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第2部   科学技術活動の動向
第3章  技術貿易及び特許出願の動向
1  技術貿易
(1)  技術輸出入


昭和50年度の我が国の技術貿易は,日本銀行「国際収支統計月報」によれば輸入(対価支払額)が712百万ドル,前年度比0.8%減と前年並であったのに対して,輸出(対価受取額)は161百万ドル,前年度比42.5%増と大幅な伸びを示した。この結果技術貿易収支比(輸出/輸入)は0.23となり,前年度に引き続き改善された (第2-3-1図) 。主要国における技術貿易を見るとアメリカが大きなウエートを占めている。対価受取額ではイギリス,フランス,西ドイツ,日本を合計してもアメリカの約半分程度に過ぎない。技術貿易収支比でもアメリカが10前後と群を抜いて大きく,次いでイギリスとフランスが1前後で並んでいる。西ドイツは0.4前後で,比較的我が国に近い (第2-3-1表)

第2-3-1図 我が国における技術貿易の推移

次に,我が国の技術貿易を産業別に見れば,第2-3-2図,第2-3-2表に示すように,技術輸出では化学工業が41.1%と約4割を占め,以下鉄鋼業14.5%,電気機械工業8.9%,輸送用機械工業7.7%と続いている。各産業とも技術輸出は増加傾向にあるが,なかでも最近3年間で繊維工業が5倍,化学工業が3倍,機械工業,鉄鋼業,輸送用機械工業が2倍とそれぞれ伸びが著しい。1件当たりの対価受取額で見ると,建設業が73百万円と最も大きく,以下鉄鋼業66百万円,化学工業58百万円と続いている。

また産業別の技術輸入では,電気機械工業が24.6%と約4分の1を占め,以下化学工業16.9%,輸送用機械工業16.7%,機械工業12.9%と続いている。技術輸入は全体として横ばい傾向であるが,前年度比で建設業の44%増,鉄鋼業の21%増,その他製造業の13%増が目立っている。1件当たりの対価支払額では,窯業が52百万円で最も大きく,以下電気機械工業の36百万円,化学工業の35百万円,輸送用機械工業の33百万円と続いている。

第2-3-1表主要国における技術貿易額


第2-3-2図 我が国の産業別技術貿易の内訳(昭和49年度)

第2-3-2表 我が国の産業別技術貿易の動向(1)

第2-3-2表 我が国の産業別技術貿易の動向(2)

第2-3-3表 我が国の地域別技術貿易の動向(資本金1億円以上の会社)


技術貿易額を社内使用研究費との比で見れば,技術輸出では繊維工業0.1,鉄鋼業0.1,建設業0.09,化学工業0.08が大きく,技術輸入では窯業0.21,非鉄金属工業0.16,機械工業0.14が大きい。

技術貿易収支額では,鉄鋼業,繊維工業を除いた全業種が入超である。なかでも電気機械工業,輸送用機械工業,機械工業などの入超額が大きい。

我が国の技術貿易を地域別に見れば, 第2-3-3表 , 第2-3-3図 に示すように,技術輸出では東南アジア向けが35.6%,ヨーロッパ向けが31.1%とそれぞれ約3分の1づつ占めており,次いで北アメリカ,南アメリカ,西アジアと続いている。国別では,韓国9.6%,イタリア8.3%,アメリカ8.1%,ブラジル6.7%,台湾5.O%が目立つ。前年度比を見ると,西アジア向けが81.2%増,南アメリカ向けが130%増と急増した。東南アジア向けは7%減であったが,これはインドネシア向けの16億円減,中国向けの5億円減などによるものであり,逆に韓国向けでは16億円増となっている。1件当たりの対価受取額では,中国向けの221百万円が群を抜いて大きく,イタリア92百万円,西アジア62百万円,ブラジル60百万円と続いている。地域別の技術輸出を業種ごとに見れば,第2-3-4図に示すように,南アメリカだけは鉄鋼業がトップで,南アメリカ以外の地域はいずれも化学工業のウエートが最も大きい。電気機械工業は東南アジア向け,北アメリカ向けの中でのウエートが大きく,建設業は東南アジア向け,西アジア向け,南アメリカ向けの中でのウエートが大きい。

次に,地域別の技術輸入では,北アメリカからの66.9%とヨーロッパからの32.7%が大部分を占める。国別ではアメリカからが66.1%と圧倒的であり,以下西ドイツ11.1%,イギリス6.O%,スイス5.4%,フランス3.4%と続いている。前年度比では,スイスからが16%増と増加した以外は軒並み減少している。1件当たりの対価支払額が大きい国はスイス37百万円,アメリカ35百万円,イタリア35百万円などである。地域別の技術輸入を業種ごとに見れば,北アメリカからは電気機械工業31.3%,化学工業15.5%,輸送用機械工業14.1%,機械工業13.3%の順,ヨーロッパからは輸送用機械工業24.0%,化学工業20.6%,機械工業15.2%,電気機械工業13.5%の順にそれぞれなっている。

技術貿易収支額では,東南アジア諸国,ブラジル,イタリア,オーストラリアに対しては出超であり,アメリカやヨーロッパ主要国(イタリアを除く)に対しては入超である。特にアメリカとの収支額が973億円入超で目立っている。

第2-3-3図 我が国の地域別技術貿易の内訳(資本金1億円以上の会社 昭和49年度)

第2-3-4図 我が国の地域別技術貿易の業種別内訳(資本金1億円以上の会社 昭和49年度)

最後に,技術貿易面で圧倒的なウエートを占めるアメリカの技術貿易を考察する( 第2-3-4表 , 第2-3-5図 , 第2-3-6図 )。地域別に見ると,EC諸国との技術貿易量が大きく,技術輸出入ともに約4割を占めており,特にイギリスのウエートが大きい。またカナダとの結び付きも深く,技術輸出の14.6%,技術輸入の29.1%をそれぞれ占めている。日本との関係では技術輸出が11.9%であるのに対して,技術輸入はわずか1.3%に過ぎない。

アメリカの技術貿易を直接投資関連と,直接投資非関連とに分けた場合,ここ10数年,直接投資関連分が技術輸出の約8割,技術輸入の約5割を占めており,この割合はあまり変化していない。直接投資関連の受取ではEC9か国やカナダのウエートが大きく,支払ではEC以外の西ヨーロッパやカナダのウエートが大きい。また,直接投資非関連の受取ではEC9か国と日本がそれぞれ約3分の1ずつを占め,支払ではEC9か国のウエートが大きい。

第2-3-4表 アメリカの地域別技術貿易(1974年)

第2-3-5図 アメリカの技術貿易額の推移


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