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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第3章  高等教育の多様な発展のために
第1節  個性が輝く大学を目指して
2  大学改革への取組



(1) 教育研究の質の向上

 平成11年9月に大学設置基準を改正し,各大学において教員の教授能力の向上に役立てるため,授業の内容や方法の改善を図るため,組織的な研究・研修(ファカルティ・ディベロップメント)の実施に努めることにしました。また,学生にとって実行可能な学習量以上の過剰な履修科目の登録を防止する観点から,各大学において学生が1年間又は1学期に履修科目として登録できる単位数の上限の設定に努めることとしました。

 大学院については,平成11年5月に学校教育法の改正を行い,研究科以外の教育研究上基本となる組織を置くことができることとし,柔軟な組織編制を可能としました。また,同年9月に大学院設置基準の改正を行い,経営管理,法律実務などの分野で高度専門職業人の養成に特化した実践的な教育を行う大学院修士課程(専門大学院)を新たに制度化しました。あわせて,社会人の再学習のニーズにこたえるため,修士課程1年制コースや長期在学コースなど修業年限の弾力化を図ったところです。この改正を受け,平成12年4月に我が国初の専門大学院として,一橋大学大学院国際企業戦略研究科に経営・金融専攻が,京都大学大学院医学研究科に社会健康医学系専攻がそれぞれ設置され,さらに平成13年4月には,九州大学大学院医学系教育部に医療経営・管理学専攻が,青山学院大学大学院国際マネジメント研究科に国際マネジメント専攻が設置されました。

 大学院の修了と法曹養成との関係では,司法制度改革審議会意見を受け,現在,司法制度改革推進本部を中心に,法科大学院を中核とする「プロセス」としての法曹養成制度を新たに整備するための検討が進められていますが,文部科学省としても,司法制度改革審議会の意見等を踏まえ,同推進本部や関係機関とも連携しつつ,職業資格との関連を視野に入れた新しい形態の大学院の構想など大学改革の一環として,法科大学院について検討を行っているところです。


(2) 多様な学習需要への対応

 一人一人の能力・適性に応じた教育を進め,学生が優れた才能を一層伸長できるよう,平成11年に制度の改正を行い,一定の要件の下,3年以上4年未満の在学で学部を卒業できる例外的措置を導入したほか,大学院において個別の入学審査を行い,大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められ,22歳に達した者は,大学院への入学資格が認められることとなりました。

 また,平成13年には,情報通信技術の一層の活用を図り,通学制の大学においては,卒業に必要な124単位のうち60単位まで,通信制の大学においては,卒業に必要な単位全てをインターネットを利用して取得できること,外国の学校が行う通信教育を我が国で履修して,当該外国における16年の教育課程を修了した者に,我が国の大学院への入学ができることとなりました。

 さらに,平成13年には,特定の分野で特に優れた資質を有する者が,高校に2年以上在学した後に大学に入学できるいわゆる飛び入学について,数学及び物理学以外の分野においても実施することができるように学校教育法の一部が改正されました。


(3) 組織運営体制の整備

 平成11年5月に国立学校設置法を改正し,国立大学が社会的存在として責任ある組織運営を行い得るよう,国立大学の組織運営体制の改革を行いました。具体的には,評議会と教授会との役割分担を明確化するとともに,大学の将来計画などのような大学運営に関する重要事項について外部有識者の意見を取り入れるため,各国立大学に新たに運営諮問会議を設置しました。

 また,国民に対して大学の活動の状況を明らかにするため,平成11年9月に大学設置基準等を改正し,各大学における教育研究活動等の状況について広報誌やホームページなどを通じて,積極的に情報を提供することを義務付けました。

 さらに,学術研究の進展や社会のニーズの変化に機動的に対応し,大学がより柔軟に組織編制ができるよう,平成13年3月に大学設置基準を改正し,講座・学科目以外の教員組織を各大学の判断で設けることができるようになりました。

 国立大学の法人化については,平成11年4月及び12年12月の閣議決定により,大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として検討し,13年度中に専門的な調査検討の結果を整理し,平成15年までに結論を得ることとされています。このため,文部科学省では,国立大学関係者や公私立大学,経済界,言論界など幅広い分野の有識者の参画を得て調査検討会議を開催し,組織業務,目標評価,人事,財務会計など制度の具体的内容について調査研究を行っており,本年度中に報告を取りまとめる予定です。


(4) 多元的な評価システムの確立

 平成11年9月の大学設置基準の改正により,各大学における自己点検・評価の実施とその結果の公表を義務付けました。あわせて,自己点検・評価の結果について学外者による検証を受けるように努めることとしました。

 また,国立学校設置法の改正により,平成12年4月に学位授与機構を大学評価・学位授与機構に改組し,新たに大学等の教育研究活動等の状況について評価を行うこととしています。具体的には,全学テーマ別評価(教養教育,留学生交流や産学連携などの一定の全学的な課題に関するテーマに基づいて実施する評価),分野別教育評価,分野別研究評価の三つに区分し,大学や企業の関係者をはじめ社会・経済・文化の幅広い有識者の参画を得て評価を実施することとしています。評価の結果は,評価を受けた大学に提供され,その教育研究活動の改善に役立てられるほか,広く社会に対して分かりやすく公表され,学生や企業が大学を選択する際の参考資料などとして活用されることが期待されています。


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