高い技術能力と職業倫理を備えた技術者を十分な数確保することが喫緊の課題となっています。このため,平成11年から当時の技術士審議会において,技術士制度の改善についての調査・審議が行われ,12年2月,{1}外国の技術者資格を有する者を我が国の技術士として認定するための枠組みの整備{2}試験制度の改善{3}継続教育の導入{4}社会に対する責務(職業倫理)の明示を内容とする「技術士制度の改善方策について」がまとめられました。

 本報告を踏まえ,平成12年4月に技術士法の一部が改正され,また,同年12月には,改正技術士法の実施や,新たな技術部門として総合技術監理部門を設置するため,技術士法施行規則の一部が改正されました。これらの法令に基づく新しい技術士制度は,13年4月から運用が開始されています。


(3) 技術者資格の国際相互承認への対応

 平成7年,APEC首脳会議で採択された大阪行動指針を受け,域内における有資格技術者の移動を促進するための「APECエンジニア相互承認プロジェクト」が進展しています。

 我が国としては,本プロジェクトにおける検討に積極的に参加し,技術士資格と海外の対応する資格の相互承認の実現に向けた施策を展開しています。

 平成12年11月,それまでの検討結果が「APECエンジニア・マニュアル」として公表され,我が国のほか,オーストラリア,カナダ,香港,韓国,マレーシア,ニュージーランドの参加7エコノミーにおいてAPECエンジニアの審査登録の受付が開始されました。

 我が国におけるAPECエンジニアの第1回の審査の結果,平成13年3月に,延べ1,037名がAPECエンジニアとして認められました。

 本プロジェクトについては,今後,相互承認の実現のための2国間あるいは多国間の協議を進めることとなっています。

 また,APEC以外の国々との間でも有資格技術者の相互承認を進めるため,APEC諸国に加え,米国,英国,南アフリカ,アイルランド等より構成される Engineers Mobility Forum(EMF)において進められている検討に参加しています。

○APECエンジニアの要件
・認定又は承認されたエンジニアリング課程を修了していること,又はそれと同等の者と認められていること。
・自己の判断で業務を遂行する能力があると当該エコノミーの機関で認められていること。
・エンジニアリング課程修了後,7年以上の実務経験を有していること。
・少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること。(この2年間は上記7年の内数としてもよい。)
・継続的な専門能力開発を満足すべきレベルで実施していること。

 このほかに,以下の2項目にも同意しなければならない。

・自国及び業務を行う相手エコノミーの行動規範を遵守すること。
・相手エコノミーの免許又は登録機関の要求事項及び法規制により,自己の行動について責任を負うこと。

(4) 技術者の能力開発・再教育のための情報提供

 質が高く,かつ,十分な数の技術者を育成・確保するためには,大学等における技術者教育の段階から,技術士等の資格付与,継続的な教育までの技術者の生涯を通じて一貫した整合性のある技術者教育のシステムを構築することが重要です。このため,既に職に就いている技術者が最新の技術の成果,知見を常に取り入れ,技術能力の向上を行うことができるよう,国として積極的に支援していくこととしています。

 最新の技術情報・データ等を全国の約240万人の技術者の能力開発・再教育のためにインターネットを通じて効果的・効率的に提供するシステムの構築を進めています。


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