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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  科学技術の戦略的重点化
第5節  ナノテクノロジー・材料分野の研究開発の重点推進
2  物質・材料



(1) 総合的な物質・材料科学技術の推進

 科学技術基本計画においては,物質・材料は広範な分野での飛躍的発展の鍵(かぎ)を握るという意味において重要であると示されるとともに,同分野の中でも特に情報通信や医療等の基盤となる原子・分子サイズでの物質の構造及び形状の解明・制御や,表面,界面等の制御等の物質・材料技術,省エネルギー・リサイクル・省資源にこたえる付加価値の高いエネルギー・環境用物質・材料技術並びに安全な生活空間を保障するための安全空間創成材料技術等の推進に重点を置くとしています。平成13年4月には,金属材料技術研究所及び無機材質研究所の二つの国立試験研究機関が統合するとともに,独立行政法人化し,独立行政法人物質・材料研究機構が設立され,物質及び材料全般に係る科学技術に関し,基礎研究及び基盤的研究開発を総合的に推進することとなりました。また,東北大学金属材料研究所等を中心として,独創的・先端的な物質・材料研究を展開するとともに,研究者の自由な発想と研究意欲を源泉として,大学等における独創性豊かな学術研究を推進すべく,物質・材料科学技術の基礎研究が行われています。


(2) 物質・材料研究開発の推進

 広範多岐にわたるニーズを背景として,様々な物質・材料科学技術に関する研究開発が活発に進められています。

 物質・材料科学技術全体に係る共通的・基盤的分野を推進するため,物質・材料研究機構においてプロジェクト研究開発を推進するとともに,戦略的基礎研究推進制度,フロンティア研究システム,科学技術振興調整費等各種制度により物質・材料科学技術に関する研究を大学等で実施しています。

{1} 環境・エネルギー材料

 省エネルギー・リサイクル・省資源にこたえる付加価値の高いエネルギー・環境用物質・材料技術の研究開発等を行う分野については,現在,物質・材料研究機構において,鉄鋼のリサイクル過程において不可避的に混入する不純物元素の有効利用技術の開発を目指すリサイクル鉄の超鉄鋼化の研究開発や,高効率エネルギーシステムにおいてCO2排出量の大幅削減を可能にする新世紀耐熱材料プロジェクトなどを推進しています。

 また,平成12年度から,物質・材料研究機構において,ミレニアム・プロジェクトにおける環境対応の一環として,資源循環型社会を指向する環境低負荷型の新材料の研究開発を開始しました。

{2} 安全材料

 安全な生活空間を保障するための安全空間創成材料技術の研究開発等を行う分野については,物質・材料研究機構において,鉄鋼材料の高強度化・長寿命化を行う新世紀構造材料(超鉄鋼材料)の研究や,人体における運動系機能と循環系機能を回復させる新規生体材料の探索・創製などを推進しています。

 特に超鉄鋼に関しては,結晶粒微細化の技術開発を基盤として,高強度・長寿命構造材料創製への基礎が確立されました。超鉄鋼材料の新しい性能とその二次加工技術の開発は,各種鉄骨構造の軽量化,大型化,安全性向上など多くのメリットを同時にもたらす画期的な技術を提供できる可能性があり,実用化されれば社会経済に大きなインパクトを与えるものとして期待が寄せられています。

{3} 超伝導材料

 IBMチューリッヒ研究所における発見を契機として,金属材料技術研究所におけるビスマス系超伝導体の発見など,高い温度でも超伝導現象を生じる酸化物系の新しい超伝導物質が相次いで発見されました。さらに,日本において金属系材料として,従来よりも高い臨界温度を有する硼化マグネシウムが新物質として発見されました。これらの新超伝導物質は,実用化されれば経済社会に大きな影響を与えるものとして,世界的に大きな期待が寄せられています。しかしながら,超伝導物質が実用材料として利用されるようになるためには,今後,新物質の探索や新現象の研究,線材化等の材料基盤研究や高磁場NMRなどの応用機器開発が重要です。このような点に考慮し,平成13年4月の超伝導科学技術研究会において,硼化マグネシウム等,最近の超伝導分野での新物質・新現象発見に伴う,今後の研究開発の在り方が取りまとめられました。


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