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第2部   文教・科学技術施策の動向と展開
第1章  生涯学習時代の社会教育の活性化に向けて
第4節  社会教育の充実・活性化と諸条件の整備
3  公民館等社会教育施設の活性化・高機能化


 社会教育施設は,人々の学習活動の拠点となる施設であり,公民館をはじめ,図書館,博物館,青少年教育施設,女性教育施設,視聴覚センターなどがあります( 図2-1-4 )。また,最近は,生涯学習推進センターなどの名称で各都道府県に総合的な社会教育施設を設けて,人々の学習要求にこたえている例が増えています。

■図2-1-4■社会教育施設数の推移

■図2-1-5■社会教育施設利用者数の推移

 文部科学省では,平成9年度から,人々の多様で高度な学習要求に的確に対応するため,社会教育施設において質の高い学習活動が可能となるよう設備の整備に必要な経費の助成を行っています。

 また,社会教育施設を中心に地域における課題や学習要求などに応じた新しい事業を独自に企画・開発し,生涯学習の一層の活性化を図る「地域社会教育活動総合事業」に対して助成を行っています。

 さらに,平成13年1月から14年3月までの期間において,高齢者を含め全ての国民がIT基礎技能を習得できるようにすることを目指して,文部科学省では総務省と連携し,公民館をはじめとする社会教育施設等及び学校施設においてIT基礎技能講習を実施しています。このIT技能講習を円滑に実施するため,全国の公民館,図書館等約7,000箇所の社会教育施設等にパソコン等IT環境の整備に必要な経費の助成を行いました。


(1) 公民館

 公民館は地域における最も身近な学習拠点であり,交流の場として重要な役割を果たしており,平成11年10月現在,全国の公民館数は1万8,257館となっています。

 公民館においては趣味や教養に関する講座,家庭教育などの現代的課題に関する講座が開設されており,住民の学習ニーズや地域の実情に応じた多様な学習機会の提供を行っています。さらに,今後は地域住民の学習成果を生かす場としての機能を果たすことや学習情報の提供機能,学習相談の機能を持つことも期待されています。

 このため文部科学省では,平成12年度から公民館を中心としてNPO(民間非営利組織)と連携したまちづくりに関する各種事業の展開を支援するとともに,公民館を「家庭教育学習の拠点」と位置付け,公民館での家庭教育学習に関する事業を支援しています。また,平成11年度より衛星通信を利用して大学等の多様な公開講座を公民館等に提供する実践的な調査研究事業を行っています。平成12年11月の生涯学習審議会答申では,公民館等を活用した集合学習方式を前提として,このような講座を全国に提供するシステムの構築が提言されています。


(2) 図書館

 図書館は,住民の身近にあって,人々の学習に必要な図書や資料情報を収集し・整理し,提供する施設です。平成11年10月現在の図書館数は,公立図書館が2,562館,私立図書館が31館となっています。なお, 図2-1-6 に示すとおり,図書館数,図書の貸出冊数及び利用者数については,着実な伸びを示しています。

■図2-1-6■公共図書館数の推移

 文部科学省では,時代の要請に対応した公立図書館の健全な発達を図るため,平成13年7月,図書館法第18条に基づく「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」を定めました。この基準では,今後,公立図書館は,情報通信技術の活用,国際化・高齢化への対応,子どもの読書活動の振興,ボランティア活動の推進などによる図書館サービスの充実に努めるとともに,公立図書館がこれらを踏まえた図書館サービスの実施に関し,自己点検や評価に努めることなどを提示しています。また,情報通信技術の急速な進展を踏まえ,各公立図書館が地域電子図書館機能を整備する上で指針として活用できるよう,12年12月,「2005年の図書館像〜地域電子図書館の実現に向けて〜」を取りまとめました。さらに,移動図書館の整備,点訳本作成機・拡大読書器などの設備の整備に対し助成するとともに,新任図書館長を対象とした研修や中堅の司書を対象とした地区別研修を実施するなど,図書館振興施策の一層の充実を図っています。


(3) 博物館

 博物館は,実物資料を通して人々の学習活動を支援する社会教育施設として重要な役割を果たしています。平成11年10月現在,都道府県教育委員会の登録を受けた博物館が769館,博物館に相当する施設として文部科学大臣又は都道府県教育委員会の指定を受けた施設が276館,博物館と類似の事業を行う施設が4,064館あります。近年,地方公共団体では,地域の特性を生かした各種の博物館の整備が進められていますが,展示や教育普及活動の一層の充実を図っていく必要があります。

 このため,文部科学省では,科学系博物館の機能の充実と有効活用の促進を図るため,博物館と学校,関係機関などが連携協力して,多様な事業をモデル的に実施しその成果を普及する事業や,ハンズ・オン(自ら見て,触って,試して,考えること)を導入した参加体験型の展示や活動に対する支援を行っています。さらに,平成13年度からは博物館運営の活性化・効率化を図るための調査研究を実施し,評価に関する指針の策定及びその普及を図ることとしています。

 私立博物館に対しては,その整備充実を図るため,日本政策投資銀行による低利融資制度が設けられています。さらに,平成9年度の税制改正において,登録博物館の設置運営を主な目的とする民法法人が特定公益増進法人として税制上の特例措置の対象とされました。

 また,博物館の活動の充実を図るためには学芸員など博物館職員の資質の向上が重要であることから,指導的立場にある学芸員など専門職員を対象に海外の中核的な博物館に長期派遣研修を行う「博物館学芸員等専門研修」を実施しているほか,全国博物館館長会議を開催し,博物館活動の振興のための諸課題について協議するなど様々な研修・会議の場を設けています。

マイアサウラの親子(手前・一部実物標本)とタルボサウルス(奥)(独立行政法人国立科学博物館)

新館たんけん広場のエアバスケットで遊ぶ子ども(独立行政法人国立科学博物館)

 国立科学博物館は,我が国唯一の国立の総合科学博物館として,自然科学などに関する資料を収集・保管し調査研究を行うとともに,展示活動や教育普及活動を積極的に行っていますが,平成13年4月から独立行政法人となり,その制度の特長を生かし,国民に対するより一層のサービス向上に努めています。

 同館では,新館2期工事を引き続き進めるとともに,所蔵の標本資料・研究情報のデータベース化と,それらを基盤とした総合的な博物館情報システムの構築を進めており,順次インターネット上で公開しています。

 教育普及事業では,青少年や家族などを対象とした科学教室や野外観察会,博物館職員を対象とした専門研修,理科担当教員研修など,種々の事業を実施しています。また,教育ボランティアが教育普及活動や入館者の指導助言などに活躍しており,その資質向上を図る研修も実施しています。


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