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第2部   科学技術活動の動向
第4章  国際交流の動向
2  二国間協力活動
(2)  その他の国との協力



(1) 韓国との協力

韓国との協力については,昭和43年9月,ソウルで開催された鍋島・金両長官の第1回日韓科学技術大臣会談以来,5回の大臣会談と9回の実務者会議が開催された。現在,同会談を通じ,資源・エネルギー,農林水産,原子力安全,科学技術情報,理工学的分野,環境,防災科学分野などの各分野での協力を行うとともに,両国の各機関間の協力などを行っている。


(2) 中国との協力

中国との協力については,民間サイドにおいて既に活発な協力が行われているが,政府レベルの科学技術協力を促進するため,1979年6月の科学技術会議調査団の中国派遣等を踏まえ,1980年5月に協力の枠組を定める「日中科学技術協力協定」が締結された。

同協定締結後の最初の動きとして,初の中国政府派遣の科学技術管理視察団(団長:童大林中国国家科学技術委員会副主任)が,1980年7月来日し,我が国の研究機関等を視察した。

なお,すでに政府間で具体的な協力が始まった分野としては,1973年からの農業技術関係,1978年からの鉄道技術関係があり,1979年からは,経営管理,医療等の分野における国際協力事業団を通じての技術協力,日本学術振興会と中国科学院との間の覚書に基ずく学術分野における研究者の交流が行われている。


(3) インドネシアとの協力

インドネシアは,石油,木材,ゴム等資源の豊富な国であるが,これらの資源を社会・経済の発展に有効に利用するためには,科学技術の振興が必要不可欠との認識を持っており,米,西独及び仏に加え,我が国との科学技術協力を一層促進したいとしている。1981年1月,鈴木総理大臣の訪「インドネシア」を期に,両国間の科学技術協力を一層促進することを目的とし,かかる協力の枠組みを定める「日本・インドネシア科学技術協力協定」が締結された。


(4) 東欧諸国との協力

近年,東欧諸国からの我が国に対する科学技術協力の要請は強く,ルーマニアとの間で,1975年4月に科学技術協力取極を締結したのを始めとして,1977年11月ドイツ民主共和国,1978年8月ブルガリア,1978年11月チェッコスロヴァキア及びポーランド,1979年5月ハンガリーとの間で,それぞれ同様な取極ないし協定を締結しており,それぞれ,科学者,研究者等の交流,情報の交換等を中心に徐々に活発な協力を進めてきている。

この他ユーゴスラヴィアからも科学技術協力協定の締結について申し入れがあり,目下外交ルートを通じ交渉が行われている。


(5) 開発途上国との協力

我が国はこれまで,開発プロジェクトに関する協力,訓練指導に関する協力,研究協力などを通じて開発途上国の科学技術能力の向上に寄与してきた。しかし,諸外国の協力実績に比較すると,我が国はこれらの分野における協力をより一層強化すべき状況に置かれている。

まず,技術協力の実績を資金面から見ると,1979年における我が国の技術協力総額は530億14百万円であり,1978年の465億50百万円に比べ,13.9%,64億64百万円と大幅な増加を示した (第2-4-2図)

しかし,政府開発援助に占める二国間技術協力額の比率は,1979年で経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)諸国平均の20.9%に比べ我が国は9.2%にすぎない (第2-4-3図) 。また,DAC諸国における二国間技術協力額を見ても,1979年で我が国は全体の5.2%とフランス(35.8%),西ドイツ(17.9%),米国(12.7%),イギリス(8.4%)に比べて一段と低い状況にある (第2-4-4図)

第2-4-2図 我が国の二国間技術協力実績の推移

次に,技術協力を態様別に見ると,まず,開発プロジェクトに関する技術協力は政府ベース,民間ベースでそれぞれ行われており,政府ベースでは,外務省交付金により国際協力事業団が行う開発調査事業(鉱工業,電力部門を除く),開発協力事業,産業開発協力事業,農林業協力事業など,通商産業省委託費により国際協力事業団,金属鉱業事業団が行う海外開発計画調査事業及び資源開発協力基礎調査事業があるほか,関係官庁が(財)国際開発センターへ委託して行う総合開発計画調査がある。また,民間ベースでは,純民間活動として行う技術協力的事業のほか,通商産業省の補助により(社)日本プラント協会が行う海外中小企業技術協力事業,同じく通商産業省の補助により(社)海外コンサルティング企業協会が行う海外コンサルティング振興事業,建設省の委託により(社)国際建設技術協会が行う海外建設計画事前調査事業及び海外建設技術開発事業,運輸省の補助により(社)海外運輸コンサルタンツ協会が行う運輸に関する海外技術協力振興調査事業,郵政省の補助により(財)海外通信・放送コンサルティング協力が行う海外通信計画調査事業などがある。

第2-4-3図 経済協力開発機構開発援助委員会(DAC)加盟国の二国間技術協力額の政府開発援助額に占める割合

第2-4-4図 DAC加盟国の二国間技術協力額対比(1979年)

訓練指導に関する技術協力は,政府ベースについては外務省の交付金により国際協力事業団が中核となって研修員の受入れ,専門家の派遣,海外技術協カセンター事業,機材供与事業などにより実施されている。民間ベースについては,各種の団体において研修生の受入れ,専門家の派遣に限らずそれぞれの特徴を生かした協力が行われている (第2-4-1表)

第2-4-1表 訓練指導に関する主な民間技術協力団体

第2-4-5図 地域別技術協力実績比率

次に,政府ベース技術協力の地域別実績比率についてみると,1979年には,アジア地域が全体の49.4%(前年48.6%)と圧倒的に大きく,次いで中南米地域が18.4%(前年18.8%),アフリカ地域が11.0%(前年10.6%),中近東地域が10.2%(前年10.5%)となっている (第2-4-5図)

開発途上国との協力にあっては開発途上国の実情に適した技術が開発されることが必要であるが,これには,研究開発支出が少なく,人材の不十分な開発途上国にとって大きな困難が伴うものである。したがって,ピアソン報告,第3次国連開発の10年のための国際開発戦略などにおいて指摘されているように,先進国が開発途上国と協力して,開発途上国の国情,ニーズに合った技術の改良,新技術の開発あるいは研究開発の推進を目的とする研究協力(国際的には広い意味での技術協力の一分野として取り扱われている。)を推進することが必要である。このため,農林水産省では1970年に熱帯農業研究センターを開設して,熱帯及び亜熱帯地域における農林畜産業に関する研究協力を実施している。通商産業省工業技術院においても,1973年度から傘下の試験研究機関を活用して,開発途上国に対する鉱工業技術分野での研究協力を中心とした国際産業技術研究事業を行っている。1976年度からは,科学技術庁,文部省(日本学術振興会),建設省においても開発途上国との研究協力を進めている。このほか,日本貿易振興会,新技術開発事業団,(財)特許情報センター,日本商工会議所等でも技術情報の提供,あっせん等に関する活動を行っている。


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