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第1部   科学技術発展の回顧と新たな課題
第1章  科学技術発展の回顧
第1節  戦後の科学技術発展過程の概観
2  昭和20年代後半


昭和25年の朝鮮戦争の勃発は,我が国に大量の特需をもたらし,これを契機に産業界は競って設備の近代化を進め,技術導入ラッシュが始まった。例えば,鉄鋼部門では,連続式ストリップミルの導入,酸素製鋼設備の設置,平炉の大型化,石炭部門では,機械化採炭の本格化,斜抗方式から立抗方式への転換,電力部門では,佐久間ダムなどの大規模水力開発の着工,新鋭火力発電所の建設,造船部門では,ブロック工法・電気溶接法の大幅採用,化学工業部門では,高分子合成化学工業の出現,ペニシリン,DDT,BHCなどの新しい医薬・農薬の出現,繊維工業部門では,ナイロン,ビニロンの生産開始などをその例としてあげることができる。この結果,昭和21年に戦前水準のわずか5分の1まで低下した鉱工業生産水準は,昭和30年には,はやくも戦前の最高水準を超えるに至った。

農業部門では,耐冷性,多収性などに優れた品種の開発と並んで,肥料,農薬,プラスチックフィルムなどの生産資材を利用した栽培技術の進歩などによって稲作技術がめざましい進歩をみせ,昭和30年には,気候条件に恵まれたこともあって,1,239万トンの大豊作を達成した。

保健医療部門では,ペニシリン,ストレプトマイシン,オーレオマイシンなどの抗生物質,パス,イソニアジドなどの化学療法剤などの新医薬品の登場,医療技術の進歩,医療施設の整備,公衆衛生対策の普及などによって死亡率が著しく低下し,平均寿命は,昭和30年には男63.60歳,女67.75歳に伸びた。


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