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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第6章  科学技術の戦略的重点化
第1節  基礎研究の推進
2  大学等における独創的・先駆的な研究の推進


 大学や,大学共同利用機関などの研究機関では,ライフサイエンスや材料分野など各個別の研究分野において基盤となる研究や独創的な研究を実施するとともに,さらに,あらゆる科学技術,学術研究の発展の基礎となる研究分野において,独創的・先駆的な研究を重点的に推進しています。


(1) ニュートリノ研究

 近年,ニュートリノなどの宇宙から飛来する素粒子の観測による研究が急速に進展しています。東京大学宇宙線研究所では,岐阜県の神岡鉱山の地下1,000mに「大型水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置」(スーパーカミオカンデ)を設置し,平成8年4月から観測・実験を進めており,10年6月には,ニュートリノが質量を持つという,現代物理学の根幹を大きく揺るがす成果を発表しました。11年度からは,その成果を検証するため,高エネルギー加速器研究機構と共同で,陽子加速器を用いて人工的に発生させたニュートリノを観測する実験(ニュートリノ振動実験)を開始し( 図2-6-3 ),12年6月に開催されたニュートリノ物理学の国際会議において,人工的なニュートリノについても質量があることを裏付ける成果を発表しました。

■図2-6-3■ニュートリノ振動実験概念図

 今後も,スーパーカミオカンデによる観測・実験を推進することとしていましたが,13年11月にニュートリノを観測する光センサーが大量に破損したため,現在,観測を中断しており,早期の観測再開が期待されています。


(2) 地域研究

 地域研究は,世界の諸地域に関する文化,社会,自然環境などの人類の営みにかかわるすべての事象を総合的に把握し,世界における各地域の占める位置や特色などについて明らかにすることを目的とするものです。地域研究は,我が国が国際協力,国際交流を一層進めていく上で有効な基礎的知見を提供することも期待されています。

 現在,関係研究機関のネットワークの中心組織として国立民族学博物館に地域研究企画交流センターを設置し,複数の地域にまたがる地域間比較研究などを推進しています。


(3) Bファクトリー

 宇宙創生の歴史において,粒子(物質)と反粒子(反物質)が同数存在していたが,何らかの原因で,その対称性(CP対称性)が破れ,現在の物質だけの世界になったとされています。高エネルギー加速器研究機構では,同機構の電子・陽電子衝突型加速器「Bファクトリー」を用いて,B中間子の崩壊現象を観測することにより,これらの原因を解明することを目指しています。

 加速器及び測定器は平成10年度に完成し,11年度から本格的実験を開始しており,13年7月に開催された高エネルギー物理学の国際会議において,「CP対称性の破れ」の存在を実証する成果が発表されました。

 現在,素粒子物理学の大きな謎の解明に向けて,更なる実験データの蓄積・解析を進めています。


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