次に、我が国の研究費の状況について、総務省により実施された平成18年「科学技術研究調査」をもとに、使用組織別(注1)に述べることとする。
平成17年度に研究を実施した企業等は約1万8,000社で、産業別で見ると、製造業が75.7パーセントと大部分を占めている。製造業の中では、金属製品工業、機械工業、化学工業などの割合が大きい。
平成17年度における企業等の研究費は、対前年度比で7.4パーセント増の12兆7,458億円で、我が国の研究費総額の71.4パーセントを占めている。
研究費の負担源については企業等の負担が大部分を占めており、政府の負担は1.2パーセントと非常に少ない。
また、企業等から特殊法人・独立行政法人を除いた企業の研究費を資本金階級別に見ると、資本金100億円以上の企業が71.5パーセントを占めており、研究費は大企業に集中している。前年度からの伸び率を見ると、資本金1〜10億円未満の企業が2.3パーセントとなったほかは7パーセント以上の伸び率となっている(第2-1-24表)。
非営利団体の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府負担と民間負担がほぼ等しくなっている。また、研究費総額は、対前年度比で3.7パーセント増の3,098億円で、我が国の研究費総額の1.7パーセントを占めている(第2-1-25図)。
公的機関の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府が大部分を負担しており、民間の負担は1.0パーセントと非常に少ない。
また、公的機関の研究費総額は、対前年度比で7.7パーセント減の1兆3,822億円で、我が国の研究費総額の7.7パーセントを占めている。機関別に見ると、前年度に比べ、非営利団体で微増したほかはすべて減少した(第2-1-25図)。
大学等の平成17年度における研究費の負担源について見ると、政府負担が約5割となっている。また、大学等の研究費総額は、対前年度比で4.1パーセント増の3兆4,074億円で、我が国の研究費総額の19.1パーセントを占めている。
国公私立別、自然科学部門での学問分野別に研究費の推移を見ると、国公私立別では公立大学、私立大学が前年度に比べ引き続き増加しているほか、平成15年より減少していた国立大学で増加に転じている。また、学問分野別では、前年度に比べ、平成15年度より減少していた工学及び前年度に減少に転じた理学がともに増加に転じ、すべての分野で増加となった(第2-1-26図)。