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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  組織別の研究活動
(2)  研究機関の研究活動


研究機関における研究には,一般的に公共性の強いものが多く,原子力開発及び宇宙開発などのように先導的で大型の研究あるいは経営規模が零細で研究活動が困難な農林水産業及び中小企業に必要な研究,地方経済の発展を支えているその地方独特の産業に関する研究などが挙げられる。このため,研究機関の経営や研究費の負担は,ほとんどの場合,国や地方公共団体によって行われているといってもよい。

(1)研究機関の研究費

昭和49年度における研究機関の研究費は3,871億円で,対前年度比20.7%増である (第2-1-6図) 。この研究費について政府,民間の負担割合を見ると84.6%に当たる3,276億円が政府・地方公共団体によって負担されており,民間の負担割合は15.4%にすぎない (第2-1-1表) 。総研究費に占める研究機関研究費の割合は,昭和40年度の16.1%から徐々に減少して45年度には12.9%まで下ったが,その後この割合は増加し49年度は16.0%を保持している (第2-1-7図) 。次に,研究機関数について見ると,昭和43年をピークに減少傾向にあったが,47年から再び増加した (第2-1-14表)

第2-1-14表 研究機関数の推移 (4月1日現在)

第2-1-26図 研究機関の研究費の推移

この内訳を組織別の割合で見ると,国営のものが87で約10%,最も多い公営機関は591で67%を占めている。なお民営の研究機関が50年には大幅に増加し,特殊法人が逆に大幅に減少しているのは,鉱工業技術研究組合法に基づく技術研究組合を,特殊法人から民営に分類換えしたためである。次に学問分野別に見ると,農学関係の研究機関が最も多く全体の46.7%を占めており,工学が28.1%とこれに続いている (第2-1-14表)

組織別,学問別に見ると,国営の研究機関では,工学と農学関係の機関数が多く,両者で69.0%を占めている。また,公営では各都道府県に農林水産関係の試験場が多く設置されており,農学関係で58.7%も占めている。更に,民営の研究機関としては,社団法人,財団法人組織の研究所があり,工学,医学関係のものも多い。

次に,研究費の詳細について述べる。まず,組織別に見ると,国営が1,030億円,公営1,101億円,民営747億円,特殊法人992億円でそれぞれ研究機関の研究費の26は.6%,28.4%,19.3%,25.6%を占めている。

なお,民営の研究機関が対前年度比107.4%と大幅な伸びを示し,国営,公営,特殊法人に迫るとともに特殊法人の研究機関が大幅減となっているが,これは主として鉱工業技術研究組合法に基づく技術研究組合を特殊法人の分類から民営に移したことと,技術研究組合における大型コンピュ-タの開発などにより情報処理研究費が増大したことによるものと考えられる (第2-1-26図)

第2-1-27図 研究機関の研究費の学問別構成比の推移

第2-1-28図 研究機関の研究費の費目別構成(昭和49年度)

学問分野別の構成を見ると近年,工学の増加が目立ち昭和40年度に32.2%であったものが昭和48年度は54.1%と過半数に達した。ところが昭和49年度は,工学が44.4%に減少しかわりに理学が22.8%と前年度の割合の倍近くとなっているのが注目される。農学,医学はそれぞれ25.1%,6.9%とほぼ横ばい状態である (第2-1-27図)

費目別の構成を見ると,公営,国営においては人件費の割合が50%ないし60%と高く,特殊法人においては,有形固定資産購入額の割合が63.0%と著しく高いことが注目される (第2-1-28図) 。これは特殊法人の機関に,原子力,宇宙開発など大型施設を必要とするものが含まれているためと考えられる。

学問分野別に見ると,理学及び工学関係の機関では有形固定資産購入額の占める比率が高く,農学,医学関係では人件費の占める比率が高くなっている (第2-1-28図)

研究費の性格を見ると,組織別では国営は基礎研究の比率が他に比べて高く,公営は応用研究の比率が高い。民営と特殊法人の研究機関において開発研究の比率が著しく高いことが特徴的である (第2-1-26図) 。学問別では,理学は基礎研究の割合が比較的高く,農学においては応用研究が57.6%もの割合を占めている。工学は開発研究の割合が69.2%と高く基礎研究と応用研究の割合が低くなっている (第2-1-29図)

第2-1-29図 研究機関の研究費の性格別構成(昭和49年度)

なお医学については,昭和48年度分から性格別調査が開始されたが,医学の場合は基礎研究,応用研究,開発研究という分類になじまないので基礎医学と臨床医学に分類している。これによれば,昭和49年は,基礎医学が88.2%,臨床医学が11.8%の割合となっている (第2-1-29図)

研究者1人当たりの研究費を見ると,研究機関全体では11,308万円であるが,組織別では,国営1,119万円,公営795万円,民営4,097万円,特殊法人2,908万円となっており,民営及び特殊法人は有形固定資産購入額,その他の経費の比率が高い関係で著しく大きくなっている。

(2)研究機関の研究関係人材

昭和50年4月1日現在の研究機関における研究者数は2万6,690人で,前年の2万8,290人に比べ約6%減となっている。

組織別に研究者数を見ると,昭和50年4月1日現在で,国営9,341人,公営13,732人,民営1,775人,特殊法人1,842人となっており,国営と公営で全体の8割以上を占めている (第2-1-15表) 。研究者数の推移を見ると,昭和40〜49年の間の年平均増加率は,国営1.2%,公営4.6%,民営4.8%,特殊法人17.3%となっているが,昭和50年における対前年増加率は国営が僅かに伸び,一方,公営と特殊法人はそれぞれ2%減,47%減となり,民営はほぼ横ばい状態である (第2-1-30図)

第2-1-15表 研究機関の組織別・学問別研究者数

第2-1-30図 研究機関の研究者数の推移

学問別に研究者数の構成比を見ると,理学関係15.8%,工学関係29.9%,農学関係42.1%,医学関係11.4%,その他の自然科学関係0.8%となっている (第2-1-15表)

なお,1機関当たりの研究者数は,昭和50年4月1日現在,全体で30人となっており,組織別では,国営107人,公営23人,民営9人,特殊法人307人となっている。

研究関係従事者数は5万8千人であり,このうち研究者が2万7千人で全体の45.6%を占め,研究補助者が6.5千人で11.1%,技能者1万1千人で18.7%,事務その他の関係者が1万4千人で24.6%となっている。この構成比率を組織別に見ると,国営及び公営は研究者数の割合が多く,民営と特殊法人のそれは比較的少ない。民営については,研究補助者の割合が3分の1以上も占めていることが注目される (第2-1-31図)

第2-1-31図 研究機関の研究関係従事者数の組織別構成


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