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第2部   科学技術活動の動向
第2章   科学技術情報活動の動向
2   NISTの計画


N工STの構想については,昭和44年10月に科学技術会議第4号答申で明らかにされたもので,それ以後科学技術庁では,その整備に資するため,昭和45年から2か年にわたり,情報関係専門家からなるNIST検討委員会を設けてNISTの総合的な機能分析を行つた。

昭和48年2月には,更にその具体化を図るため,科学技術庁に科学技術情報懇談会が設けられ,関係15省庁の協力の下に調査審議を行い,昭和49年8月に,  「科学技術情報の全国的流通体制の整備に関する報告」をとりまとめ現在,その報告を踏まえつつ,具体的な推進が図られている。その概要は,次のとおりである。

(1)科学技術情報活動振興の基本的考え方

NISTの構想の具体化に当たつては,それ自体を単一システムというよりは,むしろ多くのサブシステムないしは異なつたいろいろな要素を包含する一体的なシステムと見なしてこれを進めるべきである。このため,

1) 科学技術情報活動を総合的かつ長期的観点に立つて計画的に進めるべきこと。
2) NIST計画は関係機関の緊密な協力の下に国家的視野から実施すること。
3) ユーザーの情報需要に密着した活動を展開すべきこと。
4) NISTと他の情報システムとの連携を図ること。
5) 科学技術情報の流通活動は,国際的な協調の理念に基づいてこれを推進すべきこと。

の5点をNISTの整備推進の基本的考え方としておおむね以下のような施策を講じていくことが望まれる。

NISTのフレームワークは 第2-2-1図 のとおりである。

第2-2-1図 NISTの基本的フレームワーク

(2)科学技術情報活動振興のために講ずべき施策

(1)NISTを構成する機関の整備 

(ア)総合センター 総合センターは科学技術全分野にわたる共通的,基盤的な情報を処理し,流通させ,特に二次情報活動の推進を図るとともに,人材養成の推進,デポジトリー(資料集積所)の整備などNISTの基盤的事業を推進するものであり,具体的には,我が国の科学技術情報活動における中核たる日本科学技術情報センターを改善強化し,総合センターとしての機能を果たさせるようにすべきである。
(イ)専門センター 専門センターは,各々の専門分野の情報の処理流通を推進するものであり,現在,環境公害,農学,医療などの分野で国が主導的に情報システムの開発,事業の実施などを進めているが,これらのほかに防災,都市,原子力,宇宙,海洋,ライフサイエンス,電気通信,資源,エネルギーなどを含め,20を超える機関をNISTの専門センターとして整備する必要があり,国の担う役割の大きい分野からまず重点的に整備を行うことが望ましい。
(ウ)データセンター 数値データを処理する機関であり,これには自然観測,物性,生物系,工学系のデータセンターが考えられ,それぞれ10個前後の機関をセンターとして整備していく必要があるが,このうち物性データの処理流通については,相互に関連して利用される場合が少なくないことから,中核的なデータバンクの整備を図ることも効率的であると考えられる。
(エ)クリアリング(総合情報案内)機関 上記のようなそれぞれの分野の情報を処理流通させる機構とともにどこにどのような情報があるかを案内するクリアリングシステムの開発整備が必要である。このような機構は,非常に多くの機関や多様な機能を包含するNI STにおいては,ネットワークの形成上特に重要であり,このため総合的なクリアリング機構を整備することとして,今後総合センターを中心に,積極的に情報の蓄積,専門センター等関係機関との連携を強化していくべきである。
(オ)図 書 館 図書館のレファランス(資料案内)機能は,二次情報を主要な流通媒体とするNISTにおいても,重要な役割を果たすものであり,国においては,各種図書,遂次刊行物の所属機関ファイル(ユニオンカタログ)を整備し,NISTのネットワークに組み込んで使用できるようにすることや,図書館のサービス機能の向上を図り,一次情報サービスと二次情報サービスとが一体となつた高度なシステムを運営する必要がある。

(2)情報の処理流通における分担協力及び地域サービス網の整備 

NISTとして科学技術情報活動を全体的に進めていくに当つては,関係する機関の相互協力(総合センターと専門センター間,専門センター相互間など)が不可欠であり,今後,特にこの面での協調を推進することが望まれる。

これとともに, NISTのネットワーク形成の中核をなすものは,地域情報サービス網の整備である。このため,総合センターの支所網(現在大阪,名古屋,北九州,広島の4カ所)を全国で10カ所程度まで拡充し,各地域における情報需要に迅速に対応できる体制を整備する必要がある。

(3)以上のほか,民間活動の育成,国際協力への対応,研究開発及び人材養成の推進等を強力に図る。

この報告をも踏まえて,今後, NISTの整備が進められるが,差し当たつて, NIST実行計画を作成するとともに,

1) 総合センターとしての日本科学技術情報センターの整備(サービス機能の拡充,理工学情報ファイルの充実など)
2) 専門センターの整備・拡充(環境,農学,医療,中小企業,ライフサイエンス,原子力など)
3) クリアング(総合情報案内)システムの開発整備
4) データセンター活動の推進(物性データ総合処理提供システムの開発)
5) 情報関係機関の間における相互連携の強化に重点を置いて, NISTの具体化の推進が図られることとされた。

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