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第1部   21世紀の教育改革
第4章  新しい時代に対応した学校づくり
第2節  教員の資質能力の向上に向けて
3  新たな展開に向けて



(1) 長期社会体験研修の拡充

 教員も社会の一員であることに変わりはありません。特に,今日のように社会の変化が激しい時代にあって,教員は,幅広い視野を持つことが求められています。

 長期社会体験研修は,このような観点から,教員を民間企業,社会福祉施設,社会教育施設等の学校以外の施設等へおおむね1か月から1年程度の長期間にわたり派遣して行われる研修で,近年,全国で盛んに行われるようになってきています。

 文部科学省では,平成13年度から各教育委員会の取組を支援することにより,教員の長期社会体験研修の拡充を図っています。


(2) 大学院修学休業制度

 平成13年4月には,教員の自主的・主体的研修活動を支援するために創設された大学院修学休業制度の運用が開始されました。この制度の活用により,国公立学校の教員が,一定の期間休業し,教職経験を通じて培った自らの課題意識をもとに大学院で学修することが可能となりました。


(3) 指導力不足教員等への対応

 教員に優れた資質能力を有する適格者を確保するためには,児童生徒との適切な関係を築くことができない等指導力が不足している教員について適切な措置を講じることが必要です。

 このため,文部科学省では,{1}指導力不足教員に対応する人事管理システム作りを促進するための調査研究事業を,都道府県・指定都市教育委員会へ委嘱して実施するとともに,{2}児童生徒への指導が不適切な市町村立の小・中学校等の教員を,都道府県の教員以外の職に転職させることができるようにするため,平成13年6月に,「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」を一部を改正したところです(平成14年1月施行)。

■体験研修に行って来ました!

 静岡県沼津市立の小学校のY先生は,約4ヶ月の間,民間企業長期体験研修として,食品物流事業などを行うA会社に派遣されました。Y先生はA会社で会社概要や事業計画などの基礎的な業務知識について研修を受けた後,実際に商品管理,配送,営業活動などを行わせてもらったそうです。

 普段の「小学校の先生」としての仕事とは全く異なる仕事に従事して,様々な新たな経験を積んだというY先生は,研修を終えて,次のように述べています。

 「民間企業に行って思ったことは,会社は常に変革を求めている,ということ。時代を読みとる目と斬新なアイディア,会社発展に賭ける情熱など,学校は見習うべきものが多い。また,企業では責任やチームワークが重視されている。仕事上のミスや不成績は厳しく追及され,またその一方で,それを挽回するためにチームが一丸となって働く。教師は子どもたちに「責任感を持て」「協力しなさい」と言うが,教師自身は,本当に目的意識をもって責任感を持ち,協力しているのか,反省すべきだと思った。この経験を是非教育にいかしていきたい。」

 また,埼玉県の蕨市立の中学校のM先生は,3ヶ月間の間,身体障害者療護施設であるS園で入園者援助に携わりました。この研修に参加することによって,教員として,一人の人間として幅広い社会的視野や豊かな人間性を身につけたいといっていたM先生は,研修を終えて次のように述べています。

 「施設では,入園者が少しでも生活しやすくするための方策を一人一人が考え,そのための情報収集をすごく一所懸命にやっていました。職員と入園者の間には互いに一人の人間として尊重し,信頼し合う関係ができているのを見て,学校生活においても,教師・生徒が信頼しあう場がいかに大切かを再認識させられました。そのような場を作るためにはこの施設の方々のように接する相手を尊重する姿勢が必要であり,様々な努力も必要ということですね。」


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