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第1部   21世紀の教育改革
第1章  21世紀の教育改革の基本的な考え方
第2節  教育改革の視点
1  人間性豊かな日本人を育成する


 子どもの社会性を育み,自立を促し,人間性豊かな日本人を育成する上で,学校,家庭,地域が連携して子どもの心を育てることが重要です。特に,子どもに学校内外で社会奉仕体験活動をはじめ多様な体験活動の機会を提供していくことは,

{1} 他人に共感し思いやりの心を育む
{2} 自分が大切な存在であると実感する
{3} 青少年が社会に参画していこうとする意識を育てる

など,子どもの豊かな心を育てることの鍵となるとともに,学校,家庭,地域の連携を活性化することにも寄与しています。更に,社会との関わりを重視した体験活動は,学ぶ意欲を高め,生きる力を育む原動力となるものです。

 平成10年度に文部省(当時)が実施した「子どもの体験活動等に関するアンケート調査」によれば,生活体験・自然体験が豊富な子どもほど,また,お手伝いをする子どもほど,道徳感・正義感が身に付いている傾向にあるということが明らかになっています。また,兵庫県で行われている「トライやるウイーク」では,地域社会の協力を得て,県内の全公立中学生に対して,地域で様々な体験活動を行う機会を提供していますが,こうした取組を通じて,学校,家庭,地域相互の理解や協力が深まったとの報告があります。

 学校においては,地域や家庭との連携を図りながら,こうした体験活動の充実を図るとともに,道徳教育についても,子どもが自らの生き方について考え,理解を深めることを促すものとなるよう,教材の工夫や外部人材の活用などにより生きた体験を生かした道徳教育の充実に努めていく必要があります。更に,不登校やいじめ,校内暴力などの問題に対し,子どもに対する心のサポートを充実させていく必要があります。

 また,家庭は教育の原点であり,基本的な生活習慣や社会のルールを身につけさせ,思いやりや正義感など基本的な倫理観を育む場であることが必要ですが,残念ながら,しつけの欠如,過保護・過干渉,育児不安など家庭の教育力が低下しているとの指摘があります。こうした課題に対し,親が自信を持って子育てを行えるよう,地域における子育て支援のためのネットワークの充実や家庭教育に関する学習機会を整備するなどの支援施策を講じていく必要があります。

 更に,地域社会では,人間関係の希薄化,大人の規範意識の低下などを背景に地域で子どもの教育を支える機能が低下している中で,地域の教育力を再生し,地域で子どもを育てる環境を整備していくことが求められています。このため,地域全体での子どもに対する多様な奉仕・体験活動の機会の提供,大人が地域で子どもを育てる活動に参加する機会の充実などに取り組んでいく必要があります。

 他方,子どもは,心身の発達途上にあり,判断力,責任感が未熟であるため,メディア上の性・暴力情報をはじめとする有害情報などから子どもを守る取組が重要です。


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