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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第2章  初等中等教育の一層の充実に向けて
第1節  基礎学力を向上させ「生きる力」をはぐくむ教育を目指して
1  新しい学習指導要領の実施



(1) 新しい学習指導要領について

 新しい学習指導要領は,平成14年度から実施される完全学校週5日制の下,ゆとりの中で特色ある教育を展開し,子どもたちに学習指導要領に示す基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせ,それを基にして豊かな人間性や自ら学び自ら考える力などの「生きる力」を育成することを基本的なねらいとして,次の4つの方針に基づいて改訂を行いました。

{1} 豊かな人間性や社会性,国際社会に生きる日本人としての自覚を育成すること
{2} 自ら学び,自ら考える力を育成すること
{3} ゆとりのある教育を展開する中で,基礎・基本の確実な定着を図り,個性を生かす教育を充実すること
{4} 各学校が創意工夫を生かし特色ある教育,特色ある学校づくりを進めること

 これらの方針に基づき,次のような改善を図りました。

{1} 道徳教育の充実

 幼稚園や小学校低学年では,基本的なしつけや善悪の判断などについて繰り返し指導し徹底を図るとともに,ボランティア体験や自然体験などの体験活動を生かした学習を充実しました。

{2} 国際化への対応

 中学校及び高等学校で外国語を必修とし,話す聞く教育に重点を置きました。小学校でも「総合的な学習の時間」などにおいて英会話などを実施できるようにしました。

{3} 情報化への対応

 中学校の技術・家庭科で情報に関する基礎的な内容を必修としました。高等学校では教科「情報」を新設し必修としました。

{4} 体育・健康教育

 生涯にわたって運動に親しみ基礎的体力を高めることを重視しました。また,心の健康,望ましい食習慣の形成,生活習慣病の予防,薬物乱用防止などの課題に適切に対応するよう内容を構成しました。

{5} 「総合的な学習の時間」の創設

 各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開し,国際理解,情報,環境,福祉・健康など横断的・総合的な学習や児童・生徒の興味・関心に基づく学習などを実施できるよう「総合的な学習の時間」を創設しました。

{6} 教育内容の厳選

 小学校及び中学校において,児童生徒にとって高度になりがちな内容などを削減したり,上級学校に移行統合したりなどして,授業時数の縮減以上に教育内容を厳選しました。

{7} 選択学習の幅の拡大

 中学校における選択教科に充てる授業時数の拡大や,高等学校における必修科目の最低合計単位数の縮減(38単位(普通科)→31単位)など選択学習の幅を一層拡大し,個性の伸長を図ることとしました。

{8} 授業時数の縮減

 年間授業時数は,現行より年間70単位時間(週当たり2単位時間)削減しました。

{9} 高等学校の卒業単位数の縮減

 高等学校の卒業に必要な修得総単位数は現行の80単位以上を74単位以上に縮減しました。

{10} 各学校の創意工夫を生かした教育の推進

 理科の実験の授業は60分で行うなど授業の1単位時間は各学校が定めることとしました。

 また,コンピュータの授業は第1学期に集中して行うなど特定の期間に授業を行うことができるようにしました。

 小学校及び中学校において,教科の特質に応じ目標や内容を複数学年まとめて示し,2学年間を見通した弾力的な指導が行われるようにしました。

 高等学校において,学習指導要領で定める教科・科目以外にも,各学校で独自に学校設定教科・科目を開設できるようにしました。

 新しい学習指導要領は,幼稚園については平成12年度から全面実施し,小学校及び中学校については14年度から全面実施し,高等学校については15年度から学年進行で実施することとしています。また,盲学校,聾(ろう)学校及び養護学校については,幼稚園,小学校,中学校,高等学校の各学校段階に準じて実施することとしています。


(2) 新しい学習指導要領のねらいの実現のための諸施策

 文部科学省では,(1)で述べた新しい学習指導要領のねらいを実現するため,以下のような施策を行っています。

{1} 新しい学習指導要領の趣旨の普及

(ア) パンフレットの作成

 教育関係者,保護者,社会教育関係者,企業関係者をはじめ広く国民の理解と協力を得るため,新しい学習指導要領の趣旨をわかりやすく解説したパンフレットを平成11年4月より作成・配布しており,本年は全国の教員向けに新しいパンフレットを作成・配布することとしています。

(イ) 新教育課程説明会

 各都道府県教育委員会等の指導主事,教員を対象に,新しい学習指導要領の趣旨や内容等の説明を行う「新教育課程説明会」を11年度から開催しており,新しい学習指導要領の実施の前年度まで計画的に開催することとしています。

(ウ) 新教育課程理解推進事業

 平成11年度からは「新教育課程理解推進事業」を開始し,日本PTA全国協議会との密接な連携の下,保護者,社会教育関係者,企業関係者などが集う「新教育課程フォーラム」を開催(12年度は山梨・熊本)している他,教員養成系大学と協力して,大学の教官,地元の教員などの教育関係者を対象に,新しい学習指導要領の趣旨の周知を図る研究協議会を,全国9ブロックに分けて開催しています。

{2} 各学校における取組への支援

 新しい学習指導要領の趣旨の実現のためには,子どもたち一人一人の個性に応じた教育を実現することが重要です。文部科学省では,こうした各学校における個に応じた指導への取組を推進する観点から,少人数指導によるきめ細かな教育を可能とするために教職員定数を改善するとともに,発展的・補充的な学習を行う際の参考となる事例集を作成することとしています。


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