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第1部   安定成長下における技術開発推進への課題
第1章  我が国の科学技術の現状
第2節  技術水準及び技術開発力の現状
4  技術水準及び技術開発力水準の特徴


以上の分析の結果から明らかなように,近年,我が国の技術水準及び技術開発力水準は総体的に見ると著しい向上を示してきた。しかし,民間企業に対するアンケート調査や事例分析でも見てきたように,業種,企業によっては,まだ相対的に低位にあるものも多く,特に技術水準に比べると独創的な新製品,新技術を創造する技術開発力水準が欧米先進諸国特にアメリカに比べて相対的に立遅れている業種,企業が多い。この要因としては既に多くの人々によって指摘されているように,研究投資の不足,研究開発人材特に独創的能力のある研究者の不足,研究開発体制の不備など種々の要因が考えられるが,本質的な要因は,先進諸国との間に大きな技術格差が存在したことなど我が国の科学技術の置かれてきた環境に由来することが指摘される。すなわち,いくつかの事例でも見てきたように,我が国は戦前戦後を通じて欧米先進諸国の技術を導入し,これを消化,吸収することによって欧米先進諸国へのキャッチアップを図ってきた。これは欧米先進諸国との間に極めて大きな技術格差のあった我が国にとって研究開発に要する資金や時間,あるいは人員を節約し,リスクを避けて,短期間のうちに急速に我が国の技術水準を高める上で極めて効率的な方法であった。しかし,このため,研究開発の中心は専ら導入技術の消化と改良に置かれ,相対的に見ればいわゆる独創的な研究開発への努力が十分でなかったと言える。

第1-1-20図 民間企業各社が保有する技術の形態

我が国の民間企業が外国技術にどの程度依存しているかについて,昭和52年度に科学技術庁計画局で行った「民間企業の研究活動に関する調査」によって見ると (第1-1-20図) ,現在,我が国の民間企業各社が保有する代表的な技術,設備あるいは製品の約半数近くは,何らかの形で導入技術が関与しており,この一例から見ても我が国の導入技術への依存度の高さを物語っている。しかし,その内容を見ると導入技術をそのまま利用している場合は少なく,ほとんどは,かなりの改良などを加えており,導入技術の吸収,消化に大きな力を注いできたことがうかがわれる。


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