ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章  高等教育の多様な発展のために
第4節  高等教育機関の多様な展開
1  高等教育の整備と発展の方向



(1) 高等教育機関の多様な展開

 社会・経済の更なる高度化・複雑化や国際化の進展に伴い,大学などの高等教育機関は,教育研究の質の向上を図るとともに,人材養成に対する多様な社会的要請に一層対応していくことが求められています。また,進学率の上昇や生涯学習需要の高まりに伴い,人々が自らの関心や意欲に応じてその能力を十分に伸ばしていくことができるよう,多様かつ充実した教育機会を提供することが重要となっています。

 このような高等教育に対する期待にこたえるとともに,長期的視点に立った教育研究の展開によって社会をリードしていくという役割を果たしていくため,各大学等は,それぞれの理念・目標を明確にしつつ,特色を生かして,個性豊かな活動を積極的に推進していく必要があります。


(2) 大学(学部)・短期大学の規模

 社会の高度化・複雑化・専門化の進展に伴い,社会生活を送る上で高度な課題探求能力や専門知識を有することが求められるようになってきています。また,少子化の進行に伴い若年労働人口が減少していく中で,我が国が引き続き発展していくためには,社会の各分野で活躍できる質の高い人材の供給を一定規模確保することが重要です。

 平成9年1月の大学審議会答申「平成12年度以降の高等教育の将来構想について」においては,12〜16年度までの期間に大学及び短期大学の臨時的定員の半数以上の解消を図りつつ,18歳人口が120万人規模となる21年度以降において,最大70万人程度(平成8年度入学者数から約10万人の減)の入学者数を想定することが適当と提言されています( 図2-3-8 )。

■図2-3-8■大学・短期大学の規模等の推移

 18歳人口の減少期である平成12〜16年度までの期間においては,全体として進学率の急激な変化を避けつつ,各大学における改革の定着・発展を促し,高等教育全体の質の維持と一層の向上を図っていく必要があります。このため,大学等の設置認可については次のような考え方に立って行うこととしています。

{1} 大学等の入学定員の全体規模を積極的に拡大することは望ましくなく,今後とも抑制的に対応
{2} 平成12年度以降は臨時的定員を最低半数解消することにより,段階的に入学定員の減少を図ることが適切
{3} 学問の進展や新たな人材養成需要等,時代の要請への対応のため,既設大学等の改組転換を基本としながら,極めて必要性の高いものについては新増設を認めることが適当

 なお,平成17年度以降における高等教育の全体規模の在り方については,現在,中央教育審議会大学分科会で審議されています。


(3) 大学院の量的拡大

 大学院の在学者数の規模については,平成3年11月の大学審議会答申「大学院の量的整備について」において,12年の大学院の規模は「全体としては,少なくとも現在の規模の2倍程度に拡大することが必要」であると提言されました。この提言を受け,新たな大学院(研究科・専攻)の設置や大学院の入学定員増など各般の施策がとられ,大学院の量的拡大が図られてきました。

 大学院の在学者について見ると,平成12年5月現在で20万5,311人(修士課程14万2,830人,博士課程6万2,481人)であり,3年の9万8,650人(修士課程6万8,739人,博士課程2万9,911人)に比べ約2倍の規模となっており,3年の大学審議会の答申の提言は達成されました。

 このように我が国の大学院は近年著しく規模を拡大しています。しかし,学部学生に対する大学院学生の比率について見ると,日本の8.3%(2000年)に比して,アメリカの13.9%(パートタイム在学者を含めると16.6%)(1997年),イギリスの18.0%(パートタイム在学者を含めると41.1%)(1998年),フランスの18.5%(1997年)など,諸外国の状況と比較すると,なお隔たりがあります。

 大学院は基礎研究を中心として学術研究を推進するとともに,研究者の養成及び高度の専門的能力を有する人材の養成という役割を担っています。今よりも一層変化が激しく複雑化していく21世紀の社会を迎え,これからの大学院に特に求められることは,{1}学術研究の高度化と優れた研究者の養成機能の強化,{2}高度専門職業人の養成機能・社会人の再学習機能の強化,{3}教育研究を通じた国際貢献の3点であり,いずれの面からも大学院の更なる整備充実が必要です。

 今後の大学院の規模の在り方については,{1}国際社会で活躍するための基本的な要件として大学院レベルの修了が求められている状況や,{2}21世紀に向けて科学技術創造立国を実現していく必要,{3}急速な技術革新や知識の陳腐化に対応し,リフレッシュ教育の機会を求める社会人等が増えると考えられること等を踏まえるとともに,{4}今後の産業構造の変化等を考慮する必要があり,新しい産業分野が創出され成長するにつれ,高度な知識・能力を備えた人材への新たな需要が生まれてくることを想定すると,全体としては,25万人以上の規模に拡大していくことが見込まれます。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