ここからサイトの主なメニューです
前(節)へ  次(節)へ
第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
7  科学技術関係審議会などの活動状況


(1)我が国の科学技術政策は,昭和46年4月に科学技術会議が行った「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」(第5号答申)に基づいて推進されてきたが,エネルギー,食糧などの資源問題,環境,安全問題の深刻化,複雑化,経済成長の鈍化などの経済問題等近年の大きな情勢の変化に対応した新たな科学技術政策を確立することが必要となった。

第21回本会議(昭和51年2月)において,科学技術会議は内閣総理大臣より諮問第6号「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」を受け,総合部会,研究目標部会において審議を重ね,21世紀への長期的展望の下での今後10年間にわたる科学技術政策を取りまとめ,昭和52年5月25日(第22回本会議)に答申を行った。

本答申のねらいは,我が国の社会,経済を取り巻く厳しい制約を克服して,将来の我が国の基盤を確固たるものとするための,今後10年間にわたる国全体の科学技術活動の指針となるべき基本的な計画を確立しようとするものである。

また,本答申は,科学技術とこれをめぐる情勢の変化の分析,更に将来展望を行い,科学技術政策の目標として1)資源制約の克服,2)環境,安全問題の解決など望ましい生活環境の創造,3)国民の健康の維持,増進,4)国際社会との協調及び国際競争力の培養,5)先導的基盤的科学技術の推進,6)基礎科学の振興等を設定するとともに,これらの科学技術政策目標を達成するための具体的施策として1)計画・調整機能の強化,2)研究開発における官・学・民の有機的連携の強化,3)研究開発資金の充実,4)人材の充実,5)基礎科学の振興,6)国民の理解と協力,7)地方における科学技術活動の推進,8)科学技術情報の円滑な流通,9)国際社会における科学技術活動の展開を挙げている。更に,本答申は,上述の科学技術政策の目標と関連した幾多の重要研究開発課題を示している。

また,科学技術会議は,先に同会議の取りまとめた「エネルギー科学技術の推進に関する意見」(昭和51年2月)に従い,かつ第6号答申の趣旨に沿って,エネルギー研究開発の着実かつ効率的な推進を図るため,内閣総理大臣より諮問第7号「エネルギー研究開発基本計画!こついて」を受け,53年5〜6月ごろまでに答申することを目途として,エネルギー科学技術部会において審議を行うこととしている。

(2)原子力委員会は,原子力開発利用に係る各種重要事項について専門部会,懇談会等を設置して審議を行っているが,昭和51年度には,新型動力炉開発専門部会が廃止され,新たに核物質防護専門部会が設置された。また,再処理施設安全審査専門部会は廃止され,新たに再処理を含む核燃料全般についての安全審査を行う核燃料安全専門審査会が設置された。更に原子力に係る安全確保体制を強化するため,総理府の付属機関として,安全の確保に関する事項を所掌する原子力安全委員会を設置することを決定した。

(1)原子力開発利用長期計画は昭和47年6月に改訂され,以来,これに基づき関係各界の緊密な協力のもとに,我が国の原子力開発利用の推進が図られてきた。

前回の計画改訂から約5カ年を経過したが,この間我が国における原子力開発利用をめぐる内外情勢は大きく変化し,現計画の中には我が国の原子力開発利用を推進する上での指針として必ずしも実態にそぐわない面も見られるに至っている。

このため,52年5月に長期計画専門部会を設置し,今後約10年間の原子力の研究開発等の具体的方向について,調査審議し,53年夏頃を目途に原子力開発利用長期計画を改訂することとしている。

(2)軽水炉に続く新型動力炉として,現在,動力炉・核燃料開発事業団において新型転換炉及び高速増殖炉の自主開発が進められており,それぞれ新しい段階に達している。また,海外で開発の進んでいる高温ガス炉などに対する関心も高まっている。こうした内外の技術開発の状況とエネルギー事情,安全確保の要請など経済的社会的諸情勢の変化を踏まえて核燃料サイクルを展望した長期的な動力炉開発について今後の施策の確立を急ぐ必要がある。このため,新型動力炉開発専門部会において約1年間,新型炉開発の進め方について調査審議が行われていたが昭和51年8月,原子力委員会に報告書が提出された。この報告書では,高速増殖炉を将来の原子炉利用系の主軸と位置付け,その開発を積極的に進めるとともに,新型転換炉については技術の蓄積を進めること,多目的高温ガス炉については研究開発を進めることが必要であるとしている。

(3)原子力施設周辺環境の放射能の挙動及びその影響をは握するための調査研究については環境放射能安全研究専門部会において,総合的に調査審議が行われてきたが,昭和51年9月,環境放射能安全研究年次計画を原子力委員会に報告した。本報告書では環境放射能安全研究に関する研究の考え方,52年度から56年度までの研究の年次計画,今後の推進方策等について取りまとめられている。

