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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章  初等中等教育の一層の充実に向けて
第2節  暴力行為,いじめ,不登校等の解決を目指して
2  児童生徒の問題行動等への取組


 暴力行為,いじめ,不登校など,児童生徒の問題行動等の原因・背景は個々のケースにより様々ですが,一般的には,家庭,学校,地域社会のそれぞれの要因が複雑に絡み合い,問題行動が発生していると考えられます。

 したがって,これらの問題の解決のためには,家庭,学校,地域社会がそれぞれの役割を果たし,一体となった取組を行うことが重要です。この中で学校は,校長のリーダーシップの下,深い児童生徒理解に立ち,一人一人の児童生徒が生き生きとした学校生活を送ることができるよう全校が一体となった生徒指導体制の確立に努める必要があります。

 このため文部科学省においては,次の観点から各種の施策を総合的に推進しています。また,平成13年7月には学校教育法を改正し,児童生徒の社会性や豊かな人間性を育むための体験活動の促進を図るとともに,児童生徒の問題行動への適切な対応を図るための出席停止制度の改善を行ったところです。


(1) 分かる授業・楽しい学校の実現と心の教育の充実

 学校は子どもたちにとって楽しく学び生き生きと活動できる場でなくてはならず,子どもたち一人一人が大切にされ,自分の存在感や自己実現の喜びを実感できるようなところでなければなりません。

 このためには,まず,一人一人を大切にし,個性を生かす教育を充実するという基本的な考え方の下,新学習指導要領の趣旨を実現する教育を着実に推進していく必要があります。

 文部科学省においては,教育課程説明会を実施するとともに,ティーム・ティーチングを導入するなど,学校において分かりやすく個に応じた授業を行うための指導方法の工夫改善に関する教職員配置の改善を図っています。

 また,豊かな心を育むための道徳教育の一層の推進・充実を図るとともに,道徳性を養う体験活動として社会奉仕体験活動や自然体験活動,郷土の文化・伝統に親しむ活動などを行う「道徳教育体験活動推進事業」を平成12年度から実施しています。

 また,平成13年7月には学校教育法における様々な体験活動を充実させることを内容とする学校教育法の改正を行ったところです。


(2) 教員の資質を高めるために

{1} 体系的な教員研修

 問題行動等の未然の防止や早期の発見,解決を図るためには,すべての教員がこれらについて正しい理解と正確な認識を持ち,児童生徒に対する指導力を備えることが必要です。

 このため,従来から都道府県教育委員会が実施する初任者研修や教職経験者研修には,生徒指導に関する研修が盛り込まれています。

{2} 専門的・実践的な研修

 生徒指導担当教員や教育相談担当教員等に対する専門的・実践的な研修を行い,これらの教員の資質能力の向上を図ることも極めて重要です。

 このため,生徒指導担当教員に対して,生徒指導,教育相談の理論及び実際について総合的かつ実践的な研修を行うため,「生徒指導総合研修講座」を実施しています。

 また,教育職員免許法の改正に伴って,大学の教育養成段階においても生徒指導やカウンセリングを含む教育相談等の指導を一層充実させるともに,大学に教育実践総合センターを設置するなど,実践的指導力の育成を図っています。


(3) 教育相談体制の充実

 児童生徒,保護者,教員の抱える学校教育に関する不安や悩みを受け止めるためには,学校,市町村,都道府県等の様々な段階で,これらに対する教育相談体制の整備を図る必要があります。

 文部科学省では,平成7年度から学校におけるカウンセリング等の機能の充実を図るため,「心の専門家」である臨床心理士などをスクールカウンセラーとして配置し,逐次その拡充を図ってきました。これまでの調査研究を通じて,スクールカウンセラーの配置は,児童生徒の問題行動等の予防・発見・解消,保護者や教員の子どもへの接し方についての助言の両面で効果がある等の成果が広く報告されています。平成10年6月に公表された中央教育審議会答申においても,「すべての子どもがスクールカウンセラーに相談できる機会を設けていくことが望ましい」と提言されています。平成13年度からは,「スクールカウンセラー活用事業補助」を開始し,各都道府県・政令指定都市において,スクールカウンセラーを活用する際の諸課題についての調査研究事業を行うために必要な経費の補助を行っているところです(13年度3,750校)。

 今後も,できるだけ多くの児童生徒がスクールカウンセラーに相談できるよう,その配置の充実を図っていくこととしています。

 また,平成10年度の2学期から,公立中学校に教職経験者や青少年団体指導者など地域からの人材を「心の教室相談員」として配置し,生徒の悩みなどの相談にのったり,気軽な話相手となったりすることにより,生徒が悩み等を抱え込まず,心にゆとりを持てるような環境づくりのための調査研究を行っています(13年度6,800校)。

 さらに,各市町村における教育相談体制の充実を図るため,平成7年度から,市町村教育委員会に教育相談員を配置するために必要な経費が地方交付税において措置されていますが,13年度はさらに拡充されています。

 不登校対策としては,平成11年度から「不登校児童生徒の適応指導総合調査研究委託―スクーリング・サポート・プログラム(SSP)―」を実施し,適応指導教室や民間施設における不登校の子どもたちの学校復帰に向けての望ましい指導の在り方について調査研究を行っています。


(4) 学校・家庭・地域社会の連携

 児童生徒の問題行動の解決のためには,学校・家庭・地域社会が一体となって取り組むことが必要です。

 このような取組を推進するため,文部科学省では,従来から,教育委員会,学校,PTA,関係機関等の関係者が生徒指導上の諸問題について研究協議を行う「生徒指導推進会議」を開催しているほか,平成12年度からは「生徒指導総合連携推進事業」を実施しています。

 「生徒指導総合連携推進事業」においては,市町村等を単位とした「生徒指導総合連携推進地域」を指定し,家庭,学校,地域住民,企業,民間団体,関係機関が一体となって,各地域が抱える生徒指導上の諸問題に対する実践的な取組を進めています。

 各地域では,その実態に応じた様々な取組がなされていますが,例えば,学校と警察との間で「学校警察連絡協議会」を設け(全国で約2,400組織),定期的に会合を開いて情報を交換したり,合同での街頭補導やキャンペーン活動を行ったりしています。また,学校に警察官を招き,児童生徒に罪を犯した場合の責任などについて語りかけてもらう「犯罪防止教室」を開催したりしています。さらに,「心の教室相談員」に地域の青少年団体指導者や保護司などを登用し,こうした人材を中心に学校と地域との連携を進めています。


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