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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第5章  科学技術・学術の一体的振興のための取組
第2節  学術の振興
3  学術研究の推進方策


 文部科学省では,これからの学術研究が目指すべき方向として,「世界最高水準の研究の推進」,「21世紀の新しい学問の創造」,及び「社会への貢献」という三つの目標を掲げ,平成13年3月に閣議決定された科学技術基本計画を踏まえて,{1}研究者の自主性の尊重,{2}人文・社会科学から自然科学までのすべての学問分野における発展,{3}教育と研究の一体的な推進という基本方針の下に,幅広い分野の多様な学術研究を推進しています。具体的には,以下の取組を行っています。


(1) 研究費の充実

 我が国を代表する競争的資金である科学研究費補助金は,研究者の自由な発想に基づく多様な学術研究を格段に発展させることを目的とする研究費であり,数多くの独創的,革新的な知見を生み出すのみならず,優れた研究者を育てるという点においても,大きな意義を持っています。このため,文部科学省では,科学研究費補助金の拡充に努めており,近年大幅に予算額が増加しています。また,研究者の要望を踏まえつつ,研究種目の見直し,審査・評価体制の充実,間接経費の導入,研究者へのサービス向上などの改善に努めています。

 また,日本学術振興会においては,知的資産の形成が期待される,先見性を持つ創造性に富んだ学術研究を推進する「未来開拓学術研究推進事業」を実施しています。


(2) 若手研究者の養成・確保

 学術研究の推進のためには,優秀な研究者が育ち,その研究者が十分に能力を発揮し,優れた研究成果を生むことが基本です。

 特に,今後,世界をリードする質の高い研究を推進するとともに,既存の体系にとらわれない新しい学問を創造していくためには,柔軟な発想により,研究の新しい展開を生み出す可能性を持つ若手研究者の活躍が期待されています。文部科学省では,日本学術振興会特別研究員などを活用し,次代を担う独創的で優れた若手研究者の養成・確保に努めています。


(3) 研究機関等の整備

 我が国の学術研究は,大学の学部,大学院のほか,大学共同利用機関や大学附置研究所を中心に展開されています。文部科学省では,各研究機関の役割や使命に即した多様な研究組織を確保しながら,学術研究の動向や社会の変化に即応した柔軟な研究組織の整備を進めています。

 また,創造性豊かな世界最先端の学術研究を推進する卓越した研究拠点(COE)の形成を目指して,研究機関や研究組織を支援しています。


(4) 学術研究基盤の整備

 新しい学問の創造や世界水準の研究を推進するためには,その基礎となる研究基盤の整備・充実が重要です。

 このため,大学等におけるネットワークの高度化・高速化や情報関係施設の整備を行うほか,学術情報を迅速・的確に入手するためのデータベースを充実するなど,学術研究に不可欠な情報基盤の整備・充実に努めています。

 大学図書館については,近年におけるマルチメディア技術の進展やインターネットの普及などに対応した,多様で高度な情報サービスの充実を図っています。

 ユニバーシティ・ミュージアムにおいては,大学等における研究活動を通じて収集された学術標本を対象に教育・研究を行うだけでなく,社会に開かれた大学の窓口として展示・講演会等を通じて人々の様々な学習ニーズにこたえています。

 また,学術研究を推進していくためには,研究支援体制の充実が不可欠です。このため,国立大学や大学共同利用機関が行う研究プロジェクト等への大学院博士後期課程在学者のリサーチ・アシスタント(RA)としての参加,特殊な技能や熟練した技術を有する者の研究支援推進員としての参加,大学院博士後期課程修了者の非常勤研究員としての参加を推進し,研究支援体制の充実を図っています。


(5) 特色ある世界水準の研究の重点的推進

 文部科学省では,世界的な研究動向や我が国の現状などを考慮しながら,基礎研究のうち,特に組織的・国際的に推進を図る必要がある分野,社会的要請が極めて強い分野,大型の施設・設備を必要とする分野などに重点を置いて,研究の積極的な推進を図っています。例えば,宇宙の果てに挑む天文学研究,ニュートリノ研究,物質の究極的な構造などの解明を目指す加速器科学,科学衛星などを用いた宇宙科学,未来のエネルギー源である核融合研究,国民生活や文化の向上に貢献する情報学,地球環境問題の解決を目指す地球環境学や南極地域観測,生命現象を解明する生命科学,世界各地域の特色を明らかにする地域研究などの分野の基礎研究を重点的に推進しています。


(6) 産学連携の推進

 我が国がより豊かで潤いのある社会を構築し,同時に,国際社会に貢献していくためには,技術革新等による発展を目指すことが重要であり,高い研究水準と人材育成機能を持つ大学の果たす役割は大きく,大学が地域社会活性化の中核となるよう,各方面からの期待がますます高まっています。また,学外からの新鮮な知的刺激により,学術研究の新しい芽の発見や新たな展開,教育活動の一層の活性化にもつながることから,大学と産業界などとの連携・協力は極めて有意義です。

 このため,文部科学省では,大学と企業等との共同研究や企業からの受託研究など産学連携を推進するための諸制度の整備,共同研究センターの設置など大学における産学連携のための体制整備,技術移転機関(TLO)等を通じた大学の研究成果の特許化や産業界への移転の促進などを図っています。


(7) 学術国際交流の推進

 我が国の国際的役割の増大と学術研究水準の高度化に伴い,国境を越えた研究者の交流・活動は学術研究の進展・向上に一層不可欠なものとなっています。

 研究者交流は研究者個人間の信頼関係を築き,将来の共同研究につながるものであり,日本学術振興会などにおいて研究者交流事業を行っています。

 また,研究装置の大型化に伴い,一国では対応が困難であり,国際的な協力が不可欠となる分野や地球環境問題など各国が共同して全地球的立場で取り組む必要がある分野が増加しています。このため,二国間協力,多国間協力などの国際共同研究に積極的に取り組んでいます。


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