(4)核物質防護については原子炉等規制法等に基づき所要の規制を講じてきたところであるが,世界的な核物質の取扱量の急速な増大を背景として核物質の盗難防止及び核物質使用施設に対する妨害破壊活動防止に関する内外情勢の変化に対応し,我が国の国情に即した核物質防護の在り方について調査検討を進め,所要の方策の確立を図るため核物質防護専門部会を設置した。

(5)核燃料サイクル関連施設の安全性のうち原子炉施設については,原子炉等規制法により原子力委員会の原子力安全専門審査会が審議を行うこととなっており,また,再処理施設については再処理施設安全審査専門部会において安全審査を行ってきた。

しかしながら,原子力発電の進展に伴い,使用済燃料の輸送及び再処理並びに生成するプルトニウムの利用等の事業が急速に展開する段階を迎え,核燃料サイクル全般に係る総合的な安全対策の確立が必要となっている。このような状況にかんがみ,原子炉施設を除く,核燃料サイクル関連施設について,安全審査を行うため核燃料安全専門審査会を設置し,従来の再処理施設安全審査専門部会を吸収した。

(6)放射性廃棄物対策については,かなり以前から専門部会等で検討が進められてきた。昭和50年7月に設置された放射性廃棄物対策技術専門部会において,海洋処分及び陸地処分等について調査審議が行われてきたが,51年6月研究計画を中心とする中間報告を行った。

(7)核燃料サイクルについては,石油危機以来の急激な情勢変化と原子力発電の伸展に伴い,その確立のための諸施策を見直すため,核燃料サイクル問題懇談会においてウラン資源の確保から放射性廃棄物の処理処分に至る核燃料サイクルの各段階における必要な施策を具体的に示すとともに,それに基づき政府及び民間の果たすべき役割を明らかにするべく審議が行われ,昭和51年9月に,その結果が中間的に取りまとめられた。

(8)原子力船開発については,日本原子力船開発事業団における「むつ」の総点検,改修及びその後の実験航海を行うため,日本原子力船開発事業団法を昭和62年6月30日まで延長することが適当であると判断した。

(3)宇宙開発委員会は,毎年度,宇宙開発計画の見直しを行い,必要に応じ新たな計画を策定することとしている。

昭和51年度は,「宇宙開発計画(50年度決定)」について,国内の研究開発の進捗状況,国際環境の変化,宇宙の利用に関する長期的な見通しなどを踏まえて見直しを進め,これに所要の修正及び追加を行って52年3月,新たな要請に対応した「宇宙開発計画(51年度決定)」を策定した。修正及び追加の主要点は,次のとおりである。

1) 第4号科学衛星(CORSA-b)を,M-3Cロケットにより,53年度に打ち上げることを目標に衛星及びロケットの開発を行うこと。

また,これに伴い,第7号科学衛星(ASTRO-A)の打上げ目標年度を54年度から55年度に,また,第8号科学衛星(ASTRO-B)の打上げ目標年度を55年度から56年度に,それぞれ変更すること。

2) 電離層観測衛星(ISS-b)を52年度に,また,技術試験衛星III型(ETS-III)を56年度にNロケットによりそれぞれ打ち上げることを目標に開発等を行うこと。

3) 技術試験衛星IV型(ETS-IV)を55年度に,また,静止気象衛星2号(GMS72)を昭和56年度に,NロケットII型によりそれぞれ打ち上げることを目標に開発を行うこと。

4) 粒子加速装置を用いた宇宙科学実験(SEPAC)について,55年度に予定されている第一次スペースラブ計画に参加することを目標に搭載機器の開発を行うこと。

また,宇宙開発委員会は,長期ビジョン特別部会において,我が国の宇宙開発に関する長期ビジョンの策定に資するため,今世紀末までに実現が期待される宇宙活動について検討を進めたほか,宇宙関係条約特別部会において,宇宙関係条約の締結に当たって必要な国内法令に関する基本事項について調査審議を行った。

このほか,ロケット及び人工衛星の打上げ結果の評価,打上げ時の安全対策,宇宙開発に関する国際協力の問題などについて調査審議を行った。

(4)海洋開発審議会は,内閣総理大臣の諮問に対して,昭和48年10月,答申「我が国海洋開発推進の基本的構想及び基本的方策について」を提出し,60年度までを展望した海洋開発推進の基本的構想及び当面緊急に実施すべき重要プロジェクトの課題を提示した。その後の内外の情勢の変化に対処するため,海洋開発の現状のは握課題の摘出等について調査審議を行い,51年12月,合同部会(開発部会及び科学技術部会)報告を取りまとめた。この中で,経済・社会情勢の変化,海洋開発への新しい期待,海洋開発の性格の変化等によるエネルギー,食糧等の資源開発の要請,自然環境の保全及び安全確保への要請,海洋開発の進展に伴う科学技術への新たな要請等を指摘するとともに沿岸・大陸棚及びその周辺海域の開発,大洋域の開発,海洋調査の強化,海洋環境の保全及び安全の確保,先行的,基盤的技術の開発について,緊急に実施すべき重要開発課題を挙げている。


前(節)へ  次(節)へ

ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