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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動
4  多分野の協力による研究開発の推進
(2)  宇宙開発


近年,宇宙技術の急速な進歩により,宇宙空間は人類の新たな活動領域として登場してきており,科学衛星及び通信,気象などの実用衛星をはじめ有人衛星,有人月探査,惑星探査などが次々と実現され,もはや宇宙空間の利用は人類の発展に欠くことのできないものとなっている。

更に,最近は水,空気,土地利用などの状況調査を含む広い意味での地球観測が進められており,宇宙開発は,環境管理や資源探査においても大きな役割を果たしつつある。

また,宇宙開発は,アメリカのアポロ計画が成功りに終了してからは国の威信をかけたビッグ・プロジェクトとしての性格が薄れ,むしろ広く応用範囲を追求し,人々の実用に供するものに重点が移ってきている。このため,人工衛星の打上げもアメリカ,ソ連のほか10数カ国にも達し,すそ野が広くなっている( 第3-2-10表 )。

第3-2-10表 国別,種類別人工衛星等打上げ成功数             (1977年6月30日現在)


我が国における宇宙開発は,宇宙開発委員会が定める宇宙開発計画( 第3-2-11表 , 第3-2-12表 参照)及びこれに基づいて内閣総理大臣の定める宇宙開発に関する基本計画に基づいて宇宙開発事業団,東京大学宇宙航空研究所をはじめとする各機関において推進されている。昭和51年度における各機関の活動の概要は,次のとおりである。

宇宙開発事業団においては,技術試験衛星II型「きく2号」をNロケットにより昭和52年2月に打上げ,静止軌道に投入することに成功し,静止軌道投入技術等の習得及び電波伝搬実験の目的を予定どおり達成した。また,昭和52年7月には,米国のロケットを用いて静止気象衛星「ひまわり」を打ち上げた。

第3-2-11表 我が国の人工衛星打上げ計画 現在までに打ち上げられた衛星 打上げが予定されている衛星


「きく2号」を打ち上げたNロケットは,約130kgのペイロードを静止軌道に打ち上げる能力を有する液体燃料を中心とする3段式ロケットで,今後,我が国の人工衛星打上げ用ロケットの中軸となるものである。宇宙開発事業団では,Nロケットの性能の一層の向上を図っているが,更に,将来の大型静止衛星の打上げに対応するため,約350kgの静止衛星を打ち上げる能力を有するNロケットII型を引き続き開発するとともに,500kg以上の静止衛星を打ち上げる能力を有するロケットについても,開発研究を行っている。

衛星に関しては,静止気象衛星,実験用中容量静止通信衛星,実験用中型放送衛星及び実験用静止通信衛星の開発を進めるとともに,技術試験衛星III型の開発研究を進めた。

地上施設,設備については,種子島宇宙センター及び筑波宇宙センターなどの諸施設,設備の建設,整備を行った。

東京大学宇宙航空研究所においては,昭和52年2月にM-3H-1ロケットにより試験衛星「たんせい3号」を打ち上げ,同ロケットの衛星打上げ性能の確認などを行った。

第3-2-12表 我が国のロケット開発計画


Mロケットは,科学衛星打上げ用の全段固体燃料のロケットで,M-4Sロケット(4段式)により既に「たんせい」,「しんせい」及び「でんぱ」の3衛星が,M-3Cロケット(3段式,推力方向制御装置付き)によって「たんせい2号」及び「たいよう」が,打ち上げられている。今後はこれらの技術蓄積をもとに,漸次,構造の軽量化,二次流体噴射推力方向制御装置の付加などを行い,より高性能のM-3Sロケットを開発することとしている。

このほか,気象庁,郵政省においては,静止気象衛星,電離層観測衛星,実験用中容量静止通信衛星,実験用中型放送衛星及び実験用静止通信衛星の運用に必要な地上施設,設備の開発,製作を進めた。

また,科学技術庁,気象庁,農林省,林野庁,建設省,環境庁,大学などの研究機関により,リモートセンシング情報利用技術の開発に関する研究を進めた。このほか,科学技術庁,農林省,建設省及び運輸省の研究機関により海洋リモートセンシング技術の開発研究に着手した。

一方,国際関係については,第4章で述べたほか,人的交流の面では,昭和51年10月にNASA職員によるSTS(宇宙輸送システム)説明会を東京で開催するとともに,52年3月には,ローマ大学航空宇宙研究所長L・ブロリオ教授を,52年5月にはカナダ省間宇宙委員会議長チャップマン博士を招へいし,各々宇宙開発委員会委員と宇宙開発分野について意見交換を行い,相互理解を深めた。

また,研究開発の面では米国及びESAが昭和55年度に予定している最初のスペースラブ飛行実験計画に対し,東京大学宇宙航空研究所から応募していた「粒子加速装置を用いた宇宙科学実験(SEPAC)」が正式に採用され,我が国も同実験計画に参加することとなった。

なお,第3-2-13表に我が国の宇宙関係予算を,第3-2-14表に主要国の宇宙関係予算をそれぞれ示す。

第3-2-13表 宇宙関係予算の推移

第3-2-14表 各国の宇宙関係予算の推移



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