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第2部   科学技術活動の動向
第1章  研究活動の動向
2  組織別の研究活動
(1)  会社等の研究活動


(1)会社等の研究費

昭和49年度の会社等の研究費は,対前年度比22%増の1兆5,891億円となり,研究費総額中65.6%と大きな比重を占めている(第2-1-7図)。その研究内容は,新製品の開発や製造技術の改良などに結びつく開発研究に重点が置かれており,会社等の研究費の74.3%がこれに充てられている( 第2-1-10図 )。

研究を実施している会社等の数(会社にあっては,資本金1億円以上)は,昭和50年4月1日現在では3,154社と前年の2,983社に比べ約6%増加している(第2-1-7表)。49年には1億円〜10億円の会社数がエネルギー危機などの影響で減少したが,50年においては再び増加し,盛りかえした感がある。

研究実施会社数の割合を規模別で見ると,資本金1〜10億円の規模では40.3%,10〜100億円の規模では73.O%,100億円以上の規模では81.8%となっている。

このように,研究実施会社数の割合は,資本金規模が大きくなるほど高くなっている。更に,業種別に見ると,研究実施会社数の割合の高い業種は,化学工業(82.9%),電気機械工業(82.4%),精密機械工業(79.6%),輸送用機械工業(73.2%),非鉄金属工業(72.2%),石油石炭製品工業(71.6%),ゴム製品工業(71.6%)などであり,逆に低い業種は運輸・通信・公益業(5.2%),建設業(21.1%),鉱業(23.3%),出版・印刷業(29.5%),農林水産業(32.3%)などとなっている (第2-1-8表)

また,研究実施会社数における産業別,業種別の構成比を見れば,製造業が89.7%と全体の大部分を占めている。なかでも,化学工業,機械工業,電気機械工業,食品工業がそれぞれ16.O%,13.3%,11.3%,7.O%となっており,これらで全産業の半分近くを占めている (第2-1-8表)

昭和49年度における会社等の研究費を産業別に見ると,製造業が91.8%と大部分を占めている。業種別では電気機械工業25.0%,化学工業19.1%,輸送用機械工業15.2%となっており,この3業種で全産業の研究費の約6割を占めている (第2-1-9表) 。これは,これら3業種が,戦後の技術革新の中心的業種であったことからもうなずける。これに次いで機械工業9.2%,鉄鋼業5.1%,食品工業2.4%などとなっている。

次に,昭和49年度の研究費を,39年度の研究費を1としてこれに対する倍率で見ると,全産業では6.5倍と大幅な増加を示しており,業種別で増加の著しいものは,建設業12.6倍,輸送用機械工業10.0倍,精密機械工業8.7倍,農林水産業8.O倍などとなっている (第2-1-10表) 。ちなみに,この間の国民所得の伸びは5.5倍であった。

主要国における産業界の研究費の産業別,業種別構成比と我が国のそれを比較すると,アメリカ,イギリスにおいて航空機,ミサイル工業が全研究費の4分の1を占めているが,我が国ではこれら工業の研究費は輸送用機械工業の研究費中にわずかに含まれているだけである (第2-1-21図) 。西ドイツは,我が国と非常に良く似た構成比率となっているが,我が国よりも航空機工業,化学工業及び機械工業の比率が高くなっている。

企業の研究活動を表わす一つの指標として,売上高に対する研究費の比率がある。この比率が高い場合は研究活動が盛んであり,研究という将来に対する投資を重く見ていることを意味している。

我が国の会社の研究費を対売上高比率で見ると,全産業では,昭和41年度に1.05%であったものが漸増して昭和45年度には1.36%となり,49年度には1.42%となっている。

業種別で,この比率が高いものは昭和49年度では電気機械工業(3.72%),精密機械工業(2.66%),化学工業(2.33%),輸送用機械工業(2.14%)などとなっている。しかし,最近は,化学工業,精密機械工業の研究費の対売上高比率が減少するなどの傾向を見せていることが注目される (第2-1-22図)

また,対売上高比率(全産業)を主要国の間で比較すると,アメリカ3.2%(製造業1973年),フランス3.O%(1969年),西ドイツ2.6%(1973年)となっており,我が国の1.5%(1974年度)よりもかなり高くなっている (第2-1-11表)

会社等の研究費の費目別構成については,人件費の占める割合が他の有形固定資産購入額,原材料費,その他の経費に比べて非常に高くなっている。その推移を見ると,昭和36年度の32.7%から徐々に増加し,昭和41年度は44%に上昇したが,その後わずかづつ減少して45年度には39.7%まで低下した。しかし,46年度からは再び上昇し,49年度は47及び48年度の45.3%を遥かに凌ぎ全体の半分を占める50.2%となっている (第2-1-23図)

研究者1人当たりの研究費を見ると,会社等の平均では49年度は前年度より16.5%増加して,1,216万円となった (第2-1-13図) 。これを産業別,業種別に見ると農林水産業が2,550万円で最も高く,次いで鉄鋼業1,999万円,輸送用機械工業1,988万円,運輸通信公益業1,964万円,鉱業1,571万円,石油,石炭製品工業1,565万円,ゴム製品工業1,559万円などとなっている (第2-1-12表)

第2-1-7表 会社等の資本金規模別研究実施会社数

第2-1-8表 会社の業種別の研究実施会社数

第2-1-9表 会社等研究費の業種別構成比(昭和49年度)

第2-1-10表 指数で見た会社等研究費の伸び

第2-1-21図 主要国の産業界の研究費の業種別構成比率(%)

第2-1-22図 主な業種における研究費の対売上高比率の推移

第2-1-11表 主要国の業種別研究費の対売上高比率

第2-1-23図 会社等の研究費の費目別構成比の推移

第2-1-12表 会社等の業種別の研究者1人当たり研究費

第2-1-24図 主な製品別に見た研究費の推移


注)農林水産業の1人当たり研究費が昭和48年度の730万円に比べて大幅に伸びた理由は,研究者数の伸びよりも研究費の伸びがきわめて大きいためである。研究費が急速に伸びた理由は不明であるが,その内訳を見ると資本金1千万円から1億円の農林水産業の企業の研究費が急増していること,費目では原材料費が大きく伸びていることが注目される。

産業における製品別に見た研究費の推移を見ると,通信・電子・電気計測器の研究開発に要した研究費が最も多く,次いで自動車,家庭電器,化学肥料・無機有機工業製品,医薬品などの順となっている (第2-1-24図)

(2)会社等の研究関係人材

昭和50年4月1日現在の会社等における研究者数は14万7千人で,前年の13万1千人に比べ,12.2%増加した。産業別に見ると,製造業が13万7千人で全体の93.5%を占めており,この中で電気機械工業が4万3千人で最も多く,次いで化学工業2万7千人,機械工業2万1千人,輸送用機械工業1万2千人の順となっている( 第2-1-13表 )。

第2-1-13表 会社等従業員1万人当たり研究者数

第2-1-25図 会社等における専門別研究者割合

また,従業員1万人当たりの研究者数でも全産業平均が222人であるのに対し,製造業の平均は277人と著しく多い。業種別に見て多いものを挙げると,電気機械工業484人,化学工業453人,機械工業336人,運輸・通信・公益業330人,精密機械工業300人などとなっている。

研究者数を専門別に見ると,理学34.1%,工学57.7%,農学2.7%,医学2.8%,その他2.3%となっており,理学と工学が最も多く,なかでも工学が全体の6割近くを占めている (第2-1-25図) 。理学のなかでは化学が最も多く,工学では機械・船舶と電気・通信が最も多くなっておりこの3分野で全体の4分の3を占めている。


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