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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  科学技術の戦略的重点化
第6節  原子力の研究開発の推進
2  原子力の安全規制の充実強化


 原子力の研究開発を進める上で安全確保に万全を期すことが大前提です。このため,文部科学省は,試験研究用原子炉や核燃料物質の使用施設等については,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(以下「原子炉等規制法」という。)に基づく安全規制を,また,放射性同位元素や放射線発生装置の利用に伴う放射線障害の防止については,「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(以下「放射線障害防止法」という。)に基づいて安全規制を実施しています。


(1) 原子炉等規制法による安全規制

 平成13年1月の省庁再編により,試験研究用原子炉,発電の用に供しない研究開発段階の原子炉や,核燃料物質等を研究などで使用する施設の安全規制については文部科学省が担当し,実用発電用原子炉や原子力発電に関わる一連の核燃料サイクル施設の安全規制については経済産業省原子力安全・保安院が担当しています。

 これにより,文部科学省は,試験研究用原子炉及び発電の用に供しない研究開発段階の原子炉(平成13年10月現在,運転中17基,建設中1基,解体中8基)に対して,

{1} 設置(変更)許可の審査
{2} 設計及び工事の方法の(変更)認可の審査
{3} 使用前検査
{4} 保安規定の(変更)認可の審査
{5} 施設定期検査 等

などにより,設計,建設,運転の各段階において厳しい安全規制を実施しています。

 また,核燃料物質を研究などで使用する施設(平成13年10月現在,175か所)に対して使用(変更)の許可のため審査を行うとともに,そのうち一定量以上の核燃料物質を使用する施設(平成13年10月末現在,16か所)に対しては,検査や保安規定の認可の審査など,厳しい安全規制を実施しています。また,核原料物質の使用者に対しては使用の届出を義務付けています。

 さらに,平成11年9月にJCOウラン加工工場で発生した臨界事故の教訓を踏まえて,国は原子力安全規制を強化するために原子炉等規制法を改正し,12年7月より施行しました。文部科学省に関連する主な改正点は以下のとおりです。

{1} 事業者や従業者が守らなければならない保安規定の遵守状況についての検査制度(保安検査)を新しく設置しました。
{2} 原子力保安検査官を主要施設のある地域に配置し,保安検査に関係する事務に従事させることにしました。
{3} 事業者が核燃料物質を取り扱う者,原子炉を運転する者などの従業者に対して,保安に関わる教育を行うよう義務付けました。
{4} 原子力施設で,安全規制などに違反する事実がある場合には従業者が規制を担当している官庁にその事実を申告しやすくしました。

 この改正に基づき,文部科学省では原子力安全の一層の強化に努めているところです。

 また,平成12年に,モナザイト鉱石等生活環境の周辺に放射性の物質が適切に管理されずに存在している事例が判明したことを受け,国民の皆さんが安心して生活できる環境,条件を確保するため,これらの適切な対策について検討を進め,12年12月に「放射性物質の適切な管理について」をまとめました。その中では,原子炉等規制法による管理下になく,明確な意図がなく保持されている核原料物質・核燃料物質について,再利用のルールに乗せることを含め,これを引き取り適切に管理する枠組みを構築すること等について今後検討を進めていくこととしました。

 さらに,文部科学省所管の原子力施設では,従来から核物質の盗取や施設に対する妨害破壊行為を防止するため,原子炉等規制法に基づき一定水準の核物質防護措置を講じてきたところですが,平成13年9月に発生した米国における同時多発テロを踏まえ,文部科学省は警察等とも連携,協力しつつ,事業者に対し核物質防護措置をより一層徹底し,警備に万全を期すよう指導しています。


(2) 放射線障害防止法による安全規制

 放射性同位元素や放射線発生装置は,医療,工業,農業,環境など様々な分野で利用されています。これらの利用に伴う放射線障害を防止するため,文部科学省は放射線障害防止法に基づいて,放射性同位元素の使用,販売,賃貸及び廃棄等を行おうとする者に対して,許可又は届出の義務を課す等の安全規制を実施しています。このような許可を受け,又は届出をした事業所は,日本全国で5,000か所以上あります。

 各事業所は同法に基づいて,施設の基準適合義務,使用等の基準の遵守義務,使用者等の管理義務といった様々な義務が課せられています。また,これらの事業所での放射性同位元素等の安全管理の充実を図るため,文部科学省では同法に基づく立入検査を行っており,立入検査の結果,施設や使用方法に不適切な点があった場合には,速やかに改善するように指導しています。

 平成12年度に同法に基づいて文部科学省に報告された事故の件数は6件でした。文部科学省では,事故の再発防止のため,必要に応じて事業者に対する通知などを行い,安全管理の徹底を指導しています。

 また,国際放射線防護委員会(ICRP)の1990年(平成2年)勧告の国内法令への取り入れのため,放射線審議会における議論を経て,平成12年10月に放射線障害防止法関係法令を改正し,13年4月より施行しました。本改正により,職業被ばくの線量限度,管理区域の設定基準などが改正されました。


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