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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  科学技術の戦略的重点化
第2節  ライフサイエンス分野の研究開発の重点的推進
2  生命倫理・安全に対する取組



(1) 生命倫理に関する問題への取組

 平成9年2月に発表されたクローン羊「ドリー」の誕生を契機に,人のクローン個体が作り出される可能性など生命倫理の問題についての議論が巻き起こりました。我が国では,デンバー・サミットの共同声明で示された「クローン人間産生禁止の国内措置の必要性」等を受け,同年9月,科学技術会議の下に生命倫理委員会が設置され,クローン技術,ヒト胚性幹細胞研究及びヒトゲノム研究に関する検討が開始されることとなりました。

 クローン技術については,クローン小委員会が設置され,意見公募を踏まえて検討を行い,人クローン個体等を作り出すことについては,法律による規制が必要との結論を得ました。

 これを受け,政府では,人クローン個体等を作り出すことについては罰則付きで禁止し,個体生成に至らない研究については厳しい規制の下で一部認めることを内容とした法律案を作成し,国会に提出しました。国会での審議を経て,平成12年11月に「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」が成立し,同年12月に公布され13年6月から施行されています。

 ヒトES細胞(胚性幹細胞:ほぼ無限に分裂が可能であり,どのような細胞にも分化可能な細胞)に関する倫理問題については,ヒト胚研究小委員会が設置され,意見公募を踏まえて検討を行い,ヒト胚を生命の萌芽として尊重し,厳格な規制の枠組の下にES細胞の樹立が行われるべきとの方針を示しました。また,同小委員会における議論と意見公募を踏まえて文部科学省が作成した指針案は同年4月に総合科学技術会議に諮問され,8月には答申を受け,文部科学省は同年9月に「ヒトES細胞の樹立及び使用に関する指針」を策定し,運用しています。ヒトゲノム研究については,ヒトゲノム研究小委員会が設置され,意見公募を踏まえて検討を行い,12年6月に「ヒトゲノム研究に関する基本原則」が取りまとめられました。さらに,この基本原則に示された考え方を基にした具体的な研究指針を策定するため,文部科学省,厚生労働省,経済産業省の関係3省共同で検討委員会を設置し,意見公募を経て,「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」が策定され,平成13年4月より施行されています。


(2) ライフサイエンスにおける安全性の確保

 組換えDNA実験の安全性を確保するため,科学技術会議は昭和54年第8号答申「遺伝子組換え研究の推進方策の基本について」において指針を提示しました。これを受けて同年,内閣総理大臣により「組換えDNA実験指針」が定められ,平成13年度までに10回の改訂がなされています。一方,大学については,これに先立って,昭和54年に同趣旨の「大学等における組換えDNA実験指針」が定められており,現在は,この両指針の統一化に向けた検討を行っています。

 遺伝子治療(疾患の治療を目的として,遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与すること)の確立を目的とする臨床研究については,その科学的妥当性及び倫理性を確保し,適切な実施を確保するため,平成5年4月に厚生科学審議会でガイドラインが定められ,平成6年2月には指針が定められています。また,大学等における遺伝子治療の臨床研究についても,その適切な実施を確保するため,同年6月に「大学等における遺伝子治療臨床研究に関するガイドライン」が定められています。この両指針に関する遺伝子治療臨床研究の審査については,文部科学省と厚生労働省が合同で作業委員会を開催し,適切に研究がなされるよう努めています。


(3) 生命倫理・安全部会について

 生命倫理及びライフサイエンスにおける安全性の問題について,調査・審議を行うため,平成13年2月に科学技術・学術審議会の下に生命倫理・安全部会が設置され,ライフサイエンスに関する生命倫理及び安全の確保に関する問題に対応するため,これらの分野の重要事項について審議が行われています。


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