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第3部   政府の施策
第4章  科学技術振興基盤の強化
7  科学技術関係審議会などの活動状況


(1)科学技術会議は,昭和46年4月に行った「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」(第5号答申)の具体化のため,国民生活に密着した科学技術及びエネルギー分野における研究開発目標に関する調査検討を行い,「国民生活に密着した研究開発目標に関する意見」及び「エネルギー科学技術の推進に関する意見」をそれぞれ取りまとめ,第21回本会議(昭和51年2月19日)において内閣総理大臣に意見具申した。

(1)  「国民生活に密着した研究開発目標に関する意見」においては,科学技術による国民生活の向上という観点に立ち,健康,安全,保健医療など生活に密着した分野において,国として推進すべき研究開発分野を具体的に指摘した。
(2)  「エネルギー科学技術の推進に関する意見」においては,エネルギー問題の緊要性と科学技術がエネルギー問題の解決に果たす役割の重要性にかんがみ,エネルギー研究開発に関する基本計画の策定,研究開発に要する重点目標の設定及び研究開発の効率的推進の必要性を指摘した。 このほか,テクノロジー・アセスメント分科会において,テクノロジー・アセスメント導入に当たっての基本的考え方及び推進のための施策について検討を行い,報告書を取りまとめた。 従来,我が国の科学技術政策は,上述の第5号答申に基づいて進められてきた。しかしながら,近年,エネルギー,食糧などの資源問題の顕在化,環境・安全問題の深刻化,複雑化,経済成長の鈍化などにより,我が国社会経済は大きな転機を迎えており,これらの諸問題を解決し,我が国が長期,安定的発展を確保するためには,新たな見通しに立った総合的かつ先導性のある科学技術政策の確立が必要である。このような情勢の変化に対応して,政府は,昭和51年2月19日,科学技術会議に対し,「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」を諮問した。

現在,科学技術会議においては,答申策定のための審議を鋭意進めている。

(2)原子力委員会では,原子力開発利用に係る各種重要事項について専門部会,懇談会を設置して審議を行っているが,昭和50年度には,原子力事業従業員災害補償専門部会,国際濃縮計画懇談会,原子力船懇談会が廃止され,新たに新型動力炉開発専門部会,環境放射能安全研究専門部会,放射性廃棄物対策技術専門部会,核融合会議が設置された。また,核燃料サイクル問題懇談会が開催された。

(1)軽水炉に続く新型動力炉として,現在,動力炉・核燃料開発事業団において新型転換炉及び高速増殖炉の自主開発が進められており,それぞれ新しい段階に達している。また,海外で開発の進んでいる高温ガス炉などに対する関心も高まっている。こうした内外の技術開発の状況とエネルギー事情,安全確保の要請など経済的社会的諸情勢の変化を踏まえて,核燃料サイクルを展望した長期的な動力炉開発について今後の施策の確立を急ぐ必要がある。このため,昭和50年7月,新型動力炉開発専門部会を設置し,新型炉開発の進め方について調査審議を行い,昭和51年8月,原子力委員会に報告書を提出した。この報告書では,高速増殖炉を将来の原子炉利用系の主軸と位置付け,その開発を積極的に進めるとともに,新型転換炉については技術の蓄積を進めること,多目的高温ガス炉については研究開発を進めることが必要であるとしている。
(2)原子力施設周辺環境の放射能の挙動及びその影響を把握するための調査研究については,放射線医学総合研究所をはじめとする国立試験研究機関などで行われているが,これら調査研究を総合的,計画的に推進するため,昭和50年7月,環境放射能安全研究専門部会を設置して調査審議を行っている。
(3)放射性廃棄物の適正な処理処分は,原子力開発利用を進めるに当たって不可欠な課題であり,試験的海洋処分を実施するための具体的な安全評価,廃棄物処分の方式の明確化と基準化,研究開発の推進計画の策定及び成果の評価など専門的な事項を調査審議するため,昭和50年7月,放射性廃棄物対策技術専門部会を設置した。
(4) 核燃料サイクルについては,石油危機以来の急激な情勢変化と原子力発電の伸展に伴い,その確立のための諸施策を見直す段階に達しており,昭和51年3月,核燃料サイクル問題懇談会を設置した。同懇談会では,ウラン資源の確保から放射性廃棄物の処理・処分に至る核燃料サイクルの各段階における必要な施策を具体的に示すとともに,それに基づき政府及び民間の果すべき役割を明らかにすることとし審議を進めている。
(5)核融合については,原子力委員会は,昭和43年7月,核融合研究開発を原子力特定総合研究に指定するとともに,昭和44年度から6年間を第1段階とした核融合研究開発基本計画を策定した。この計画では,主装置であるトカマク型装置で世界の研究開発水準に比肩しうる成果が得られた。このような成果を基に原子力委員会では,昭和50年7月に,昭和50年度から昭和50年代中頃までを目途とする第2段階の核融合研究基本計画を策定した。また,我が国で行われている核融合の研究開発を総合的に推進するため,昭和50年11月,核融合会議を設置し,調査審議を進めている。
(6)軽水炉発電所からの放射性物質の放出については,周辺公衆の被ばく線量を容易に達成できる限り低くするとの考え方に立って努力がなされてきたが,原子力委員会では,周辺公衆の被ばく線量を低く保つことについての努力目標値を明らかにするため,昭和50年5月,「発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に関する指針」を決定した。この指針では,今後新設される発電用軽水炉施設を対象とし,その通常運転時における環境への放射性物質の放出に伴う周辺公衆の被ばく線量を低く保つための努力目標値として,全身被ばく線量について年間5ミリレム,よう素による甲状線被ばく線量について年間15ミリレムを採用した。
(7)原子力開発については,原子力委員会は,昭和50年3月,原子力船開発の今後のあり方を検討するとともに,それを踏まえて原子力第1船の開発計画,日本原子力船開発事業団のあり方などについて見直しを行うため原子力船懇談会を設置した。同懇該会は昭和50年9月,「むつ」は適切な改修を施すことにより所期の目的を達成させることが可能であり,引き続き開発を進めるべきであること,また,将来の実用化に備えるため,「むつ」の開発と併行して舶用炉プラントの広範な研究開発を進めるとともに,世界のすう勢に留意して,将来の計画を策定すべきであることなどを内容とした報告書をまとめた。 原子力委員会は,この報告を踏まえ,「むつ」の開発を積極的に推進するための当面の施策について決定した。

