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第1部   21世紀の教育改革
第4章  新しい時代に対応した学校づくり
第1節  新しい時代に対応した教育体制の実現
2  学校の自主性・自律性の確立


 学校が保護者や地域住民の信頼にこたえ,子どもや地域の実情に応じ,校長のリーダーシップのもと,創意工夫を生かした特色ある教育を行うためには,学校を地域に開かれたものとし,その裁量を拡大し,学校の自主性・自律性を確立することが重要です。


(1) 地域に開かれた学校づくりと学校の自己評価システムの確立

 学校が地域に開かれ,家庭や地域と一体となって子どもを育てていくためには,学校の教育目標や具体的な教育計画,活動状況などを保護者や地域住民に説明するとともに,その達成状況等に関する自己評価を実施し,保護者や地域住民に説明するなど,学校としての説明責任を果たすための取組が求められます。

 こうしたことは,平成12年12月の教育改革国民会議報告でも提言されており,文部科学省としては,「21世紀教育新生プラン」において,学校評議員制度の導入や学校の自己評価システムの確立など,地域の信頼に応え,開かれた学校づくりを促進していくこととしています。

 学校評議員制度は,校長が学校運営に関し,保護者や地域住民の意見を聞くことができる仕組みとして平成12年4月から制度化されたものであり,13年4月現在で,学校評議員やそれに類似するものを設置済み又は設置を決定したところが,都道府県・政令指定都市で約9割,市町村で約4割となっています。

 学校評議員を導入することにより,各学校で学校評議員等に対し,教育目標や計画,教育活動の状況等を説明する機会が増えるとともに,その意向を的確に把握し,学校づくりに生かしていくことができるようになります。また,総合的な学習の時間や体験学習,学校行事,部活動をはじめ様々な活動を,保護者や地域住民の理解と協力を得ながら一層活発に展開できるようになるものと考えられます。とりわけ,青少年による事件への対策として,学校と家庭や地域との連絡連携の必要性が強く求められていますが,学校評議員は,そのための一つの方策となるものです。本制度の活用により,学校に対する信頼を高め,学校が家庭や地域と力を合わせて,地域全体で子どもの成長を支えていく取組が望まれます。

 また,学校の自己評価については,各学校において,学校運営や教育活動の評価を行い,評価結果の公表等を通じて,保護者や地域住民に対する説明責任を果たすとともに,学校運営や教育活動の改善を行うこととなるよう,平成13年度中に省令等において自己評価に関する規定の整備を進めることとしています。


(2) 学校の裁量の拡大

 学校の裁量を拡大し,子どもや地域の実情に応じた特色ある教育活動を行えるようにするためには,各教育委員会において,学校と教育委員会の関係を定めている学校管理規則を見直し,これまで教育委員会の承認を必要としていたものを届出に改めるなどの取組を行うことが期待されます。平成13年4月現在では,都道府県のうち31団体でこうした改正が行われています。

 また,学校予算の在り方についても,校長の裁量によって執行できる,いわゆる校長裁量経費の措置や,予算編成に際してヒアリングを行うなどできるだけ学校の意向が反映されるようにすることが望まれます。

 文部科学省としても,教育課程について「総合的な学習の時間」の創設や選択学習の幅の拡大など,基準の大綱化・弾力化を図っています。

 また,平成13年6月に地方教育行政の組織及び運営に関する法律を改正し,県費負担教職員の人事について,校長の意見がより一層反映されるよう,市町村教育委員会が都道府県教育委員会に対し内申を行う場合,校長からの意見の申出があったときは,その意見を付するものとする制度改正を行ったところです。文部科学省としては,今後とも,学校の裁量の拡大に向けて取り組んでいくこととしています。

■校長裁量経費を設けている実例

○秋田県教育委員会 「ふるさとドリームアップ事業」

 児童生徒の夢や主体的な活動を一層はぐくみ,平成14年度から完全実施される総合的な学習の時間の活動を支援し,心豊かで,実践力に富んだ児童生徒を育成するため,平成11年度から実施。各学校では,本事業と総合的な学習の時間との関連を図り,見学や調査,ものづくりや生産活動など,体験的,問題解決的な学習に発展させる取組が推進されている。

〈対象校〉県内の公私立小中学校,特殊教育諸学校

〈1校当たり予算額〉約50万円(各学校の申請に基づき決定)

