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第1部   21世紀の教育改革
  教育改革Q&A
  Q15


QUESTION
 産学連携により,大学の優れた研究成果の円滑な社会還元を図っていくことが重要だと思いますが,どのような取組が行われているのでしょうか。

ANSWER
 大学と企業等とが連携・協力し,大学から生まれる優れた研究成果を社会に還元していくことは,我が国経済の活性化に貢献するとともに,大学にとっても学術研究・科学技術の進展につながるなど,大変重要なものであると考えております。  そのため,技術移転機関(TLO)の設立等の支援など,様々な制度等の整備・改善や事業に取り組んできています。  さらに,現在,科学技術・学術審議会の下に設けられた産学官連携推進委員会において,産学連携を一層強化するための方策について検討しているところです。

 21世紀において,「知」の創造と活用を図る社会的環境を整備することが,国の競争力の向上と豊かで潤いのある社会の実現のための鍵とされています。産学官の連携・交流はそのための有効なシステムであり,大学の研究成果を社会に還元するとともに,学外からの新鮮な知的刺激を通じて学術研究における新しい芽の発見や新たな展開につながることから極めて有意義と考えられます。

 文部科学省では,産学官連携を推進するために,近年以下のような制度等の改善・整備を行っています。

【企業等との共同研究等の推進】

 国立大学等が企業等から共同研究費や受託研究費を受け入れる場合,従来は各年度ごとに契約を結んできましたが,平成12年4月に施行されました産業技術力強化法などを受けて,複数年度に渡る契約を結ぶことができるようになりました。また,企業等が委託研究費等を支出する際に必要とされていました研究費の使途区分を廃止しました。これらにより,研究計画の変更にも柔軟に対応することができるようになり,研究費が使いやすくなりました。

 さらに,平成13年度から,企業との共同研究等に従事する非常勤職員に対して,大学の判断により,能力に見合った給与を一定の範囲内で支給できるようになりました。これによって即戦力として活躍できるような優秀な人材を確保し,企業との共同研究等を効率よく遂行できるようになりました。

【技術移転機関(TLO)の設立等の支援】

 TLOは,研究者の発明を特許化し,特許を実施する企業を探し,その実施料収入の一部を研究者や大学に環流する組織です。TLOは,大学の研究成果の企業への効率的な移転を促進することにより,大学における研究活動の活性化や新規事業の創出を図ることなどを目的としています。「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づき,文部科学大臣と経済産業大臣による承認を受けると,助成金の交付や債務保証,特許料の軽減などの支援があり,平成13年8月現在23機関が承認を受けて活動しています。

【国有特許等の円滑な譲渡等】

 大学から産業界への技術移転を促進する上で,大学における特許等の帰属・管理・活用の仕組みについて改善すべき点を整理するために,平成12年7月から「今後の産学連携の在り方に関する調査研究協力者会議」が開催され,同年12月には,「審議の概要」が取りまとめられました。これを受けて,国に帰属する「特許を受ける権利」や「共有に係る特許権」の譲渡等を促進するため,共同研究における相手方企業やTLOなど随意契約による取扱いの範囲を整理し,通知により各国立大学等へ周知しました。

 また,現在,科学技術・学術審議会技術・研究基盤部会の下に設けた産学官連携推進委員会において,大学等公的研究機関の研究開発成果と産業界の企業化ニーズが相互に刺激しつつ連鎖的に技術革新やこれに伴う新産業の創出を起こす産学官連携システムの在り方について,検討を進めているところです。

 平成13年7月に公表された当委員会の中間取りまとめにおいては,我が国において大学を核とする総合的な産学官連携システムを構築するために,

{1} ニーズに対応した研究開発の推進等

 産学官連携の成果を上げるためには,研究に着手する段階から経済・社会ニーズを意識する必要がある。また,産学官関係者の日常的な情報交換や問題意識の共有などが重要である。

{2} 研究成果の効果的な社会還元の推進

 大学等の研究成果の効果的な社会還元を図るためには,大学等における特許等知的所有権政策・方針の確立と技術移転システムの整備が必要である。また,兼業可能範囲の明確化と円滑な運用等によって意欲的な個人が活躍できる環境整備も重要である。

{3} 大学等発ベンチャーの支援・育成

 大学等にベンチャー企業等の孵化機能を加え,大学等の技術シーズや人的資源等を基にした起業が生まれる環境を醸成することが,大学等の研究成果の社会還元を進める直接的な施策として有効である。

{4} 産学官連携を支える組織の強化と人材の育成

 産学官連携を進めるため,大学等において,産学官連携を推進する組織を整備するとともに,コーディネーターなど産学官連携に関わる専門的人材の育成・確保が必要である。

以上四つの方策があげられています。

 文部科学省では,これらの指摘を踏まえて,産学連携をより一層推進していく施策を実施していきます。


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