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第1部   21世紀の教育改革
第8章  諸外国における教育改革
第2節  教育改革の具体的展開
1  生涯学習


 生涯学習はどの国にとっても重要な政策課題ですが,我が国と同様,生涯学習を教育改革の柱に据えて積極的に推進している国はイギリスと韓国です。

 イギリスは,労働党政府が1998年2月「学習の時代を拓(ひら)く」と題する政策文書を発表し,「学習こそは個人と国との両者の繁栄の鍵(かぎ)を握るもの」という観点から,義務教育後の継続教育,高等教育及び成人教育を通じた学習機会の拡大のための施策を提案しました。

 また韓国でも1995年5月大統領の諮問機関が教育改革の基本方針である「新教育体制樹立のための教育改革案」を報告しましたが,この中で「開かれた学習社会,生涯学習社会の基盤整備」を目標とし,様々な学習歴を単位として認定し,その累積によって学位や資格を与える「単位銀行制度」や学習情報の提供,遠隔教育の支援を行う「国家マルチメディア教育支援センター」の設置を掲げ,政府はこれを実現しています。

 このような国を含め,特に学校教育を離れた成人の学習機会をどのように保障していくかは多くの国の重要課題となっています。欧米諸国では,イギリスの成人教育センター,ドイツの成人大学のように趣味・教養型の学習機会がないわけではありませんが,失業対策や高い技能を持った労働者養成のための職業教育・訓練に重点が置かれています。アメリカのコミュニティカレッジは教養型の教育も提供しますが,職業教育の面で最近重要な役割を果たしており,また失業者を対象にした各州による教育訓練も広がっています。フランスの高校中退者のための教育を行う「セカンド・チャンス・スクール」もこうした施策の一つと見られます。イギリスの生涯学習政策も,国際競争力向上に貢献する労働力養成という明確な意図を持って展開されています。

 また,最近の生涯学習政策に関連して,情報通信技術(IT)を活用した遠隔教育の振興が注目されます。我が国では高等教育改革の一環である「社会人キャリアアップ100万人計画」で,e-ユニバーシティやサテライトキャンパスが提起されていますが,イギリスでも「e-ユニバーシティ」構想が,2000年2月,政府より発表され,推進されつつあります。これは,既存の大学の学習プログラムをインターネットで配信するシステムで,国内のみならず,国外でもイギリスの学位が取得可能になります。こうしたインターネット大学は,アメリカをはじめ,フランスやドイツでも広がりつつあり,キャンパスを持つ正規の大学の普及が遅れている中国でも実験的に進められています。


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