〈主な取組内容〉

・飼育・栽培に関する事業
・ものづくりに関する事業
・自然体験活動に関する事業
・伝統芸能に関する事業

○高知県教育委員会 「21ハイスクールプラン推進事業」「スクール・プランニング推進事業」

 生徒一人一人の個性や学校・地域社会の特性を生かした自主的,創造的な取組を通じ,教育活動の特色化,活性化を推進するため,土佐の教育改革として平成12年度より実施。この事業は,学校長のリーダーシップの発揮,学校の自主的な取組意識の向上など,学校運営の改善に資するものである。

〈対象校〉県内の県立高等学校,特殊教育諸学校

〈1校当たり予算額〉50万〜650万円(各学校の申請に基づき決定)

〈主な取組内容〉

・ものづくりに関する事業
・大学と連携した進路指導に関する事業
・国際理解教育の推進に関する事業
・開かれた学校づくりに関する事業

(3) 社会人や地域住民の学校教育への参加の促進

 幅広い経験を持ち,優れた知識や技術等を有する社会人や地域住民が様々な形で学校教育に参加することは,社会に開かれた学校づくりを推進するために,また,学校教育の多様化・活性化を図るために,極めて重要であり,社会人や地域住民の学校教育への参加を促進する観点から,次のような施策が講じられています。

{1} 社会人講師の活用(特別非常勤講師制度等)

 優れた知識や経験等を有する社会人や地域住民が,教員免許状を有しなくとも,都道府県教育委員会への届出により,教科の領域の一部等(小中高については全ての教科で可能)を担当し,教壇に立つことができる制度で,平成12年度現在,この制度の活用件数が全国で11,607件となっています。更に,学校関係者と地域の経済団体等との組織的な連携協力を図り,特別非常勤講師制度の一層の活用を促進する観点から,文部科学省では,平成13年度から「学校と社会の相互交流事業」を実施しています。また,これらの施策と合わせて,文部科学省では,平成13年度補正予算による「緊急地域雇用創出特別交付金」を活用することなどにより,今後3年間で約5万人の社会人を,教員が行う教科指導等を支援する者として全国の学校に導入することを目標とする「学校いきいきプラン」を推進することとしています。更に,地域住民が学校の学習指導を支援していこうとする動きも見られます。

■図1-4-1■特別非常勤講師の活用状況

■図1-4-2■特別非常勤講師による具体的な教授内容の例(平成12年度)

{2} 民間人の校長等への登用

 校長・教頭に幅広く優れた人材を確保できるよう,平成12年度から教員免許状がなくても一定の要件を満たせば校長・教頭になることができるように資格要件の緩和を行い,その結果,平成13年7月現在,6名の民間人の校長が任命されました。

■図1-4-3■「民間人」校長が任用されている例

■地域ぐるみで学習指導を支援する例

〜東京都三鷹市立三鷹第四小学校「学習アドバイザー制度」〜

 三鷹第4小学校では,子どもたちが楽しく学び,健やかに成長することのできる心と体の居場所としての学校づくりを目指し,地域の人々と一緒に,よりよい地域社会をつくっていく学校「夢育学び舎」構想に取組んでいます。

 「夢育学び舎」構想は,色々な人々とふれあうことができ,さまざまな体験を積み重ねることができる学舎融合の新しい「コミュニティスクール」を目指しています。

 同校には,地域専門家(CT)及び学習支援者(SA)として,100名以上の地域の人が教育ボランティアとして登録し,いろいろな教科の授業で指導のお手伝いをし,活躍しており,子どもたちの夢を育む助けをしています。

〜木更津市「学校支援ボランティア」〜

 木更津市では,学校の教育活動について地域の教育力を生かすため,また,「開かれた学校」の実現を目指して,保護者及び地域の人材にボランティアとして学校を支援(お手伝い)していただく学校支援ボランティア制度を平成10年度から開始しました。

 現在,学校支援ボランティアの方々には,校庭の草刈りや図書整理などの「環境整備支援」や,教科指導やクラブ活動などに参加して教師をバックアップする「教育活動支援」をお願いしています。

 このような学校支援ボランティアの活動は全国各地で広まりつつあり,木更津市では,学校支援ボランティアの一層の充実を図るため,学校支援ボランティア同志の意見交流や学校支援ボランティア活動を中心とする特色ある取組を発表する機会として「全国学校支援ボランティア・サミットin木更津2001」を平成13年8月に開催しました。



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