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第3部   政府の施策
第4章   科学技術振興基盤の強化
7   科学技術関係審議会等の活動状況


(1)科学技術会議は,昭和46年4月諮問第5号「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」に対する答申を行い,1970年代の我が国が取るべき科学技術政策の基本的考え方を示した。

その後同会議は,同答申に示された基本的考え方の具体化を図るため,引き続き各部会において調査審議を進めている。昭和49年度における部会等の活動の概要は,次のとおりである。

(1)研究目標部会では,昭和48年6月,科学技術による国民生活の向上という観点に立ち,特に,健康と安全に着目して「国民生活に密着した研究開発目標について」(中間報告)を取りまとめたが,引き続き,より快適な生活を目指すという観点から,生活環境の質の向上,医療技術の向上等を目指した研究開発目標を含む最終的な報告を取りまとめるべく審議を進めている。
(2)ライフサイエンス部会では,今後の新しい総合的科学技術であるライフサイエンスの振興の重要性にかんがみ,49年12月,その振興方策の基本に関して中間報告を取りまとめ,この中で,国として研究開発を総合的に推進する必要のあるライフサイエンスに関する重要な研究目標として,(イ)生命現象及び生物諸機能の解明,(ロ)人間を巡る自然環境の解明,(ハ)精神活動の解明,(ニ)健康の維持と医療の向上,(ホ)食糧資源の確保,(ヘ)生物及びその機能の工業的利用,(ト)人口問題の7つを取り上げた。また,ライフ・サイエンスの研究の基盤を充実するとともに,ライフ・サイエンスの研究活動の整備拡充に当たつては,特に研究者が独創性を発揮し,かつ自らの専門分野のみに特化することなく,新しい情勢にも即応できるような研究環境,並びに研究制度を創り出す必要があること等を指摘した。
(3)エネルギー科学技術部会では,近年,とみに重要性を増したエネルギー技術開発における長期的かつ総合的な研究目標の設定及びその推進方策について審議を行ない,今後のエネルギー技術開発の推進に資するため,49年5月,「エネルギー技術開発の展望と課題」として中間報告を取りまとめた。引き続き,50年度の早い時期を目途に最終的な報告を取りまとめるべく審議を進めている。
(4)このほか,5号答申が出されてから4年を経過し,科学技術を取り巻く諸情勢も大きく変化しつつあるので,同答申の見通しの準備を進めていく。

(2)原子力委員会は,昭和47年6月,原子力開発利用長期計画の策定を行い,環境,安全対策,新型動力炉開発,核燃料対策,核融合研究,国際協力など各面にわたつて今後約10年間の原子力開発利用のあり方を明らかにした。昭和49年度には,安全問題の重要性にかんがみ昭和49年2月に設置された安全会議に引き続き,昭和49年8月には原子炉施設等安全研究専門部会を設置した。また,環境保全と安全確保については,昭和47年2月環境,安全専門部会を設置し,分科会を設けて調査検討を進めてきたが,昭和49年10月には,安全研究,環境放射能,低線量,放射性固体廃棄物,温排水等についての基本的な考え方,研究開発の進め方を取りまとめ,報告書を提出した。

原子力委員会は,また,将来の究極的エネルギー源として,期待されている核融合について,今後の研究開発の方策策定のため,昭和48年5月核融合研究開発懇談会を設置し,将来計画と開発体制との検討を進めてきたが,昭和49年7月にそれについての報告を行つた。

(3)宇宙開発委員会は,毎年度,宇宙開発計画の見直しを行い,必要に応じ新たな計画を策定することとしている。

昭和49年度は,「宇宙開発計画(昭和48年度決定)」について,国内の研究及び開発の進ちよく状況,国際環境の変化,宇宙の利用に関する長期的な見通し等を踏まえて見直しを進め,これに所要の追加及び修正を行つて,昭和50年3月,新たな要請に対応した「宇宙開発計画(昭和49年度決定)」を策定した。

追加及び修正を行つた主な点は次のとおりである。

1) 第7号科学衛星M-3 Sロケットにより昭和54年度に打ち上げることを目標に同衛星の開発に着手すること
2) 技術試験衛星III型の開発研究に着手すること
3) 第5号科学衛星の打上げ目標年度を昭和51年度から昭和52年度に,また,第6号科学衛星の打上げ目標年度を昭和52年度から昭和53年度に,それぞれ変更すること
4) 静止気象衛星,実験用申容量静止通信衛星及び実験用中型放送衛星の打上げ目標年度を昭和51年度から昭和52年度に,また,実験用静止通信衛星の打上げ目標年度を昭和52年度から昭和53年度に,それぞれ変更すること
5) 第5号以降の科学衛星を打ち上げるためのロケットを,4段式のM-4SHロケット及びM-4 SSロケットから3段式のM-3 Hロケット及びM-3 Sロケットにそれぞれ変更すること
また,宇宙開発委員会はポスト・アポロ計画懇談会において,我が国がポスト・アポロ計画に参加する場合の具体的な諸問題について検討を進め,昭和49年5月,その取りまとめを行つたほか,長期ビジョン懇談会において我が国の宇宙開発の長期政策立案に資するため,今世紀末までに実現が期待される宇宙活動について検討を進めた。 このほか,ロケット打上げ実験の評価等の技術的諸問題,宇宙開発に関する国際協力の問題等について調査,審議を行つた。
(4)海洋開発審議会は,内閣総理大臣の諮問に対して,昭和48年10月,答申「わが国海洋開発推進の基本的構想及び基本的方策について」を提出した。 本答申は今後の海洋開発の基本的なあり方を明らかにしたものであるが,食糧資源,鉱物資源等諸資源のひつ迫などから海洋開発は極めて重要であり,かつ,海洋開発は,海洋環境の保全と一体となつて新しい人間環境の創造を目指すべきであるとの認識に立つて,環境の保全,総合的,計画的な推進,海洋科学技術開発の先行的推進及び国際環境との調和を基本として推進すべきであることを明らかにしている。次いで,本答申は,各海域ごとに必要とされる開発の方向を指摘するとともに,上述の4基本条件を実現するために必要とされる方策を述べている。この中で,海洋科学技術開発については,海底石油開発システム, 6,000m級深海調査システム等6つの重要プロジェクトを打ち出し,政府が主導的立場に立つて緊急に推進すべきであるとしている。 本答申提出後,我が国海洋開発を巡る環境の大きな変動に対し,本審議会は,今後の海洋開発推進施策の調査審議に資するため,情勢の的確なは握に努めることとしている。

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