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第3部   政府の施策
第2章  政府機関などにおける研究活動
4  多分野の協力による研究開発の推進
(2)  宇宙開発


近年,宇宙技術の急速な進歩発達により,宇宙空間は人類の新たな活動領域として登場してきており,科学衛星及び通信,気象などの実用衛星をはじめ有人衛星,有人月探査,惑星探査などが次々と実現され,もはや宇宙空間の利用は人類の発展に欠くことのできないものとなっている。

更に,最近は水,空気,土地利用などの状況調査を含む広い意味での地球観測が進められており,宇宙開発は,環境管理や資源探査においても大きな役割を果たしつつある。

また,宇宙開発は,アメリカのアポロ計画が成功りに終了してからは国の威信をかけたビッグ・プロジュクトとしての性格が薄れ,一時のような華やかさがなくなったものの,人工衛星の打上げがアメリカ,ソ連のほか10数か国にも達し,すそ野が広くなっている (第3-2-23表)

我が国における宇宙開発は,宇宙開発委員会が定める宇宙開発計画 (第3-2-24表 , 第3-2-25表 参照)及びこれに基づいて内閣総理大臣の定める宇宙開発に関する基本計画に基づいて宇宙開発事業団,東京大学宇宙航空研究所をはじめとする各機関において推進されている。昭和50年度における各機関の活動の概要は,次のとおりである。

宇宙開発事業団においては,技術試験衛星I型「きく」を昭和50年9月に,開発中のロケット電離層観測衛星「うめ」を昭和51年2月にNロケットにより打ち上げることに成功した。「きく」に関しては,その目的であるロケット打上げ技術の確認,衛星追跡管制技術の習得,伸展アンテナ伸展実験などを予定通り達成した。

「うめ」に関しては,初期段階の運用においては所期の成果を収めたが,打上げの約1か月後に電源系統に故障を起こし機能が停止した。

第3-2-23表 国別,種類別人工衛星などの打上げ成功数

第3-2-24表 我が国の人工衛星打上げ計画


第3-2-25表 我が国のロケット開発計画



これらの衛星を打ち上げたNロケットは,約130kgのペイロードを静止軌道に打ち上げる能力を有する液体燃料を中心とする3段式ロケットで,今後,我が国の人工衛星打上げ用ロケットの中軸となるものである。宇宙開発事業団では,Nロケットの性能の一層の向上を図っているが,更に,将来の大型静止衛星の打上げに対応するため,約350kgの静止衛星を打ち上げる能力を有するN改良型ロケットの開発に着手するとともに,約5001kgの静止衛星を打ち上げる能力を有するロケットについても,開発研究を行っている。

衛星に関しては,技術試験衛星II型,静止気象衛星,実験用中容量静止通信衛星,実験用中型放送衛星及び実験用静止通信衛星の開発を進めるとともに,技術試験衛星III型の開発研究に着手した。

地上施設,設備については,種子島宇宙センター及び筑波宇宙センターなどの諸施設,設備の建設,整備を行った。

東京大学宇宙航空研究所においては,第4号科学衛星(CORSA)を昭和51年2月にM-3 C-3ロケットにより打ち上げたが,ロケットの姿勢基準装置の誤動作により衛星を軌道に投入することができなかった。

Mロケットは,科学衛星打上げ用の全段固体燃料のロケットで,M-4Sロケット(4段式)により既に「たんせい」,「しんせい」及び「でんぱ」の3衛星が,また,M-3Sロケット(3段式,推力方向制御装置付き)によって「たんせい2号」及び「たいよう」が打ち上げられている。

今後はこれらの技術蓄積をもとに,漸次,推力方向制御装置の付加,構造の軽量化,推進薬の改良などを行い昭和54年までにより高性能のM-3Hロケット及びM-3Sロケットを順次開発することになっている。

このほか,気象庁,郵政省においては,静止気象衛星,電離層観測衛星,実験用中容量静止通信衛星,実験用中型放送衛星及び実験用静止通信衛星の運用に必要な地上施設,設備の開発,製作を進めた。

また,科学技術庁,気象庁,農林省,林野庁,建設省及び大学などの研究機関により,リモートセンシング情報利用技術の開発に関する総合研究を進めた。

一方,宇宙開発に関する国際協力については,昭和51年3月に西ドイツの研究技術省第5局長を我が国に招へいし,日独間宇宙協力の推進を図った。また,国連活動の一環として衛星通信に関するフェローシップの提供が行われた。

第3-2-26表 宇宙関係予算の推移

なお, 第3-2-26表 に我が国の宇宙関係予算を, 第3-2-27表 に主要国の宇宙関係予算をそれぞれ示す。

第3-2-27表 各国の宇宙関係予算の推移


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