(3)宇宙開発委員会は,毎年度,宇宙開発計画の見直しを行い,必要に応じ新たな計画を策定することとしている。

昭和50年度は,「宇宙開発計画(昭和49年度決定)」について,国内の研究開発の進捗状況,国際環境の変化,宇宙の利用に関する長期的な見通しなどを踏まえて見直しを進め,これに所要の修正及び追加を行って昭和51年3月,新たな要請に対応した「宇宙開発計画(昭和50年度決定)」を策定した。

修正及び追加の主要点は,次のとおりである。

1) 第8号科学衛星(ASTRO-B)の開発に着手すること
2) 第6号科学衛星(EXOS-B)を打ち上げるためのロケットを,M一3 SロケットからM-3Hロケットに変更すること。
3) 重量約350kgの静止衛星を打ち上げる能力を有するロケットの開発に着手すること。
また,宇宙開発委員会は,長期ビジョン特別部会において,我が国の宇宙開発に関する長期ビジョンの策定に資するため,今世紀末までに実現が期待される宇宙活動について検討を進めたほか,宇宙関係条約特別部会において,宇宙関係条約の締結に当たって必要な国内法令に関する基本事項について調査審議を行った。 このほか,ロケット及び人工衛星の打上げ結果の評価,打上げ時の安全対策の検討,宇宙開発に関する国際協力の問題などについて調査審議を行った。
(4)海洋開発審議会は,内閣総理大臣の諮問に対して,昭和48年10月,答申「我が国海洋開発推進の基本的構想及び基本的方策について」を提出した。 本答申は,今後の海洋開発の基本的なあり方を明らかにしたものであるが,食糧資源,鉱物資源など諸資源のひっ迫などから海洋開発は極めて重要であり,かつ,海洋開発は,海洋環境の保全と一体となって新しい人間環境の創造を目指すべきであるとの認識に立って,環境の保全,総合的・計画的な推進,海洋科学技術開発の先行的推進及び国際環境との調和を基本として推進すべきであることを明らかにしている。次いで,本答申は,各海域ごとに必要とされる開発の方向を指摘するとともに,上述の4基本条件を実現するために必要とされる方策を述べている。この中で,海洋科学技術開発については,海底石油開発システム,6,000m級深海調査システムなど6つの重要プロジェクトを打ち出し,政府が主導的立場に立って緊急に推進すべきであるとしている。

本答申提出後,我が国海洋開発を巡る環境の大きな変動に対し,本審議会は,今後の海洋開発推進施策の調査審議に資するため,情勢の的確なは握に努めている。


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