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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章  初等中等教育の一層の充実に向けて
第2節  暴力行為,いじめ,不登校等の解決を目指して
1  深刻化する暴力行為,いじめ,不登校等の現状等



(1) 暴力行為・少年非行

 平成12年度において全国の公立小・中・高等学校の児童生徒が起こした暴力行為の発生状況は,学校内外とも増加しており,依然として憂慮すべき状況にあります( 第1部第2章第1節 参照)。

 少年非行については,警察庁の調べによると,平成12年の刑法犯少年の検挙人員は減少したものの依然として高水準であり,戦後第4の波にあるとしています。また,平成11年から12年にかけて,少年等による凶悪な事件が連続して発生しました。

 こうした現状を踏まえ文部科学省では,平成12年5月,「少年の問題行動等に関する調査研究協力者会議」を設けて,最近の少年の問題行動等の実態の分析や対応策について検討を行い,同年4月には「心と行動のネットワーク―心のサインを見逃すな,『情報連携』から『行動連携』へ―」(報告)を取りまとめました。

 本報告では,児童生徒の「心」のサインを見逃さず,問題行動の前兆を把握し,早期に対応することが重要であること,学校と関係機関との間で単なる情報の交換(「情報連携」)だけでなく,自らの役割を果たしつつ一体となって対応を行うこと(「行動連携」)が必要であることを強調しています。さらに,具体的な対応策として,スクールカウンセラーの配置の拡充,児童生徒の社会性を育むための体験活動の充実,地域における関係機関等のネットワークの形成と「サポートチーム」の組織化など,様々な提言が行われています。

 文部科学省では,通知や各種会議等を通じて,これらの提言を踏まえた教育委員会・学校の取組の充実を求めるとともに,関係施策の充実に努めています。


(2) いじめ

 いじめの問題については,平成12年度の全国における発生件数は5年連続減少しているものの,依然として憂慮すべき状況にあります( 第1部第2章第1節 参照)。

 いじめの問題については,「児童生徒の問題行動等に関する調査研究協力者会議」において,平成8年7月に「いじめの問題に関する総合的な取組について〜今こそ,子どもたちのために我々一人一人が行動するとき〜」と題する報告が文部省に提出されました。

 この報告において改めて確認されたいじめ問題への取組に当たっての基本的認識は次の5点です。

{1} 「弱い者をいじめることは人間として絶対に許されない」との強い認識に立つこと
{2} いじめられている子どもの立場に立った親身の指導を行うこと
{3} いじめは家庭教育の在り方に大きなかかわりを有していること
{4} いじめの問題は,教師の児童生徒観や指導の在り方が問われる問題であること
{5} 家庭,学校,地域社会などすべての関係者がそれぞれの役割を果たし,一体となって取り組むことが必要であること

 こうした基本的認識を踏まえ,特にいじめる児童生徒に対しては,いじめの非人間性やそれが他人の人権を侵す行為であることに気付かせ,他人の痛みを理解できるようにする指導を徹底することや,校内の別の場所における特別の指導計画による指導,いじめが一定の限度を超える場合の出席停止の措置などが必要です。また,いじめられる児童生徒については,緊急避難としての欠席や学級替えなどの実施,「転校」措置の弾力的運用など,あくまでいじめられる児童生徒の立場に立った取組がなされることが重要であり,その指導の徹底に努めています。


(3) 不登校

 不登校児童生徒数は,全国の国公私立小・中学生合わせて134,286人であり,過去最多となっています。

 不登校の原因・背景は,家庭に問題があるケース,学校の在り方(友人関係,教員との関係)がかかわっているケース,本人の意識に問題があるケースなどケースにより様々です( 第1部第2章第1節 参照)。

 文部科学省では,今後とも,分かる授業を行い,子どもたちに達成感や自己実現を味わわせるとともに,スクールカウンセラーの配置などによる教育相談体制を充実するほか,不登校の子どもたちの学校復帰を支援する適応指導教室の整備などの施策を推進していきます。

 また,中学校卒業程度認定試験における受験資格を拡大するとともに,高等学校入学者選抜に当たって,調査書以外の選抜資料の活用を図るなど,適切な評価に配慮しているところです。


(4) 高等学校中途退学

 公・私立高等学校における中途退学者数は約11万人であり,在籍者に占める中途退者の割合(中退率)は,2.6%となっています。中途退学の理由は,学校生活・学業不適応が37.4%と一番高く,次いで進路変更が36.5%となっています( 図2-2-1 )。

■図2-2-1■公・私立高等学校中途退学者数の推移

 高等学校中途退学問題については,中学校において生徒一人一人が自らの生き方を考え多様な進路を選択できるよう進路指導を充実することや,高等学校においてガイダンスの機能を充実すること,学校生活への適応等について計画的に指導することが重要です。また,就職や他の学校への転・編入学など積極的な進路変更については,これを支援していくことも大切であり,その指導の徹底に努めています。


(5) 校則

 校則とは,児童生徒が健全な学校生活を営み,より良く成長発達していくため,各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まりです。校則自体は教育的に意義のあるものですが,その内容及び運用は,児童生徒の実態,保護者の考え方,地域の実情,時代の進展等を踏まえたものとなるよう積極的に見直しを行うことが大切です。

 文部科学省では,平成9年度に実施した「日常の生徒指導の在り方に関する調査研究」の調査結果を受けて,10年9月に各学校における校則及び校則指導が適切なものとなるよう,都道府県教育委員会などに対し通知し,指導の徹底に努めています。


(6) 体罰

 平成11年度の体罰に係る教員の処分等の件数は,376件,処分を受けた人数は586人となっています。

 体罰については,学校教育法により厳に禁止されていますが,もとより体罰による懲戒は,児童生徒の人権の尊重という観点からも許されるものではありません。また,教師と児童生徒の信頼関係を損なう原因ともなり,教育的な効果も期待できないと考えられます。

 文部科学省では,各種通知や各種会議等を通じて体罰の根絶について引き続き指導を行っていきます。


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